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第1弾 黄色いリボン

It's A Lovely,Lovely World(素敵な素敵な世界)

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 あくる日の午前中。

 今日もどんよりと曇り空。

 ウェスタン・タウンの隣にはウェスタン馬術の乗馬クラブがある。

「見学したいんですけど~」

 メラリーは受付で訊ねた。

「一日体験レッスンの方はこちらで~す」

 外から明るい声が聞こえる。

「――?」

 メラリーは思わず視線を窓の外の馬場へ向けた。

 パッカ、
 パッカ、

 馬場には颯爽と馬を駆って現れた美女の姿。

 空はどんよりでも美女にだけは明るく光が差し込んで見える。



「――は――っ」

 そして、さらにまた目が釘付けになった。

 それというのも胸が適度にある女性が乗馬をするとユッサユッサと胸が上下に揺れるのだ。

(な、なんか、意外に豊満な~?)

 当然、お年頃の男のコのメラリーはウキウキとして眺めた。

「こちら入会案内と申し込み用紙です。一日体験レッスンは、午前と午後の2回――」

 受付の中年女性が書類を示しながらレッスンに用意する持ち物や注意事項などの説明をする。

(――ポ~~――)
   
『馬の耳に念仏』

 まるでメラリーの耳には入らず、うわの空で美女にうっとりしていた。


 その昼下がり。

 野外ステージの楽屋では、

「……」

 メラリーが熱心に乗馬クラブの入会案内パンフレットを見ていた。

「メラリー、乗馬、習うの?」

 マダムが前屈みでパンフレットを覗き込んだ。

 胸の谷間が顔に近づくがショウのキャスト達はマダムの巨乳は見飽きているので無反応だ。

「うん。タウンの横にある乗馬クラブ。午前中、見学、行ってきて」

 メラリーも平然と答える。

 横からゴードンが口を挟んで、

「あらっ、乗馬ならわたしが教えてあげるのにっ。ジョーちゃんだってわたしが教えたんだからっ。ねっ?」

 同意を求めるようにジョーを見返った。

「そうそ、ゴードンさんでいいじゃん」

 ジョーもテキトーに勧める。

「んん~、でも、ゴードンさん、忙しいのに悪いっすから」

 メラリーは言葉を濁した。

「ああ、そんなら俺が教えてやってもいいぜ」

 ロバートまでが口を出す。

「んんん~、でも、ロバートさんも忙しいのにぃ」

 メラリーはまた言葉を濁した。

「違うんすよ。どうも乗馬クラブの初心者クラスのインストラクター、すっげー美女らしいんすよ」

「メラリーの奴、食い物と美女を嗅ぎ付ける嗅覚だけは発達してるから」

 トムとフレディが「ケケケ」とからかうように笑う。

「――っ」
   
『すっげー美女』と訊き、ジョーとロバートの目の色が変わった。
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