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甘くて苦いビターチョコのように
#23
しおりを挟むでも、要さんに、私のことをもっともっと好きになってもらえるようにするためには、今のままじゃダメだよね?
さっき私に要さんが言ってくれたように、要さんにも、もっともっと私の気持ちをちゃんと伝えなきゃ。
「要さんの言ってくれた言葉があんまり嬉しくて、ちょっと放心しちゃってただけです。
要さんが大事に優しくしてくれたお陰で、全然痛くもないし、辛くもありませんから、安心してください。
それから、私も、要さんのことをもっともっと好きにさせて、私から、一生、離れられなくしますから、覚悟して下さい」
……そうは思って勢いにまかせて言い出してはみたものの、途中で、だんだん恥ずかしくなってきて。
それに伴い、顔から全身が熱くなってきて、真っ赤になってるんだろうことが自分でも分かる。
それでも、なんとか言い終えることができた私が真っ赤であろう顔でまっすぐに見つめ返せば……。
いつものごとく、さっきまでの心配そうな表情はどこへやら。
既に可笑しなスイッチ全開になってしまってるらしい要さんは、怖いくらい綺麗なお顔に、あの妖艶で不適な微笑を浮かべていて。
「もう、とっくに、そうなってるが、美菜がせっかくその気になってくれたんだ。
俺も、美菜に負けないようにしないとな。
もう、痛くないようだし、子供扱いもされたくないようだし。
もう、処女でもないもんな? だったら、遠慮なく、いろんな体位でイカせてやるから、覚悟しろ」
「……た、たいい?」
「あぁ、悪い。分かりやすく説明してやる。
今のこの体勢は『対面座位』っていう体位で。
ほら、こーすると、美菜と俺が繋がってるのがよ~く見えるだろ?」
「////」
あんなに恥ずかしい思いをして言った私の言葉に対して。
要さんからは、私の言葉の遥か上をいく言葉が返ってきてしまったから堪らない。
そればかりか、なにやら愉しげに事細かに詳しく説明しだした要さんによって、いつものごとくアワアワし始めた可哀想な私。
……の筈、だったのだけれど。
そんな可哀想な私のことを、どういう訳か、急に抱き寄せると、ふわりと優しく包み込むようにして抱き締めてくれた要さんは、私の耳元で。
「美菜、ごめん」
そう言って、申し訳なさそうに、謝ってきたかと思えば……。
「美菜があんまり可愛いから、つい、調子に乗って、悪ふざけが過ぎた。
この体勢にしたのは、美菜があんまり可愛いこと言ってくるから、こうやって、無性に美菜を抱き締めたくなったからだ。
これだと、可愛い美菜の顔を見つめることができるし、辛そうにしてても、すぐに分かるし。
こうやってくっついてたら、美菜が少しでも安心できると思ったんだ。
なのに、意地悪なこと言って、本当に、ごめん。
俺のことだから、これからも調子に乗って、今みたいに口では色々意地悪なことを言うかもしれないが、これだけは約束する。
美菜が本当に嫌がるようなことは、絶対にしない。
それくらい、美菜のことを大事にしたいって思ってる。だから、安心して欲しい」
さっきまで意地悪なことを言ってた人とは思えないくらいの真剣な表情で、やっぱり申し訳なさそうにではあるものの。
それでも最後には、私のことをまっすぐに見つめながら、キッパリと言い切ってくれた要さん。
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