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ヤクザと政略結婚!?
ヤクザと政略結婚!?⑰
しおりを挟む尊の剥き出しになった欲望の化身がぶちゅっと卑猥な水音を立てる。
溢れた蜜で覆われ、あたかも蜜のベールを纏った秘唇にキスをしかけてくるかのよう。
キスと言っても、可愛らしいものではない。
相手の全てを喰らい貪り尽くすような激しく濃厚な接吻。
フレンチキスのような、とてもディープなものだ。
触れあうたびに、グチュンぐちゃんと、なんとも淫猥な水音が響き渡る。
ーーヤダ。恥ずかしい。
「////ーーんっ、んんぅ~~っ!」
たちまち美桜は羞恥を掻き立てられ、キスの合間に声にならない声をあげ身悶える。
ついさきほどまで激しいキスと愛撫に翻弄されていたとは言っても、まだ胸にしか触れられてはいない。
それなのに、尊の昂りにちょっと触れられたぐらいで、ここまで淫らな音が立つほど濡れそぼっていようとは思いもしなかった。
なにより、もたらされる快感が徐々に高まっていくお陰で、恥ずかしいのになおも快感を得ようと、勝手に腰がゆらゆらと揺らめいてしまう。
ただ粘膜と粘膜とが触れあっているだけだというのに、こんなにも気持ちがいいとは思いもしなかった。
実際に尊自身を受け入れたら、一体どうなってしまうのだろう。
ぼやけた頭の片隅で、そんなことを思考していた美桜の身体は、まだ知らぬ未知への期待感にふるふると打ち震える。
美桜は、そんな自分の身体の反応に戸惑うと同時に、それらを尊に見抜かれるんじゃないかと気が気じゃなかった。
そんなタイミングでキスを中断した尊に意地悪な低い声音で指摘されてしまい。
「キスと胸だけで、こんなにグチャグチャにして。腰まで揺らして催促してくるとは、処女のクセに、すっかり厭らしくなったな」
「////ーーちッ、ちがうっ!」
狼狽えた美桜は、見る間にカアッと全身を真っ赤に染め上げてしまう。
余りの羞恥に耐えかね、叫ぶようにして反論を返したものの、説得力なんて皆無だ。
尊に指摘された通りだから無理もない。
それでも、黙ってなどいられなかった。
ーーこんな風になったのは、尊さんのせいなのに。そんな言い草あんまりだ。
という思いだってある。でもそれだけじゃない。
一番の要因は、尊にとって自分が、ただの政略結婚の相手でしかないということと。
たくさんいるのだろう遊びの女性のうちのひとりに過ぎないということ。
つまりは、こんな風に扱われてしまう自分は、尊にとって好きでも何でもない、ただの暇潰しの相手でしかないということの表れに他ならない。
そんなこと最初から百も承知だったはずだ。
けれど自我のコントロールがきかないのだからしょうがない。
美桜は盛大にむくれながらも、少しでも気を抜けば泣いてしまいそうだ。
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