僕たちはまだ人間のまま 2

ヒャク

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第10話「拡張作業入ります」

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ボトルを左手で掴み、ゼリーを右の手のひらに出して、それを中指と薬指に良く絡ませる。
にちゃにちゃと馴染ませて指2本の滑りが良くなると、快感でボーッとした鷹夜の後ろの穴に再び中指の腹を押し付け、ゆるゆるとシワを解した。
鷹夜の穴がヒクつき、芽依のくすぐるような指使いにぎゅっと尻たぶに力が入る。
もはやこんな微かな尻の筋肉の動きですら狂おしい程に愛しいと言う妙な感覚が、芽依の胸の内に湧き上がっていた。

「ん、んっ、も、イク、芽依、」

快感に喘ぎ過ぎて疲れたのか、鷹夜の声は少し不機嫌で芽依の指を嫌がっている。

「もうちょっと頑張って、鷹夜くん」

けれどこんな事ですらもう何度目かで慣れてしまっていた。
疲れているのは確かだが、鷹夜はあくまでフェアを求めるので、自分ばかりが芽依にぐずぐずに気持ち良くされている事が嫌なのだ。
ただただ気に入らなくて不機嫌になっている訳ではない。
もうそろそろ芽依の肉棒をそこに挿れて欲しいと言っている。
それを芽依自身が良く理解しているので、すれ違いが起きずに済んでいた。
ここのところは夜な夜な性について話し合ってきた2人だからこそ通じ合っている部分だろう。

「芽依、お尻嫌だ、ぁ、あっ」
「もう少し拡げないと俺の入らないよ。頑張って」
「ぅあ、あ、アッ!」

ツプン、とまた中指が穴に埋まっていく。
柔らかくなった入り口のシワを解して拡げ、中指を何度か出して入れてと繰り返した。
震える鷹夜の身体を左手で撫で、彼が痛みを感じていないかを表情で確認すると、芽依は静かに中指の隣にピッタリと薬指をくっつけ、そのまますぼまった穴に差し込み始める。

「あッ、!?」
(あ、何か、太さが違う、)

違和感に気が付いた鷹夜の腰が跳ねた瞬間、シーツとベッドがギュッと音を立てた。

「痛い?」
「ま、待って、んっ!」

恐る恐る息を深くして、力を抜いていく。
そうしないと、ただでさえ大きい手をしている芽依の太い指を2本も受け入れられない。
穴にきゅうっと力が入りそうになるのを必死に堪え、何度も苦しげに息を吐き出して、鷹夜は自分の後ろの穴に芽依の指を飲み込ませようとする。

「はあ、はあ、んっ、はあっ」

少し力んでしまっているそこにゼリーを足して、中指を先に少しだけ挿れてから、薬指を何とか滑り込ませる。
ちゅぷっ、と穴を拡げて2本目の指の先がそこに入ると、いっそう大きく鷹夜が息を吸い、怖がりながら吐き出していった。

「鷹夜くん、入った。奥にしていい?」
「ぇ、あ?」

もう根元まで入ったと思っていたのだが、脚の間から見える視線の先の芽依の指は、やっと第一関節が埋まったくらいだ。

(ヤバい、結構辛い)

気持ちが良いよりもまだ違和感が勝ってしまっていて、奥に進められるのが怖い。

「ごめん、ちょっと待って、、」
「うん、分かった。こっち触ってもいい?やだ?」
「あぅっ」

芽依は左手でそろりと鷹夜の性器に触れた。
体勢が辛いにも関わらず、それは腹の方へひっくり返ったまま、まだやんわりと勃起している。

「触っていい?」
「い、イッちゃう、今触られると」
「いいよ。鷹夜くんがイクとこ見たい」
「何回も見てるでしょ、、ん、ぁっ」

穴に指を埋めたまま、遠くなって来ていた快感の波を再び鷹夜の中に戻すように、芽依は彼の性器を扱き始める。
途中でゼリーのボトルを掴み、温めずに会陰に中身を垂らすと、それを左手に絡ませてから性器を包んでにちっにちっと粘着質な音を立てながら扱いてやった。

「あ、あっ!?」

敏感なそれがヌルヌルした感触に包まれて、鷹夜は思わず高い声を漏らした。
一瞬仰いだ天井がやたらと遠くに見える。
継続して刺激を与えられていた身体はいつもよりも感じやすくなっていて、ゼリーで滑りを良くした手のひらで数回擦られただけで目の前がチカチカしてくるのだ。

(気持ちい、気持ち良い、出る、出るっ)

チュコッチュコッ チュコチュコチュコチュコ

「あ、あ、あ、あ、あッ!」

芽依が肉棒を擦る速度を上げると、いやらしい音が寝室に響いて止まらなくなった。
カクカクと、無様な姿のまま鷹夜が精一杯に1人で腰を振ってしまう。
そのせいでギシギシとベッドが揺れる音も加わり、シンとしていた部屋の中が一気にうるさく、そして卑猥な空間へと変貌していった。

「イク、芽依、芽依ごめん、あっあっ」
「気持ち良いね。鷹夜くんのここビクビクしてる」

芽依は自分の手の動きに喘ぎ、悶える鷹夜を満足げに見下ろしてそう言った。
気持ちの良い疼きが腰の奥から段々と性器の根元に集まってくるといよいよ射精感が昂まってきて、鷹夜の余裕はまたも崩れ去っていく。

「あっ、芽依、そんな、あっ、こすんなよ、あんっ」

そう言いながらも淫らに腰を振る。
鷹夜の夢中な表情を伺いながら、芽依は彼の後ろの穴に挿れたままにしていた2本の指を少しずつ奥に進め始めた。

「アッ、ぁ、んはっ」
「気持ち良いね」
「んっ、気持ち、ぃ、っう、んッ」

反り返った性器の先端から鷹夜の腹部へと、ポタポタと透明な液体が垂れて落ちる。
全身にかいた汗がうざったくて、けれどそれを気にしていられる余裕もない。

「芽依ッ、!」

獣のような目がこっちを見ている。
自分を欲しがる芽依の目だ。
鷹夜自身、セックスしようと言うまでに時間がかかってしまった事は芽依に申し訳ないと思っていたが、こんなにも欲情し切った目で見つめられる事になるとは思っていなかった。

(早く、挿れてあげたいのに、)

奥に入り込んでくる彼の指の感触にビクつきながら、性器を擦られる快感で身体を震わせる。
閉じてしまう瞼をたまに苦しそうに開けては、自分の感じる顔を凝視している芽依と視線を絡ませる。
ゴク、と唾を飲み込んだ喉が動くのが見えた。

「芽依、んひっ、んっ、奥、いいからっ、奥まで挿れて」
「痛くしたくないよ」
「痛くないっ、気持ち良いから、ぁんっ、アッ」
「ホント?」
「挿れて、挿れてッ」

涙を流しながら懇願する鷹夜。
芽依はそのいやらしい顔に興奮しながら、言われるがままにつぷつぷと指を奥まで押し込んだ。

「アッ」
「イッて」
「んあッ!」

中に押し込んだ指を曲げ、鷹夜の前立腺をトン、トン、と指の腹を押し付けて刺激する。
鷹夜は堪らず腰をくねらせながら後ろの穴の快感に耐え、それと同時に芽依の左手で擦られる性器の気持ち良さにビクンッと痙攣しているかのように身体を震わせた。

「イク、イクぅ、イクうッ!」
「うん。ザーメン出して。ピュッピュッてしよ」
「バカッ!!っあ、や、ぁあんっ」
「イクときの顔見せて。ほら、隠さないで」
「やだ、イヤだバカ、バカッ、いっく、イク、ぁ、あッ、イクイクイクッンッ芽依、芽依ッ!!」
「こっち見て、鷹夜」
「ぁ、あっ」

絶頂するその瞬間に、涙が溢れて潤んだ瞳が芽依の柔らかい茶色の瞳を見つめ返した。

「ぁ、~~ッ!!!」

ビクンッビクンッビクンッ、と3回連続で大きく腰を揺らし、声を我慢しながら鷹夜は呆気なく芽依の手の中に白濁した精液を垂れ流す。
前も後ろも攻め尽くされて、逃げ切れない快感の強さが堪らなく、射精はいつもよりも長かった。

(イッた、、お尻すごい締まったな)

深く早く息を繰り返す鷹夜のとろんととろけた顔を見て、芽依は性器から手を離し、受け止めた精液が垂れないように注意しながら、枕元にあるティッシュの箱を手繰り寄せると何枚もちり紙を掴み上げて押し付け、それが終わるとすぐに鷹夜の性器から綺麗に液体を拭き取った。

(これで、拡がったかな)

はあはあと息を整える鷹夜を横目に見て、試しに入れたままの2本の指を中で離してみた。

「あ、?」

(あ、拡がる、!!)

くぱ、と指の開きに合わせて拡がる穴の入り口を見つめて、芽依の股間は更に熱くなってしまった。
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