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第一章

俺、ピンチなんだが。

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「み、みみ、未来の旦那様だとぉ・・・?」

「今日はなんだい?やたら反抗的な上に凄まじい言葉遣いだね?」

言葉遣い・・・はっ・・・こいつ(俺)お姫様なんだよな。

「え、いえ・・・それより私の旦那様ってどういう事ですか?」

「何言ってるんだよ。そりゃ~この国でシルヴァ王国のお姫様と婚約出来るのはアミラス家のルビー・アミラスただ一人だろう。」

ルビー・アミラス・・・?

ルビー・・・?

「あぁ!ルビー!」

グイッ

俺は思いっきりルビーに顎を引き上げられた。

「ルビー・・・だと?ルビー様と呼べ?」

「ル・・・ルビーさ、ま。」

「ふん・・・こんな女の何が良いんだろうな。グレイも。
何度も言うが俺はお前のことを愛していない。この国を支配するためにお前と結婚するんだ。」

「は・・・はぁ・・・。」

「お前は結婚した後は俺の奴隷だ。俺が言った通りに生きて行けば良い。
そうすればたまにはグレイに会わせてやってもいい。」

なんだこいつ・・・。

ていうかどういうことだ・・・?

グレイと俺は愛し合っている。

なのに結婚はしない。結婚はこのルビーという男とする。

頭が混乱してきた・・・。

「ルビー様、私はグレイと結婚したいんです。」

鎌をかけてみることにする。

ルビーはこの返答になんと答えるのだろうか。

「お前はもっと物分かりのいい女だと思ってたんだがな。

国王が決めた結婚にグレイが逆らえるとでも?ましてやジュリ、お前は父親に逆らえまい。

お前らは早くお互いを忘れて生きていくべきだ。

グレイの兄として、言わせてもらう。お前のグレイに対する愛はアミラス家にとって迷惑でしかないのだ。」

そういうことか。

グレイとは愛し合ってはいるものの、グレイはアミラス家の次男であり婚約は長男であるルビーとしかできないのか。

なんて切ないんだ・・・。

しかもルビーは俺のことを奴隷扱い。

こんな結婚絶対ごめんだ。

俺はもう誰の為にも動かない。働かない。


そう・・・おれはもう・・・社畜じゃねぇんだ!!!

「私、絶対あなたと一緒になんてならないですから!!!出てってください!!!」

私は無理やりルビーを追い出した。

「ふん・・・そう言っていればいいさ。じきに陛下がお戻りになる、その時までは。」

やってやろうじゃねぇか。

現世の俺はグレイと一緒になりたいらしい。

ならその願い叶えてやらねぇと・・・

また我慢して死んでいくのだけはごめんだからな。

「ゆい・・・」

俺が死んだあと、ゆいはどうなったんだろうか・・・。

ただの幼馴染だったが・・・それでもお互い大切な存在だったはず。

・・・だと思いたい。

気持ち・・・伝えたかったなぁ。
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