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episoudo:15
#9
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今、この瞬間だけは、私たち二人を邪魔するものなんて、なにもない。
……だから、今だけは、こうやって、直樹のことを近くで感じていたい。
……もっと、もっと、深いところで繋がっていたい。
そんな想いで、直樹にキツく抱きつきながら口づけていたからなのか、直樹も、私と同じように想ってくれているからか……。
一層、深くて、熱い、口づけを交わした後、
「……愛が、今すぐ、欲しい」
私のことを潤んだ瞳で熱く見詰めがら、荒い息を弾ませつつ、そう言ってきた直樹。
もう、羞恥も、理性も、とっくに忘れてて、そんなものは、もうどうでも良くって。
……ただ、私のことを、直樹だけで満たして欲しい。
直樹のことも、私だけで満たして欲しい……。
だから、
「私も。直樹が、今すぐ欲しい。
嫌なこと全部、直樹に上書きして欲しい」
素直にそう言って、直樹に強く抱きついていて。
そしたら直樹が、
「愛、ごめん。
優しくしてやれないと思う」
少し辛そうに、心配そうに言ってくるから、
「メチャクチャにしてくんなきゃヤダッ! 許さない」
そう言って、自分から、また直樹の首に腕を回して絡みつくようにして口づけながら抱きつけば。
シュンとして、私に、謝ってばかりだった筈の直樹はどこへやら……。
「あーくそっ。
もう、どうなってもしらねーぞ?」
なんて、いつものような勢いを、いつも以上に発揮させた元気な直樹によって、私は病室のベッドの上で、あっという間に組み敷かれていたのだった。
次の瞬間、
「うっ……」
と、呻くような声を出して、私の横に寝転がってしまった直樹。
どうやら直樹は、包帯で巻かれている左手の方を、運悪くぶつけてしまったらしく。
直樹は、瞼をグッとキツく閉じていて、痛みを堪えているようで……。
驚いた私が、慌てて起き上がって、
「えっ、直樹っ!? 大丈夫!?」
直樹の顔を上から覗き込むようにして見下ろせば、
「ちょっと、痛かったけど、もう平気だし。大丈夫」
そう言いながら仰向けになると、ぶつけた手をヒラヒラとさせて、直樹は笑っているのだけれど。
ヤッパリ少し痛そうで、無理しているように見える。
だから私が、
「……ごめんなさい。
私が、無茶なこと言ったりしたから。
……ヤッパリ、無理しない方が」
と、そこまで言ったときだった。
なにやら思案顔の直樹が、私を上目使いで見上げながら、少しバツ悪そうに、
「イヤイヤ、今さら、無理だし」
そう言ってくると、今度は、何故か、ちょっと可愛く小首を傾げたと思ったら、自分で僅かに両脚を広げて見せると、きっと元気になってるんであろう"あの部分"を、平気な方の手を使って指差して、
「……こーなっちゃった責任、愛にとって欲しいなぁ。嫌ならやめるけど、どうする?」
なんてことを言ってきた。
……どうやら直樹は、ちょっと調子に乗ってしまっているらしい。
……だから、今だけは、こうやって、直樹のことを近くで感じていたい。
……もっと、もっと、深いところで繋がっていたい。
そんな想いで、直樹にキツく抱きつきながら口づけていたからなのか、直樹も、私と同じように想ってくれているからか……。
一層、深くて、熱い、口づけを交わした後、
「……愛が、今すぐ、欲しい」
私のことを潤んだ瞳で熱く見詰めがら、荒い息を弾ませつつ、そう言ってきた直樹。
もう、羞恥も、理性も、とっくに忘れてて、そんなものは、もうどうでも良くって。
……ただ、私のことを、直樹だけで満たして欲しい。
直樹のことも、私だけで満たして欲しい……。
だから、
「私も。直樹が、今すぐ欲しい。
嫌なこと全部、直樹に上書きして欲しい」
素直にそう言って、直樹に強く抱きついていて。
そしたら直樹が、
「愛、ごめん。
優しくしてやれないと思う」
少し辛そうに、心配そうに言ってくるから、
「メチャクチャにしてくんなきゃヤダッ! 許さない」
そう言って、自分から、また直樹の首に腕を回して絡みつくようにして口づけながら抱きつけば。
シュンとして、私に、謝ってばかりだった筈の直樹はどこへやら……。
「あーくそっ。
もう、どうなってもしらねーぞ?」
なんて、いつものような勢いを、いつも以上に発揮させた元気な直樹によって、私は病室のベッドの上で、あっという間に組み敷かれていたのだった。
次の瞬間、
「うっ……」
と、呻くような声を出して、私の横に寝転がってしまった直樹。
どうやら直樹は、包帯で巻かれている左手の方を、運悪くぶつけてしまったらしく。
直樹は、瞼をグッとキツく閉じていて、痛みを堪えているようで……。
驚いた私が、慌てて起き上がって、
「えっ、直樹っ!? 大丈夫!?」
直樹の顔を上から覗き込むようにして見下ろせば、
「ちょっと、痛かったけど、もう平気だし。大丈夫」
そう言いながら仰向けになると、ぶつけた手をヒラヒラとさせて、直樹は笑っているのだけれど。
ヤッパリ少し痛そうで、無理しているように見える。
だから私が、
「……ごめんなさい。
私が、無茶なこと言ったりしたから。
……ヤッパリ、無理しない方が」
と、そこまで言ったときだった。
なにやら思案顔の直樹が、私を上目使いで見上げながら、少しバツ悪そうに、
「イヤイヤ、今さら、無理だし」
そう言ってくると、今度は、何故か、ちょっと可愛く小首を傾げたと思ったら、自分で僅かに両脚を広げて見せると、きっと元気になってるんであろう"あの部分"を、平気な方の手を使って指差して、
「……こーなっちゃった責任、愛にとって欲しいなぁ。嫌ならやめるけど、どうする?」
なんてことを言ってきた。
……どうやら直樹は、ちょっと調子に乗ってしまっているらしい。
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