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第6弾 日は沈み 日は昇る
It is Christmas at last(ついにクリスマス)
しおりを挟むダンス大会から一夜明け、
やっとクリスマス本番の25日。
「こんにちは~」
クララはいつもなら「おはようございます~」と挨拶するセキュリティゲートを午後3時過ぎに通り抜けた。
(ふ~ん、仕事が休みの日にバックステージに来るのものんびりして良いものね~)
ゲートで保安官キャストに提示したIDカードをポーチに仕舞って大きな紙袋をよっこらせと抱え直す。
今日、クララは休みなのだが友達のミーナの娘カレンの託児所のクリスマス会の演奏を聴くために来たのだ。
ちなみにタウンのキャストは週休2日制でクララは木金が休みである。
土日に休みを取るのは子持ちや恋人持ちのキャストが優先されるので独り身のキャストは平日に回されるのだ。
バックステージのロビーに入ると、
壁際のソファーにスーザンとチェルシーの姿があった。
2人はちょうど昨日今日の水木が休みなのだ。
タウンのキャストはバイトでも準社員という扱いで勤続1年を過ぎると健康保険にも入れるし、有休まで取ることが出来る。
「――あれ、2人とも、帰らなかったの?」
クララはくつろいだジャージの上下ですっぴんの2人を見やった。
みなダンス大会の会場で朝まで爆睡だったのだが、自宅がタウンのすぐ近所のクララは朝早くに帰宅したのだ。
「うん~。もう夕べのダンスで身体が鉛みたいに重たくてバタンキュー~」
「キャスト食堂で朝定食、食べてから大浴場の温泉にず~っと浸かってたの~」
スーザンとチェルシーはダンスで疲れ果てて家に帰る気力もなかったらしい。
「――あ、クララ~」
アニタは今日も変わらずコスチューム管理の仕事をしていてオヤツ休憩にやってきた。
「ねぇねぇ、クララ。聞いた?スーザンとチェルシーってば騎兵隊キャストと付き合うことにしたんだって。ビックリよぉ」
アニタが呆れたように報告する。
「えっ?ホントに?」
(じゃ、じゃ、2人とも、ジョーさん狙いはやめたってこと?)
クララは驚いた顔をしながらも内心で嬉々とした。
「そういえば、夕べはずっと騎兵隊キャストの2人と踊ってたものね~」
クララは2人の向かい側のソファーに座って、大きな紙袋を脇に置いた。
「――で?どっちがどっちとカップルになったの?」
騎兵隊キャストのヘンリーとハワードの区別さえクララはよく分からないのだが、一応、訊ねてみる。
「わたしがヘンリー、チェルシーがハワードよ」
「夕べは騎兵隊、先住民、6人くらいと踊ったんだけど、なんかハワードが一番しっくりしたのよね~」
「うんうん。ダンスすると分かるわよね。爽やかなイケメンでも何かこのヒトと身体を密着するのイヤだなぁっていうのあるわよね。わたしもヘンリーだと一番しっくりしたのよ」
「そう、しっくり。まさに肌が合うっての?」
「ね?ダンスって彼氏を選ぶにはうってつけよね」
スーザンとチェルシーはお互いに共感し合っている。
「ふぅん、そうなんだぁ」
クララはそもそもダンスだろうが好きでもない男と手を取り合って身体を密着させるなどあり得ないのだが、「なるほど、なるほど」と納得顔して頷いた。
そこへ、
「あ~、キャスト食堂でオヤツ~♪楽しみだね~?」
「ね~?何、食べようかな~♪」
バミーとバーバラが声を弾ませてルンルンとスキップ加減でロビーへ入ってきた。
「あ、あの2人、ダンスレースで優勝したコ達よ。普段どおりにショウとパレードに出たのね」
「ピンピンしてるじゃない?どういう体力なの?」
スーザンとチェルシーは自分達のソファーの脇を足取り軽く横切っていく2人を目で追って唖然とした。
昨夜、バミーとバーバラはマッチョの男性ダンサーをも押し退けて2人してダンスレースの優勝を勝ち取ったのだ。
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