同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。

羽村美海

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はじまりの夜 ♯4 ✱

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 暴かれた下肢の中央を圭の熱い呼気がかすめるだけで、ヒクついた秘裂からじゅわりと愛蜜が滴る感触がする。

 まるでお預けを食らって涎でも垂らすように。

 その様子を圭が指摘し高らかに宣言する。

「そんなに触れて欲しいなら、今からたっぷりと可愛がってやるよ」
「ーーひぃ、ああっ、んんぅーーッ!?」

 直後、愛蜜に塗れふるふると小刻みに打ち震える粒にむしゃぶりつかれていた。

 あたかもずっとお預けを食らっていた飢えた獣がもう我慢ならないというように、牙を穿つ。

 それだけじゃない。宣言通りたっぷりと可愛がり始めた。

 粒に牙を穿つように甘噛してきたあとは、剥き出しになった陰核を指で押し潰すように捏ねくりまわす。

 手薄だった蜜口には窄めた熱い舌先を強引に捻じ込み、掻き乱す。

 蜜洞が収縮し肉襞がせわしなく蠢き始めた。

 その様は、窪塚の指を自ら取り込もうとするかのよう。

 その感覚に羞恥が煽られる。

 しばらくの間、絶え間なく与えられる強烈な愉悦と羞恥に身悶えていた。

 何かに縋っていたくとも圭は足下にいるので、枕に追いすがることしかできないでいる。

 どれくらい身悶えていただろうか。

 気づけば強烈な愉悦に襲われた私の下肢に、熱く夥しい飛沫が飛び散る感覚がした。

 辛うじて意識を保っていたので、こんなところで粗相してしまったことがショックでならない。

 さっきまで混濁していた思考が冷静に働くのだ。

 これから三日間はこのホテルにお世話になるというのに。

 シーツを汚したどころか、きっとマットレスにまで沁みていることだろう。

 これじゃ、何をしてこうなったかが歴然だ。

 ーーもう嫌だ。恥ずかしすぎる。

 ショックの余り、顔から全身真っ赤に紅潮させて、顔を両手で覆い隠し。

「……もう、ヤダ。お嫁に行けない」

 無意識にそう零していた。

 すると事後処理をしてくれていた圭の動きがピタリと止まった。

 そしてすぐに私の身体をぎゅうぎゅうに抱き竦めてくる。

「……さっきから可愛いことばっか言いやがって。俺のことどこまで煽ったら気が済むんだ」

 正直意味がわからなかった。さっきの余韻と羞恥のせいで頭は大混乱なのだから無理もない。

 思わずぼやいてしまうのだった。

「……まだ三日もここに連泊するのに恥ずかしすぎて死ぬ」

 けれどもこの言葉は、やぶ蛇となってしまう。

「ハハッ、なんだよ。そんなこと気にしてたのか? 新婚なんだからこんなの普通だろ。『ああ、またか』くらいのもんだろきっと。それより、俺の可愛い奥さんはまだまだ余裕があるようだから、今度は俺自身で目一杯可愛がって、羞恥なんてなくしてやんねーとな」

 未だ羞恥に塗れて顔を手で覆っている私の耳元に、圭が意味深な言葉を囁いてきた。

 恐る恐る指の隙間から様子を窺い見る。

 その言葉の意味を私が理解する前に、圭がバスローブを豪快に脱ぎ去った。

 見慣れたはずの細身ながらに鍛え抜かれた
圭の逞しい裸体に目を奪われる。

 広くがっしりとした肩、なだらかに隆起した厚い胸板。

 まるで芸術的な彫刻のように、綺麗な陰影が浮かび上がっている六つに割れた腹筋。

 不意に圭の視線とバチッとかちあい、我に戻った私は羞恥を覚え視線を逸らす。

 そこに圭が独り言ちるようにして零した言葉に、更に羞恥が煽られる。

「もう三年も付き合ってて、結婚までしたってのに。可愛い反応見せるとこ、変わらないよな。鈴のそういうとこがたまんねぇ」

 羞恥に身悶えわなわなと慄いていると。

 すーと伸ばされた圭の手が私のバスローブの腰紐をするりと解く。

 圭の眼前に、ブラとショーツだけを身につけた身体が晒された。

 思わず身体を隠そうと顔を覆っていた手を下げようとして、圭にまたもや阻まれる。

 見る間にブラを外され、ショーツも足から抜き取られ、ベッドの下へと放たれた。

 片手で器用に両手首を頭上で縫い止めるように固定され、何も纏っていない身体をマジマジと見下ろされる。

 それだけで、散々解された下肢の中央から熱い蜜がじゅわりと滲み出てしまう。

 何か言われそうでゴクリと喉を鳴らしたところへ、ゆっくりと間近に迫ってきた圭が首筋に顔を埋めてくる。

 滑らかな皮膚の感触を味わいながら這わされた舌と唇とが、触れたところからしっとりと湿り気を帯び冷ややかな感触がする。

 ゾクゾクと電流のような痺れが背筋を這い上がっていく。

「すっげー綺麗だから、隠さずに全部見せろ。もう鈴の何もかもすべては俺だけのものなんだから」
「ーーッ!?」

 そんなタイミングで宣言され、『所有印である証』を身体に刻み込むように、キツく素肌に吸い付かれた。

 チリチリと焼けるような感覚がする。

 それは首筋からはじまり、鎖骨や鎖骨の括れ、胸やおへそというように、全身に及んだ。

 やがて自分の刻み込んだ『所有印である証』を満足げに見遣ると、ハッとした圭が不安げな声で謝罪し気遣ってくる。

「……ごめん、我をなくしてた。痛くなかったか?」

 その豹変ぶりに呆気にとられてしまった。

 けれどそれは同時に、私のことしか見えていないことの何よりの証拠に他ならない。

 圭の見せる何もかもが私の胸をときめかせ、熱くする。

 それはこれまでもそうだったように、これからの人生においても、圭だけだ。

 そのことを少しでも圭に伝えたい。

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