【R18】訳あり御曹司と秘密の契約【本編完結・番外編不定期更新中】

羽村美海

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一難去ったその後で

#16

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「やっ、ひゃあああん」

その瞬間、悲鳴のような嬌声を放ち、枕に突っ伏して真っ暗だった世界に突然火花が散ったような衝撃が走った。

同時に、私の腰の括れをがっしりと両手で掴んで強く腰を打ち当てた張本人である要さんが、首をのけ反らせくたりと崩れこんでしまった私の身体を、両腕で瞬時に抱え込み、覆いかぶさるようにして項に顔を埋めこんでくると。

「挿入しただけでイクなんて、可愛すぎるにもほどがある。そんな可愛い姿見せられたら、メチャクチャにしたくなるだろう?」

悩まし気な色っぽい声音で低く囁かれ、それだけでぞくぞくと全身が粟立ってゆく。

なのに、それだけにとどまらず、要さんは自身の放った言葉通りにしてしまわないように、その欲求を無理やり抑え込むかのように、苦し気な唸り声を上げたかと思えば、達した余韻を味わっている間もない私の肩口に、まるで獣が牙でも立てるようにして食らいついてきた。

当然、噛まれているのだから痛みを感じる筈なのに、達したばかりの所為か、それらが甘い痺れとなって、強い電流のように全身を駆け抜け、まるで媚薬のように私のすべてを麻痺させてゆく。

暗示にでもかかったように、さっきまでの見悶えるような羞恥さえも、もうどうでもよくなってくる。

ただ要さんの欲望のすべてを全身で受け止めたい、その想いだけで頭の中は埋め尽くされてゆく。

「……メチャクチャに……してほしい」

無意識のうちに、私はそう口走っていた。

「……くっ」

私の言葉に驚いたのか、一瞬何もかもの動きを制止させた直後、私のナカの要さんの昂ぶりがドクンと脈打ったかと思えば、より一層硬度と重量を増したような感触がして、要さんの口からも苦し気な呻き声が零れた。

そしてその後、

「……じゃぁ、美菜の望みどおりにしてやる。泣き叫んでもやめてやらないから、覚悟しろ」

私のさっきの言葉に対して、これ以上にないってくらい容赦のない言葉を浴びせてきた要さん。

要さんは、器用に私の身体を貫いたままの状態で、胡坐をかくような体勢へと持ち込むと、私の身に着けているバスローブを肩からずらして腰元に落とした。

そしてすぐに、露になった私の両胸の膨らみを、後ろから回した手で左右それぞれに鷲掴み、柔肌の感触を手で味わうように揉みしだきながら、昂ぶりで天を突きあげるようにして私のナカを激しく攻め立ててきた。

「……あっ、やんっ、はぁっ、あんっ、っあ、はぁ、ああん」

途端に、要さんの腕の中で、えもいわれぬ甘やかな愉悦に襲われた私の身体が、弓なりにしなって、喉をのけ反らせ、息も絶え絶えになりながら、甘く艶やかな嬌声と荒い吐息とを零し続けることしかできない。

そんな私のナカは、要さんの昂ぶりを取り込むようにして締め付けていて、どちらのものか分からない熱い蜜で満たされ、絡まりあい、互いの熱で溶けあって、今にもひとつになってしまいそうだ。

その間にも要さんは、時折さっきのように、首筋や肩口、背中という風に、至るところに牙を立てるように噛みついたり、強く吸い付いたりして、自分のものだとでもいうように、無数の痕を私の身体に刻み込んでいるようだった。

しばらくそのままの体勢で、獣と化した要さんに容赦なく貫かれていた私が、要さんのキスが無性に恋しくなって、顔を後ろの要さんのほうに向け、右手を要さんの頬へと出来うる限りに差し伸べ、

「……キス……して……ほしい」

潤みきった瞳もそのままに、そう請《こ》えば。

本能のままに欲望のままに、突き進む獣のような表情をしていた要さんの表情が、一瞬だけフリーズしてしまった。

かと思えば、急にふっと緩んで、まるで憑き物が落ちたかのような、穏やかな優しい眼差しで、私のことを眩しそうに見つめてきた要さん。

そうかと思っていたら、次の瞬間には、そのまま私はベッドの上へとうつ伏せの体勢で、背中から組み敷かれていて。

相変わらず元気なままの要さんの昂りを後ろから受け入れ、いつも以上に深く繋がりあっている所為で。
 
要さんが荒い呼吸を繰り返しているだけでも、最奥に硬い昂りがグリグリと当たってしまい。その都度、じわじわと緩やかな愉悦が蜜と一緒にせりあがってくる。

今より、もう少し強い力で動かれてしまえば、すぐにでも達してしまいそうだ。

そんな私の心配をよそに、要さんが私の身体を後ろから、ぎゅーッと強く抱きしめながら、

「俺は、美菜の言葉ひとつで簡単に、我を忘れてしまったり、正気を取り戻すことができるらしい。頼むから、もうこれ以上、俺を煽らないでほしい。本当に壊してしまいそうで、怖くなる。美菜のことを大事にしたいと思ってるのに、自分で自分のコントロールができない。前にも言ったかもしれないが、こんなこと初めてで、一体どうすればいいか分からなくなる」

苦し気に喉の奥から絞り出したような声で、そんな弱気なことを言ってきた。

大好きな要さんになら、何をされても平気だというのに、そんな風に私のことを想ってくれていることが、ただただ嬉しくて堪らない。

要さんへの愛おしさが際限なく溢れて、もう止まりそうにない。
 
さっきから、下腹部の最奥がキュンキュンしっぱなしだ。
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