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◆番外編◆ なにより愛しいもの~side要~
#26
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この絶体絶命な状況下。
完全に血の気が引いて、顔どころか全身が、真っ青になってるであろう俺は、ただただ小さくなって、次に放たれるであろう美菜の言葉をビクビクしながら待っていた。
そこへ、
「……ダメぇ、もう、ムリ。お腹……いっぱい~」
と、本当に苦しそうな声で、お腹の辺りをさするような仕草を繰り返す美菜の言葉によって、絶体絶命のピンチから脱することができたのだった。
……けれど。
「ハァ――……」
なんなんだ、このとんでもない疲労感と、脱力感は。
ピーンと張りつめていた緊張感から一気に解放されてしまった俺は、ムニャムニャといまだ夢の中にいる美菜の胸の谷間で、項垂れてしまっているのだが……。
――『一難去った直後に悪いが、速くなんとかしてくれぇ』
一難去ってまた一難、俺にはまだやらなきゃいけないことが残っていて……。
さっきより、俺のことを少しばかり気遣うような言葉を交えてきた、さっきよりは、若干余裕なさげに見える"荒ぶるアレ"を今度こそちゃんと成仏させてやるために。
相棒である右手でしっかりと包み込んで慰めるという屈辱に、皮肉なことに、俺じゃなく、プライドの方が粉々に砕け散ることとなった。
疲労感に脱力感、おまけにプライドまで粉々に砕かれてしまった俺は、『なるようになれ』と、もはやヤケクソだ。
ヤケクソになりつつも、美菜が起きてしまわないようにと細心の注意を払い、荒ぶる分身を右手でしごいている俺。
……なんと間抜けな姿だろうか。
くそ、せっかくEDを克服したっていうのに、この有り様はなんなんだ?
どこにもぶつけることのできない虚しい感情と格闘してるうち、俺は、ことの発端が美菜であることを思い出してしまった。
それと一緒に、美菜の可愛い手のあの感触と、自身の右手の感触とが、見事にシンクロしてしまい、よりいっそう硬さと存在を誇示し始めてしまう荒ぶる分身。
これ以上にないっていう虚しさよりも、そのえもいわれぬなんとも言えない感触の方が勝ってしまい。
急に昂りを見せる荒ぶる分身をラストへ向けて、俺は、一心不乱に手を動かし続けた。
片腕のなかには、なにより愛しい美菜の柔らかな感触を、もう片方では、荒ぶる分身の限界を、それぞれ直に感じながら……。
――『……っ、、……くっ、うっ……ぁああ!!』
「……っ、、……くっ、うっ……ぁああ!!」
別人格だが俺自身であるため、荒ぶる分身と同時に絶頂を迎えた俺は、腕のなかの美菜の身体に、欲情の顛末である熱い飛沫のすべてを一滴残らずぶちまけてしまったのだった。
せっかく、綺麗に後処理を済ませていたというのに、思わぬ美菜の襲撃により、俺は再び後処理をしなくてはならない羽目になって。
――今度目を覚ましたとき、覚えてろよ。
これ以上にないってくらいに恥ずかしい目に遭わしてやる。
なんてことを思いつつ、言い表せない程の屈辱を味わってしまった俺が、粛々と後処理を済ませていると、
「……要……しゃん、だいしゅきぃ」
なんて、いまだ夢の中の可愛い寝顔の美菜から、可愛い寝言を喰らってしまい。
単純な俺のご機嫌は一気にグングン上昇して、何に腹をたてていたかなんてスッカリ忘れて、綺麗になった愛しい美菜の身体を抱きしめて、この幸せを噛み締めるのだった。
完全に血の気が引いて、顔どころか全身が、真っ青になってるであろう俺は、ただただ小さくなって、次に放たれるであろう美菜の言葉をビクビクしながら待っていた。
そこへ、
「……ダメぇ、もう、ムリ。お腹……いっぱい~」
と、本当に苦しそうな声で、お腹の辺りをさするような仕草を繰り返す美菜の言葉によって、絶体絶命のピンチから脱することができたのだった。
……けれど。
「ハァ――……」
なんなんだ、このとんでもない疲労感と、脱力感は。
ピーンと張りつめていた緊張感から一気に解放されてしまった俺は、ムニャムニャといまだ夢の中にいる美菜の胸の谷間で、項垂れてしまっているのだが……。
――『一難去った直後に悪いが、速くなんとかしてくれぇ』
一難去ってまた一難、俺にはまだやらなきゃいけないことが残っていて……。
さっきより、俺のことを少しばかり気遣うような言葉を交えてきた、さっきよりは、若干余裕なさげに見える"荒ぶるアレ"を今度こそちゃんと成仏させてやるために。
相棒である右手でしっかりと包み込んで慰めるという屈辱に、皮肉なことに、俺じゃなく、プライドの方が粉々に砕け散ることとなった。
疲労感に脱力感、おまけにプライドまで粉々に砕かれてしまった俺は、『なるようになれ』と、もはやヤケクソだ。
ヤケクソになりつつも、美菜が起きてしまわないようにと細心の注意を払い、荒ぶる分身を右手でしごいている俺。
……なんと間抜けな姿だろうか。
くそ、せっかくEDを克服したっていうのに、この有り様はなんなんだ?
どこにもぶつけることのできない虚しい感情と格闘してるうち、俺は、ことの発端が美菜であることを思い出してしまった。
それと一緒に、美菜の可愛い手のあの感触と、自身の右手の感触とが、見事にシンクロしてしまい、よりいっそう硬さと存在を誇示し始めてしまう荒ぶる分身。
これ以上にないっていう虚しさよりも、そのえもいわれぬなんとも言えない感触の方が勝ってしまい。
急に昂りを見せる荒ぶる分身をラストへ向けて、俺は、一心不乱に手を動かし続けた。
片腕のなかには、なにより愛しい美菜の柔らかな感触を、もう片方では、荒ぶる分身の限界を、それぞれ直に感じながら……。
――『……っ、、……くっ、うっ……ぁああ!!』
「……っ、、……くっ、うっ……ぁああ!!」
別人格だが俺自身であるため、荒ぶる分身と同時に絶頂を迎えた俺は、腕のなかの美菜の身体に、欲情の顛末である熱い飛沫のすべてを一滴残らずぶちまけてしまったのだった。
せっかく、綺麗に後処理を済ませていたというのに、思わぬ美菜の襲撃により、俺は再び後処理をしなくてはならない羽目になって。
――今度目を覚ましたとき、覚えてろよ。
これ以上にないってくらいに恥ずかしい目に遭わしてやる。
なんてことを思いつつ、言い表せない程の屈辱を味わってしまった俺が、粛々と後処理を済ませていると、
「……要……しゃん、だいしゅきぃ」
なんて、いまだ夢の中の可愛い寝顔の美菜から、可愛い寝言を喰らってしまい。
単純な俺のご機嫌は一気にグングン上昇して、何に腹をたてていたかなんてスッカリ忘れて、綺麗になった愛しい美菜の身体を抱きしめて、この幸せを噛み締めるのだった。
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