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甘くて苦いビターチョコのように
#18
しおりを挟むーー私の気も知らないで。
『じゃあ、もっともっと優しくして、とろっとろに甘やかして、俺から一生離れられなくしないとな?
俺のできうる限りの力を発揮して、今から精一杯気持ち良くさせてやるから、覚悟しろ』
なんてことを簡単に言い放った要さんのことが怨めしい。
それなのに、色気半端ない要さんの放った言葉通り。
『できうる限りの力を発揮して』繰り広げられる熱くて甘い口づけの威力は、それはもう絶大だった。
要さんが熱くて甘い口づけの角度を変えるたびに、深さを増して、要さんの熱い舌が私の舌を絡めとるようにして交わってきて。
もう、どっちがどっちなのかも判別できないくらいに、激しく、執拗に、攻め立ててくるから。
少し前に盛大にイカされて、どうやら潮を吹いてしまったらしい私の、どこもかしこも敏感になっているせいで。
熱くて甘い口づけだけで、とろりと蕩けた身体からはクタリと力が抜けて、頭は真っ白になっていく。
「……はぁっ、……んんっ、……んぅ……ンンッ」
時折、重なりあう互いの唇の僅かな隙から漏れてしまう甘い吐息と、溢れる唾液と、互いの舌とが絡み合う厭らしい水音とが、静かな寝室にクチュクチュ響き渡っていく。
ただでさえ、咥内を翻弄されて蕩けてしまってるというのに……。
耳から入ってくる、その何もかも全てが、相乗効果となってしまうから堪らない。
昂っていく気持ちに比例して、鼓動までもがドンドン加速し、ありえない速さでリズムを刻み初めて。
このままだと、心臓もろとも壊れてしまうんじゃないかと心配になってしまうくらいだ。
でも、そんなことを考えていたこの時は、まだまだ余裕があったんだろうと思う。
『そんなことなど百も承知だ』
『そんな余裕なんてなくしてやる』
そう言わんばかりに、要さんが熱くて甘い口づけもそのままに。
ゆるゆると、けれど的確に、私の中の弱いポイントを自身のアレで探るようにして、腰を前後左右に巧みに揺らし始めた。
要さんの全てを受け入れてから、もう随分と長い時間要さんが動かずにいてくれたお陰で、痛みも和らいでいたせいだろうか。
要さん自身に、中で擦られるたびに、灼熱感を感じることはあっても、さほど痛みを感じることはなかった……のだけれど。
その代わり、生まれて初めて味わう、なんとも形容しがたい甘すぎる刺激に、最奥から何かがせりあがってくるような妙な感覚がして、身体がゾクゾクと粟立ってゆく。
「……あっ……や、んっ……ンン……ふぅ……」
要さんの腕の中で、ただただされるがままに身を委ねて、胸にギュッとしがみついてることしかできない。
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