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◆番外編◆ それぞれの未来へ
#5
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どういうふうにかというと。
相変わらず仕事の忙しい要さんの帰宅時間は遅いから、平日は一緒に居られる時間は限られている。
けれど、以前と変わらずその分家事だって手伝ってくれているし。
その家事にしたって、お腹が大きくなっていくのに伴い、私の手伝いだったのがいつしか要さんの役目になってきて。
初めは危なっかしくて目が離せなかったのに、今では料理の手際も腕前も上達してすっかりベテラン主夫になってしまっている。
そういう要さんの優しい気遣いは非常に嬉しいし、非常に助かっているのだけれど、忙しい要さんの身体が心配で堪らない。
だからって、私が何か言ったところで、要さんが聞いてくれる筈もないし。大きくなってきたお腹の所為でできないことも増えてきたため、ありがたく甘えさせてもらっていた。
……が、しかし、さっきも言った通り、それは家事だけには留まらなかっのだ。
それは、ある日の夕食時にいつものように要さんと一緒に夕飯の準備をしていた時のことだった。
動きづらくなってきた私がダイニングテーブルにトレイに乗せた食器類を運んでいてお箸を落としてしまい、それをしゃがんで取ろうとしてもなかなか取ることができず、結局要さんが拾ってくれて。
その時に要さんが、
『しゃがむのも大変になってきたようだし、何かあっても困るし、これからは風呂に入るのも一緒にしたほうが良さそうだな』
そんなことを言い出したのが事の発端だった。
それ以来、要さんが家に居る間中、私が何をするのにも要さんがずっとくっつき虫のように寄り添ってくれている状態が続いている。
他の人たちがどうかは知らないけど、まだまだ新婚だし、お風呂に一緒に入ったりするのも珍しことじゃないのかもしれないけど、流石に毎回身体まで洗ってもらうのは気が引けるし、恥ずかしい。
それにそれだけじゃ済まないから余計だ。
『自分では洗いにくいだろうから俺が綺麗に洗ってやる』
そういってくれる要さんは、恥ずかしがる私なんてスルーして、椅子に座らせた私の身体の隅から隅まで丁寧に洗ってくれるのだけど。
そのうち可笑しなスイッチ全開になってしまった意地悪な要さんによって、毎晩私は喘がされることになるのだった。
さすがに、毎晩立派な要さんのアレで可愛がるのは身重の身体に負担になるだろうと、私だけを気持ちよくしてくれるのだけれど、それがまた恥ずかしくてしょうがなかった。
だから昨夜は、今日のお祝いの席でそういう恥ずかしいシーンを思い出しでもしたら堪らないと思った私が要さんに、
『今夜は我慢して下さい』
そうお願いしたところ、
『あぁ、分かった』
そういって、快く了承してくれたものだから、私は安心しきっていた。
それなのに、まさかいつものような結果になってしまうなんて思いもしなかったのだ。
昨日もいつものように、要さんにお姫様抱っこされて運ばれたパウダールームであっという間に身ぐるみはがされてしまった私は、再びのお姫様抱っこで移動したバスルームの椅子へと座らされていた。
要さんがいつものようにバスタブになみなみと張ったお湯に、ブクブクと粟立つタイプの入浴剤を入れてすぐにシャワーを出し始めた。
そうして当たり前のように私の髪の毛をお湯で濡らしつつ、甘やかな声で湯加減を訪ねてくれる要さん。
「美菜、熱くないか?」
「はい、気持ちいいです」
「そうか、良かった」
私の返事を聞いた要さんは無茶苦茶嬉しそうに鼻歌交じりに返事を返すとシャンプーを流しにかかる。が、ここからが問題だった。
トリートメントまでしてくれた要さんは、タオルで私の髪をまとめ上げると、今度は身体を洗い始めるのだけれど。
身重でデリケートになった肌に悪いからと、手に直接ボディーソープをとって泡立てたその手で洗ってくれるものだから、ちょっと胸を触れられただけで、私はいつものように甘えるような声を漏らしてしまったのだ。
今思えば、これがいけなかったんだと思う。
「…………っ……あっ……ふぅ」
「そんな可愛い声を聞かされたらもっと啼かせたくなるだろう? それとも美菜は俺に、もっと触れてほしくてわざとそんな声を出すのか?」
「――ええっ!? ちがっ―ーあっ……ひゃんッ!?」
大抵決まって、このあたりから要さんの可笑しなスイッチが全開になってしまうというのに……。
どうやらうっかり者の私はいつものことだからと、すっかり気を抜いてしまってたらしい。
お陰で、もうすっかりいつもの可笑しなスイッチ全開になった要さんによって、見る間に、背後から椅子に座っている私の胸の膨らみは両手で愛おしそうにそれぞれ片方ずつ包み込まれてしまい。
要さんの意地悪な手は次第に官能的になっていったのだった。
相変わらず仕事の忙しい要さんの帰宅時間は遅いから、平日は一緒に居られる時間は限られている。
けれど、以前と変わらずその分家事だって手伝ってくれているし。
その家事にしたって、お腹が大きくなっていくのに伴い、私の手伝いだったのがいつしか要さんの役目になってきて。
初めは危なっかしくて目が離せなかったのに、今では料理の手際も腕前も上達してすっかりベテラン主夫になってしまっている。
そういう要さんの優しい気遣いは非常に嬉しいし、非常に助かっているのだけれど、忙しい要さんの身体が心配で堪らない。
だからって、私が何か言ったところで、要さんが聞いてくれる筈もないし。大きくなってきたお腹の所為でできないことも増えてきたため、ありがたく甘えさせてもらっていた。
……が、しかし、さっきも言った通り、それは家事だけには留まらなかっのだ。
それは、ある日の夕食時にいつものように要さんと一緒に夕飯の準備をしていた時のことだった。
動きづらくなってきた私がダイニングテーブルにトレイに乗せた食器類を運んでいてお箸を落としてしまい、それをしゃがんで取ろうとしてもなかなか取ることができず、結局要さんが拾ってくれて。
その時に要さんが、
『しゃがむのも大変になってきたようだし、何かあっても困るし、これからは風呂に入るのも一緒にしたほうが良さそうだな』
そんなことを言い出したのが事の発端だった。
それ以来、要さんが家に居る間中、私が何をするのにも要さんがずっとくっつき虫のように寄り添ってくれている状態が続いている。
他の人たちがどうかは知らないけど、まだまだ新婚だし、お風呂に一緒に入ったりするのも珍しことじゃないのかもしれないけど、流石に毎回身体まで洗ってもらうのは気が引けるし、恥ずかしい。
それにそれだけじゃ済まないから余計だ。
『自分では洗いにくいだろうから俺が綺麗に洗ってやる』
そういってくれる要さんは、恥ずかしがる私なんてスルーして、椅子に座らせた私の身体の隅から隅まで丁寧に洗ってくれるのだけど。
そのうち可笑しなスイッチ全開になってしまった意地悪な要さんによって、毎晩私は喘がされることになるのだった。
さすがに、毎晩立派な要さんのアレで可愛がるのは身重の身体に負担になるだろうと、私だけを気持ちよくしてくれるのだけれど、それがまた恥ずかしくてしょうがなかった。
だから昨夜は、今日のお祝いの席でそういう恥ずかしいシーンを思い出しでもしたら堪らないと思った私が要さんに、
『今夜は我慢して下さい』
そうお願いしたところ、
『あぁ、分かった』
そういって、快く了承してくれたものだから、私は安心しきっていた。
それなのに、まさかいつものような結果になってしまうなんて思いもしなかったのだ。
昨日もいつものように、要さんにお姫様抱っこされて運ばれたパウダールームであっという間に身ぐるみはがされてしまった私は、再びのお姫様抱っこで移動したバスルームの椅子へと座らされていた。
要さんがいつものようにバスタブになみなみと張ったお湯に、ブクブクと粟立つタイプの入浴剤を入れてすぐにシャワーを出し始めた。
そうして当たり前のように私の髪の毛をお湯で濡らしつつ、甘やかな声で湯加減を訪ねてくれる要さん。
「美菜、熱くないか?」
「はい、気持ちいいです」
「そうか、良かった」
私の返事を聞いた要さんは無茶苦茶嬉しそうに鼻歌交じりに返事を返すとシャンプーを流しにかかる。が、ここからが問題だった。
トリートメントまでしてくれた要さんは、タオルで私の髪をまとめ上げると、今度は身体を洗い始めるのだけれど。
身重でデリケートになった肌に悪いからと、手に直接ボディーソープをとって泡立てたその手で洗ってくれるものだから、ちょっと胸を触れられただけで、私はいつものように甘えるような声を漏らしてしまったのだ。
今思えば、これがいけなかったんだと思う。
「…………っ……あっ……ふぅ」
「そんな可愛い声を聞かされたらもっと啼かせたくなるだろう? それとも美菜は俺に、もっと触れてほしくてわざとそんな声を出すのか?」
「――ええっ!? ちがっ―ーあっ……ひゃんッ!?」
大抵決まって、このあたりから要さんの可笑しなスイッチが全開になってしまうというのに……。
どうやらうっかり者の私はいつものことだからと、すっかり気を抜いてしまってたらしい。
お陰で、もうすっかりいつもの可笑しなスイッチ全開になった要さんによって、見る間に、背後から椅子に座っている私の胸の膨らみは両手で愛おしそうにそれぞれ片方ずつ包み込まれてしまい。
要さんの意地悪な手は次第に官能的になっていったのだった。
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