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クリスフォードの来訪⑤
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「貴方が通う学園は、領地経営を学び、殿方が貴族間の人脈を広げるためにあります。なので生徒は嫡男か、もしくは婿入りして婚家の領地経営に携わる子息ばかりではないですか?」
「ん……? そういえばそうだったな。だが、数は少ないがカサンドラ以外にも女生徒はいたはずだ……」
「それは女当主となる方でしょう。だから数が少ないのですよ。なので王家に嫁入りするスピナー公爵令嬢が学園に通う意味はないのです。王妃が領地経営をするわけもないですし、殿方との交流はむしろ控えるべきこと」
「だがっ! カサンドラは事業をいくつか手掛けており、王宮に入ってもそれは続けると言っていたぞ? 税金だけに頼る気はないとも言っていた! その志は立派ではないか!?」
「……はあ、あのですね、王妃は事業に携わることが出来ませんよ? 国の事業にだって関わることは許されておりません。そもそも王族は個人で利益を得ることを禁じられておりますので、彼女が手掛けている事業を嫁いでからも続けるなど無理な話です」
「なんだそれは!? 初めて聞いたぞ!」
「ええ、これは王妃教育で習いますからね。貴方が知らないのも無理はありません」
国の事業に携わるのは国王ならびに王太子だ。
妃がその領分を侵すことは禁じられている。
その昔、事業に携わっていた王妃が機密情報を生家に横流ししたことがあるからだ。
それ以降は王妃に事業を任せることは固く禁じられている。
「ちょっと待て……王妃教育ならカサンドラも受けているはずだろう? なら、何故……」
何故、王妃教育を受けているのに知らないのか。
そう言いたいのだろうが、それは私の方が知りたい。
「それは分かりませんわ。ですが、これだけは言えます。彼女よりもわたくしの方が王太子殿下の婚約者として相応しいと」
国の頂点に立つ夫を支え、共に国を守る妃となる。
愛するアルフォンス様を誰よりも傍で支えるのは私。
誰に何を言われようとも、この座を譲るつもりはない。
婚約者を蔑ろにし、数多の男に擦り寄るようなはしたない女よりも私の方が相応しいと断言できる。
「ん……? そういえばそうだったな。だが、数は少ないがカサンドラ以外にも女生徒はいたはずだ……」
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「……はあ、あのですね、王妃は事業に携わることが出来ませんよ? 国の事業にだって関わることは許されておりません。そもそも王族は個人で利益を得ることを禁じられておりますので、彼女が手掛けている事業を嫁いでからも続けるなど無理な話です」
「なんだそれは!? 初めて聞いたぞ!」
「ええ、これは王妃教育で習いますからね。貴方が知らないのも無理はありません」
国の事業に携わるのは国王ならびに王太子だ。
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それ以降は王妃に事業を任せることは固く禁じられている。
「ちょっと待て……王妃教育ならカサンドラも受けているはずだろう? なら、何故……」
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「それは分かりませんわ。ですが、これだけは言えます。彼女よりもわたくしの方が王太子殿下の婚約者として相応しいと」
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誰に何を言われようとも、この座を譲るつもりはない。
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