37 / 39
はじまりの夜 ♯4 ✱
しおりを挟む暴かれた下肢の中央を圭の熱い呼気がかすめるだけで、ヒクついた秘裂からじゅわりと愛蜜が滴る感触がする。
まるでお預けを食らって涎でも垂らすように。
その様子を圭が指摘し高らかに宣言する。
「そんなに触れて欲しいなら、今からたっぷりと可愛がってやるよ」
「ーーひぃ、ああっ、んんぅーーッ!?」
直後、愛蜜に塗れふるふると小刻みに打ち震える粒にむしゃぶりつかれていた。
あたかもずっとお預けを食らっていた飢えた獣がもう我慢ならないというように、牙を穿つ。
それだけじゃない。宣言通りたっぷりと可愛がり始めた。
粒に牙を穿つように甘噛してきたあとは、剥き出しになった陰核を指で押し潰すように捏ねくりまわす。
手薄だった蜜口には窄めた熱い舌先を強引に捻じ込み、掻き乱す。
蜜洞が収縮し肉襞がせわしなく蠢き始めた。
その様は、窪塚の指を自ら取り込もうとするかのよう。
その感覚に羞恥が煽られる。
しばらくの間、絶え間なく与えられる強烈な愉悦と羞恥に身悶えていた。
何かに縋っていたくとも圭は足下にいるので、枕に追いすがることしかできないでいる。
どれくらい身悶えていただろうか。
気づけば強烈な愉悦に襲われた私の下肢に、熱く夥しい飛沫が飛び散る感覚がした。
辛うじて意識を保っていたので、こんなところで粗相してしまったことがショックでならない。
さっきまで混濁していた思考が冷静に働くのだ。
これから三日間はこのホテルにお世話になるというのに。
シーツを汚したどころか、きっとマットレスにまで沁みていることだろう。
これじゃ、何をしてこうなったかが歴然だ。
ーーもう嫌だ。恥ずかしすぎる。
ショックの余り、顔から全身真っ赤に紅潮させて、顔を両手で覆い隠し。
「……もう、ヤダ。お嫁に行けない」
無意識にそう零していた。
すると事後処理をしてくれていた圭の動きがピタリと止まった。
そしてすぐに私の身体をぎゅうぎゅうに抱き竦めてくる。
「……さっきから可愛いことばっか言いやがって。俺のことどこまで煽ったら気が済むんだ」
正直意味がわからなかった。さっきの余韻と羞恥のせいで頭は大混乱なのだから無理もない。
思わずぼやいてしまうのだった。
「……まだ三日もここに連泊するのに恥ずかしすぎて死ぬ」
けれどもこの言葉は、やぶ蛇となってしまう。
「ハハッ、なんだよ。そんなこと気にしてたのか? 新婚なんだからこんなの普通だろ。『ああ、またか』くらいのもんだろきっと。それより、俺の可愛い奥さんはまだまだ余裕があるようだから、今度は俺自身で目一杯可愛がって、羞恥なんてなくしてやんねーとな」
未だ羞恥に塗れて顔を手で覆っている私の耳元に、圭が意味深な言葉を囁いてきた。
恐る恐る指の隙間から様子を窺い見る。
その言葉の意味を私が理解する前に、圭がバスローブを豪快に脱ぎ去った。
見慣れたはずの細身ながらに鍛え抜かれた
圭の逞しい裸体に目を奪われる。
広くがっしりとした肩、なだらかに隆起した厚い胸板。
まるで芸術的な彫刻のように、綺麗な陰影が浮かび上がっている六つに割れた腹筋。
不意に圭の視線とバチッとかちあい、我に戻った私は羞恥を覚え視線を逸らす。
そこに圭が独り言ちるようにして零した言葉に、更に羞恥が煽られる。
「もう三年も付き合ってて、結婚までしたってのに。可愛い反応見せるとこ、変わらないよな。鈴のそういうとこがたまんねぇ」
羞恥に身悶えわなわなと慄いていると。
すーと伸ばされた圭の手が私のバスローブの腰紐をするりと解く。
圭の眼前に、ブラとショーツだけを身につけた身体が晒された。
思わず身体を隠そうと顔を覆っていた手を下げようとして、圭にまたもや阻まれる。
見る間にブラを外され、ショーツも足から抜き取られ、ベッドの下へと放たれた。
片手で器用に両手首を頭上で縫い止めるように固定され、何も纏っていない身体をマジマジと見下ろされる。
それだけで、散々解された下肢の中央から熱い蜜がじゅわりと滲み出てしまう。
何か言われそうでゴクリと喉を鳴らしたところへ、ゆっくりと間近に迫ってきた圭が首筋に顔を埋めてくる。
滑らかな皮膚の感触を味わいながら這わされた舌と唇とが、触れたところからしっとりと湿り気を帯び冷ややかな感触がする。
ゾクゾクと電流のような痺れが背筋を這い上がっていく。
「すっげー綺麗だから、隠さずに全部見せろ。もう鈴の何もかもすべては俺だけのものなんだから」
「ーーッ!?」
そんなタイミングで宣言され、『所有印である証』を身体に刻み込むように、キツく素肌に吸い付かれた。
チリチリと焼けるような感覚がする。
それは首筋からはじまり、鎖骨や鎖骨の括れ、胸やおへそというように、全身に及んだ。
やがて自分の刻み込んだ『所有印である証』を満足げに見遣ると、ハッとした圭が不安げな声で謝罪し気遣ってくる。
「……ごめん、我をなくしてた。痛くなかったか?」
その豹変ぶりに呆気にとられてしまった。
けれどそれは同時に、私のことしか見えていないことの何よりの証拠に他ならない。
圭の見せる何もかもが私の胸をときめかせ、熱くする。
それはこれまでもそうだったように、これからの人生においても、圭だけだ。
そのことを少しでも圭に伝えたい。
0
お気に入りに追加
215
あなたにおすすめの小説
地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!
めーぷる
恋愛
見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。
秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。
呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――
地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。
ちょっとだけ三角関係もあるかも?
・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。
・毎日11時に投稿予定です。
・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。
・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。
独占欲強めな極上エリートに甘く抱き尽くされました
紡木さぼ
恋愛
旧題:婚約破棄されたワケアリ物件だと思っていた会社の先輩が、実は超優良物件でどろどろに溺愛されてしまう社畜の話
平凡な社畜OLの藤井由奈(ふじいゆな)が残業に勤しんでいると、5年付き合った婚約者と破談になったとの噂があるハイスペ先輩柚木紘人(ゆのきひろと)に声をかけられた。
サシ飲みを経て「会社の先輩後輩」から「飲み仲間」へと昇格し、飲み会中に甘い空気が漂い始める。
恋愛がご無沙汰だった由奈は次第に紘人に心惹かれていき、紘人もまた由奈を可愛がっているようで……
元カノとはどうして別れたの?社内恋愛は面倒?紘人は私のことどう思ってる?
社会人ならではのじれったい片思いの果てに晴れて恋人同士になった2人。
「俺、めちゃくちゃ独占欲強いし、ずっと由奈のこと抱き尽くしたいって思ってた」
ハイスペなのは仕事だけではなく、彼のお家で、オフィスで、旅行先で、どろどろに愛されてしまう。
仕事中はあんなに冷静なのに、由奈のことになると少し甘えん坊になってしまう、紘人とらぶらぶ、元カノの登場でハラハラ。
ざまぁ相手は紘人の元カノです。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
契約結婚のはずが、幼馴染の御曹司は溺愛婚をお望みです
紬 祥子(まつやちかこ)
恋愛
旧題:幼なじみと契約結婚しましたが、いつの間にか溺愛婚になっています。
夢破れて帰ってきた故郷で、再会した彼との契約婚の日々。
★第17回恋愛小説大賞(2024年)にて、奨励賞を受賞いたしました!★
☆改題&加筆修正ののち、単行本として刊行されることになりました!☆
※作品のレンタル開始に伴い、旧題で掲載していた本文は2025年2月13日に非公開となりました。
お楽しみくださっていた方々には申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいませ。
お酒の席でナンパした相手がまさかの婚約者でした 〜政略結婚のはずだけど、めちゃくちゃ溺愛されてます〜
Adria
恋愛
イタリアに留学し、そのまま就職して楽しい生活を送っていた私は、父からの婚約者を紹介するから帰国しろという言葉を無視し、友人と楽しくお酒を飲んでいた。けれど、そのお酒の場で出会った人はその婚約者で――しかも私を初恋だと言う。
結婚する気のない私と、私を好きすぎて追いかけてきたストーカー気味な彼。
ひょんなことから一緒にイタリアの各地を巡りながら、彼は私が幼少期から抱えていたものを解決してくれた。
気がついた時にはかけがえのない人になっていて――
表紙絵/灰田様
《エブリスタとムーンにも投稿しています》
あいにくですが、エリート御曹司の蜜愛はお断りいたします。
汐埼ゆたか
恋愛
旧題:あいにくですが、エリート御曹司の蜜愛はお受けいたしかねます。
※現在公開の後半部分は、書籍化前のサイト連載版となっております。
書籍とは設定が異なる部分がありますので、あらかじめご了承ください。
―――――――――――――――――――
ひょんなことから旅行中の学生くんと知り合ったわたし。全然そんなつもりじゃなかったのに、なぜだか一夜を共に……。
傷心中の年下を喰っちゃうなんていい大人のすることじゃない。せめてもの罪滅ぼしと、三日間限定で家に置いてあげた。
―――なのに!
その正体は、ななな、なんと!グループ親会社の役員!しかも御曹司だと!?
恋を諦めたアラサーモブ子と、あふれる愛を注ぎたくて堪らない年下御曹司の溺愛攻防戦☆
「馬鹿だと思うよ自分でも。―――それでもあなたが欲しいんだ」
*・゚♡★♡゚・*:.。奨励賞ありがとうございます 。.:*・゚♡★♡゚・*
▶Attention
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

忘れたとは言わせない。〜エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました〜
青花美来
恋愛
「……三年前、一緒に寝た間柄だろ?」
三年前のあの一夜のことは、もう過去のことのはずなのに。
一夜の過ちとして、もう忘れたはずなのに。
「忘れたとは言わせねぇぞ?」
偶然再会したら、心も身体も翻弄されてしまって。
「……今度こそ、逃がすつもりも離すつもりもねぇから」
その溺愛からは、もう逃れられない。
*第16回恋愛小説大賞奨励賞受賞しました*
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる