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煌めく未来へ
#11
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゜・*:.。. .。.:*・♪
そんな甘い甘い幸せないくつかの夜を経て、私と要さんは、本日、いよいよ待ちに待った結婚式の当日を迎えた。
それまでにも、私の誕生日である十二月三日には、私は大好きな要さんと一緒に区役所に婚姻届けを提出し、晴れて正式な夫婦となって。
相変わらず、超が付くほどの忙しさだというのに、要さんは籍を入れる以前と同じように、時間があれば必ず、自分からすすんで、とっても嬉しそうに、とっても楽しそうに、食事の準備や後片付けを手伝ってくれている。
初めこそは、仕事も忙しいし、しなくていいと言ってた私も、今ではすっかり、この時間を楽しみにしていたりする。
――要さんにとったら、いい気分転換になっているだけかもしれないけれど、少しでも、同じように思っていてくれたらいいなぁ……。
大好きな要さんと結婚することができて、赤ちゃんまで授かっているというのに、欲張りな私は、そんな自分勝手なことまで思っちゃったりしている。
――こんな日が来るなんて、本当に思ってもみなかった。本当に幸せすぎて、夢のようだ。
要さんと初めて出逢ったあの日から、本当に、色んなことがあって、そのたびに、不安になったり、泣いちゃったり、時には要さんのことを疑っちゃったりもしたけれど。
そのたびに、少しずつ、少しずつ、絆が強くなって、こうして確かなものになった。
あの日から、まだそんなに月日は流れていないというのに、酷く懐かしく感じられる。
あの始まりの日から今までのことを懐かしみながら……
私は、どこまでも広がる綺麗な蒼い空と海をバックに、永遠の愛が誓えるという、なんとも贅沢で素敵な海辺のチャペルの、花嫁専用の控室で。
要さんが選んでくれたプリンセスラインの、まるで、おとぎ話に出てくるお姫様のような素敵な純白のウエディングドレスに身を包んでいる。
綺麗にセットされた髪に、ちょっと濃いめに大人っぽくメイクされた顔、大きな姿見の鏡に映る自分の姿が、なんだか七五三みたいで、気恥ずかしくて、凝視することができないでいる。
そんな私の元に、控室のドアをノックする音が響き渡って、「どうぞ」と答えつつ、後ろへ振り返った私の視界には、何故かモーニングに身を包んだ夏目さんの姿が飛び込んできた。
「なんだよ?そんな驚いた顔しちゃって。どした? 要じゃないからガッカリしちゃった?」
「……あぁ、いえ、だって、モーニングなんて着てるから、ビックリしちゃって」
「そりゃ、花嫁をエスコートすんだから、モーニングっしょっ?」
「――えぇ!? あれ、虎太郎さんがしてくれるんじゃなかったんですか?」
「なんだよ。俺からの、折角のサプライズプレゼントをふいにする気か? それとも、俺じゃ役不足とでも言いたいの……って、こーら、何泣いてんだよ?」
「だって……ふぇ……っ……」
「ガキンチョの美菜ちゃんでも、少しは花嫁さんらしくしてくれてんのに、花嫁さんが台無しになっちゃうだろう? 妊娠しても、相変わらずガキンチョだな。ほら、こっち向いてみ?」
どうやら、天涯孤独の私のために、エスコート役をかって出てくれたらしい夏目さんの、思いがけないサプライズプレゼントに、感激してしまった私は、折角のメイクが台無しになっちゃうんじゃないかと思うくらい、しばらくの間、大号泣だった。
そんな甘い甘い幸せないくつかの夜を経て、私と要さんは、本日、いよいよ待ちに待った結婚式の当日を迎えた。
それまでにも、私の誕生日である十二月三日には、私は大好きな要さんと一緒に区役所に婚姻届けを提出し、晴れて正式な夫婦となって。
相変わらず、超が付くほどの忙しさだというのに、要さんは籍を入れる以前と同じように、時間があれば必ず、自分からすすんで、とっても嬉しそうに、とっても楽しそうに、食事の準備や後片付けを手伝ってくれている。
初めこそは、仕事も忙しいし、しなくていいと言ってた私も、今ではすっかり、この時間を楽しみにしていたりする。
――要さんにとったら、いい気分転換になっているだけかもしれないけれど、少しでも、同じように思っていてくれたらいいなぁ……。
大好きな要さんと結婚することができて、赤ちゃんまで授かっているというのに、欲張りな私は、そんな自分勝手なことまで思っちゃったりしている。
――こんな日が来るなんて、本当に思ってもみなかった。本当に幸せすぎて、夢のようだ。
要さんと初めて出逢ったあの日から、本当に、色んなことがあって、そのたびに、不安になったり、泣いちゃったり、時には要さんのことを疑っちゃったりもしたけれど。
そのたびに、少しずつ、少しずつ、絆が強くなって、こうして確かなものになった。
あの日から、まだそんなに月日は流れていないというのに、酷く懐かしく感じられる。
あの始まりの日から今までのことを懐かしみながら……
私は、どこまでも広がる綺麗な蒼い空と海をバックに、永遠の愛が誓えるという、なんとも贅沢で素敵な海辺のチャペルの、花嫁専用の控室で。
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綺麗にセットされた髪に、ちょっと濃いめに大人っぽくメイクされた顔、大きな姿見の鏡に映る自分の姿が、なんだか七五三みたいで、気恥ずかしくて、凝視することができないでいる。
そんな私の元に、控室のドアをノックする音が響き渡って、「どうぞ」と答えつつ、後ろへ振り返った私の視界には、何故かモーニングに身を包んだ夏目さんの姿が飛び込んできた。
「なんだよ?そんな驚いた顔しちゃって。どした? 要じゃないからガッカリしちゃった?」
「……あぁ、いえ、だって、モーニングなんて着てるから、ビックリしちゃって」
「そりゃ、花嫁をエスコートすんだから、モーニングっしょっ?」
「――えぇ!? あれ、虎太郎さんがしてくれるんじゃなかったんですか?」
「なんだよ。俺からの、折角のサプライズプレゼントをふいにする気か? それとも、俺じゃ役不足とでも言いたいの……って、こーら、何泣いてんだよ?」
「だって……ふぇ……っ……」
「ガキンチョの美菜ちゃんでも、少しは花嫁さんらしくしてくれてんのに、花嫁さんが台無しになっちゃうだろう? 妊娠しても、相変わらずガキンチョだな。ほら、こっち向いてみ?」
どうやら、天涯孤独の私のために、エスコート役をかって出てくれたらしい夏目さんの、思いがけないサプライズプレゼントに、感激してしまった私は、折角のメイクが台無しになっちゃうんじゃないかと思うくらい、しばらくの間、大号泣だった。
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