【R18】訳あり御曹司と秘密の契約【本編完結・番外編不定期更新中】

羽村美海

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煌めく未来へ

#10

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そんな私の言葉に応えるようにして、要さんも私と同じように、ぎゅっと私のことを抱きしめた後。

ゆっくりと私の身体を自身の胸から解放し、艶かしくも、優しい眼差しで見つめつつ、

「俺も、美菜のことが今すぐほしい。けど、キツかったらすぐに言ってほしい。分かったか?」

息の上がった余裕なさげな声で、それでも、私のことを一番に気遣ってくれる、どこまでも優しい要さん。

「はい」

大好きな要さんに向けて、真っ直ぐに、私が返した言葉を聞き届けた要さんは、何やら悩まし気に綺麗なお顔を僅かに歪ませて、

「美菜がどんどん綺麗になってしまうから、そんな綺麗な美菜を見せられたら、どうにかなってしまいそうだ。さっきは偉そうなこと言ったが、キツくてもやめてやれる自信がない。もしキツければ、頼むから俺を殴ってでも止めてほしい。こんなことで美菜にもしものことがあれば、俺は、もう生きてはいけない」

今度は、そんな、どこまでも大袈裟な、どこまでも弱気なことを言ってきた。

思わず、ふっと笑ってしまいそうになるのをなんとか堪えて、

「そんな大袈裟です。でも、要さんにそう見えてるなら、嬉しいです。私だって、要さんがいないと生きていけないくらい、愛してます。だから、速く、要さんで満たして、いっぱいにしてください。要さんのことしか考えられないようにしてください」

可笑しなスイッチはどこへやら、相変わらずヘタレモードの要さんへ向けて、さっきまでのヤル気を取り戻させるために声を放った。

「本当に、美菜には適わないな。弱気なことを言ってすまなかった。すぐに俺で満たしてやるから、許してほしい」

「はい」

またまた、時々耳にする、よく分からない言葉を口にした要さんは、今度こそ、私のことを満たしてくれるために、諸々の準備を速やかに済ませ。

ソファに座った自分の膝の上に、向かい合うようにして、私の身体を抱きよせて、深く深くひとつに繋がりあって。

「……っ……ひゃあんッ」

たちまち、色々あったせいで、冷めかけていた筈の熱が蘇り、なんとも言えない甘すぎる快感に、呑み込まれてしまった私の口からは、甘ったるい嬌声が跳ね上がった。

どうやら久々の快楽に、呆気なく達してしまったらしい私は、そのまま、要さんの腕の中でクタリとしてしまっていて。そこへ、

「前にも言っただろう? 挿入しただけでイクなんて、可愛すぎだ。はぁ……悪いが、もう限界だ。動かせてもらう」

なんとも悩まし気に、溜息まで零して、余裕なさげな声でそういってきた要さんは、

「……あっ、やんっ……ちょっ、まっ――ぁあんっ」

焦った私の声を聞き入れるような間もなく。

私の頬や唇、首筋に、鎖骨、胸元や胸の尖りにというように、至るところに口づけつつ。

自身の熱く滾った昂りでは、巧みに注挿を繰り返し、緩やかに、けれど的確に、知り尽くした私のナカを翻弄し始めた。

いつもより、ゆっくりと緩やかな律動が、返ってじれったくて、もどかしくて、もう堪らない。

自分の意思とは関係なく、じわじわと最奥から湧き上がってきてしまう、蜜の溢れくる卑猥な水音と、自分の嬌声とが響く中。

同じように、じわじわと最奥から際限なく湧き上がってくる、甘すぎる快楽に、もう今にも達してしまいそうなのに、あまりにも緩やかな律動のせいか、それが叶わない。

ちょうど、そのタイミングで、緩やかな快楽の波を起こしている要さんに、腰を引き寄せられ。

正面から、愛おしそうに眇めた、なんとも艶やかな、甘い眼差しで見つめられ、

「……美菜……みなっ、……愛してるっ」

甘い言葉を、荒い息もそのままに、うわごとのように何度も何度も、甘い声で囁かれてしまえば……。

胸と最奥とが同時にキュンキュンと締め付けられてしまうから堪らない。

それでも、なんとかして大好きな要さんに応えたくて、必死に、

「か、なめ……さんっ、わた……しも、好きっ。大好きっ。愛してるっ」

そう言って、何度か口にした直後に、際奥で、要さんの昂りが容量を増した感覚がして。

際奥が一際きゅんのとした刹那、ふたり仲良く達してしまったのだった。

荒い呼吸を繰り返す要さんに、ぎゅうと抱きしめられた腕のなか、際奥で要さんの昂りが迸る感触さえも、愛おしくて堪らない。

――大好きな要さんから、もう、一秒たりとも、一ミリたりとも、離れたくない。ずっとずっとこのままくっついていたい。

まるで、私のそんな想いが通じたかのように……。

要さんは、達してからも、離れ難いというように、私のことを大事そうに、ずっと抱きしめたままでいてくれて。

互いの顔を寄せあい、微笑みあって、額や頬をくっつけあったりしつつ、いくどとなく、キスを交わしたりして……。

なんとも幸せな心地で、甘い甘い余韻の中を、いつまでもいつまでも微睡んでいた。
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