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#91 王子様と初めての×××♡
しおりを挟む私の願いも虚しく、創さんは、どういう訳か難しい表情でしばらく黙り込んでしまっていて。
もうすっかりその気になっていた私は、それが焦れったくて焦れったくてしょうがなかった。
待てど暮らせど返事もなく、とうとう痺れを切らしてしまった私は、創さんの言葉に疑問を抱いてしまい。
『やっぱり、処女だった私に気を遣ってくれてたんですね。もしかして童貞っていうのも嘘なんじゃないですか?』
『はっ!? どうしてそうなるんだ? 分かった。これから俺が夢じゃないんだってことをたっぷりと教えてやる』
結果的には、私の言葉でいつもの調子を取り戻した創さんがその気になってくれて、めでたしめでたし。
そのまま私のことをお姫様抱っこして主寝室へと運ぼうとする創さんに、
『あの、ちょっと待ってください。その前に、お風呂に入らせてください』
そう願い出たことによって。
『なら、一緒に入ればいいじゃないか』
そんなことを事もなげに言い放った創さんのこの言葉により、私は創さんと初めてのお風呂を体験することになってしまっている。
まさかそんな事態になるとは思ってもなかったので、狼狽えた私は慌てて。
『ーーへッ!? あっ、いやいや、一人で結構ですッ!』
『まぁ、そんなに遠慮するな。刺激があった方が記憶も残りやすいだろうしなぁ』
このように、異議を唱えたのだけれどすっかりその気になってしまっている創さんに瞬時に却下されたのだった。
そればかりか、創さんによって身体を丁寧に、しかもわざわざ掌で泡立てた泡で、隅から隅まで綺麗に洗われてしまうという洗礼を受けることとなったのだ。
背後に立った創さんに、泡をまとった左右の掌で、胸の膨らみをそうっと包み込み、やわやわと愛でるように左右同時に、胸の先端を優しく捏ねるようにして、ゆっくり縦横無尽に撫で回され。
「……ぁ、やっ、んぅ」
私は、もうそれだけで熱い吐息を弾ませつつ、甘ったるい声までを漏らしていた。
その都度その都度、まるで”ご褒美だ”とでも言うように、項や肩口や首筋、耳朶へというように、創さんは私に甘やかなキスを降らせてくれてもいて。
その洗礼は、甘やかな愉悦に苛まれた私の身体に完全に力が入らなくなって、背後の創さんの身体に縋るようにして、ぐったりした身を委ねまでの間休むことなく続けられた。
そうして現在、大きな窓から都会の綺麗な夜景を望めるラグジュアリーなバスルームのバスタブで、創さんの膝に跨がるようにしてのっけられている。
これまでのように、ソファで腰を落ち着けている創さんの膝上にのっかるのと、さほど変わらない体勢だけれど。
当たり前だが、生まれたままの一糸まとわぬ状態なため、色んなところが丸見えだ。羞恥はあれの何百倍も何千倍も、いいや何万倍はくだらないだろう。
……が、しかし、当然、それだけで済むはずもなく。
さっきから創さんの柔らかな唇にもたらされる、甘やかなキスの嵐が絶えることなく吹き荒れている。
頭と顔はもちろんのこと、首筋やら鎖骨やら、果ては、腕も持ち上げられて、脇の下にまで及んでしまっていて。
もう触れられてないところなんてないんじゃないかってくらい、どこもかしこも。
因みに、バスタブのお湯の温度は低めに設定してくれているため、湯あたりする心配はなさそうだ。
けれども、なんともいえない甘やかなキスのお陰で、ただでさえ骨抜きにされてしまっているというのに……。
蕩けるような甘いキスの合間に、優しいタッチで身体の至る所を大きな掌でも執拗に撫で回されてもいて。
それによりもたらされる優しくも甘やかな愉悦がじわじわと効いてきて、頭も身体も、熱いしふわふわするしで。
今にものぼせてとろとろに蕩けてしまいそうだ。
そんな私は、くたりとして力の入らない身体を委ねるようにして、創さんの首に両腕を絡めてしがみついていることしかできないでいる。
それに、もうさっきから、創さんの元気に反応を示してしまっているアレが、腰元に当たって存在感をこれでもかというように誇示してくるものだから。
その先を期待するように下腹部がキュンキュン疼きっぱなしで。
なんだかお預けを食らっているワンコにでもなったような心地だ。
――もう無理。もう我慢できない。今すぐなんとかしてほしい。
一体どこで習得したのかと言及したくなるほどに、つい最近まで童貞だったとは思えないほどのテクニックを発揮してくる創さんに、とことん追い詰められてしまった私は、息も絶え絶えに、懇願していた。
「……もう、ムリ。おね……がい……はやくぅ」
その声を余裕なさげな苦しそうな表情ではあるけれど、僅かにニヤリとした笑みを湛えた口元を緩ませただけだというのに、妖艶なイロカを纏って見える創さんは、実に満足そうに。
「あぁ、分かった。もっともっとよくしてやる」
そう宣言してくると同時、私のことを逞しい胸へと抱き寄せ、こめかみや額に頬にというように甘やかなキスを絶え間なく、首から上の至る所に降らせ始めた。
そのなんとも言えない心地よさに私が酔いしれてまどろんでいる隙に、バスタブの縁に私を下ろすと、用意してあった避妊具を手に取りそそくさと準備を済ませていて。
今一度抱き上げた私を膝に乗せたままの状態で今度は創さんがバスタブの縁へと腰掛け、元気に主張している自身のアレへと私の身体をゆっくりゆっくりと慎重に着地させた。
滾るように熱くてガチガチに硬さを増した創さんの昂りがナカをゴリゴリと強く捏ねるようにして穿たれてしまっては、意識を保っていたくとも、抗うことなどできるはずもなく。
「――ッ!? ぁっ、や、ああぁんっ」
途端に、えもいわれぬ甘すぎる愉悦に身体を貫かれてしまった私は、創さんの腕の中で背中を大袈裟なくらいに弓なりに反らせて崩れ込んでしまっていた。
しばらく達してしまった余韻で身体をビクつかせたまま動くことのできない私のことを、ぎゅぎゅっと掻き抱くようにして包み込んでくれていた創さんから。
「……菜々子、好きだ。愛してる」
絶え間なく降り注がれる甘やかなキスと一緒に囁かれた甘やかな声音の響き渡る中。
いつまでもいつまでもまどろんでいたくて、力の入らない腕で創さんの首に必死にしがみついたまま、余韻が薄れてからもしばらくの間動けずにいた。
そうしてそれからも、まだ達していない創さんが達するまで、壁に両手を突いて後ろからだったり、湯船に浸かりながら背中から抱き込まれた体勢で創さんを受け入れたりと、バスルームで飽きもせず何度も何度も愛しあい。
その後、主寝室のベッドへと移動してからも、それは幾度となく繰り返され、気づいた時には既に朝を迎えていたのだった。
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