46 / 101
ヤクザと政略結婚!?
ヤクザと政略結婚!?⑬
しおりを挟む昨夜、尊と初めての夜を過ごしたラグジュアリーなホテルの豪華な浴室には到底及ばないが、それでも一般家庭にあるそれとは違っていた。
もちろん、天澤家の浴室も総檜造りで贅を極めたものではあったが、こちらは西洋風で、なんと四方をガラスで覆われており、床は大理石。浴槽に至っては、ジャグジーまで装備されていた。
そしてその隣のスペースには、近頃流行っているという、サウナ室まで完備されている。
その中で、美桜が非常に気にかかったのは、ガラス張りという点だ。
かいつまんで設備の説明をしてくれていた尊の声音に耳を傾けつつも、美桜は、そのことにばかり意識が逸れてしまっていた。
そうこうしているうち、いつしか説明を終えた尊に、背後から両肩を掴まれていて、美桜がドキドキと胸を高鳴らせているうち、さっさと帯を解き、襦袢一枚にひん剥かれてしまっていて。
ハッとした美桜が思わず胸元を隠して肩を竦ませている間に、尊は自分の身につけている、ネクタイを緩めてシュルっと外し、ベストを脱ぎ去り、あっという間に一糸纏わぬ裸体を惜しげもなく晒しており、美桜は羞恥に身悶え両手で顔を覆い隠すのに精一杯。
だが尊は、そんなことなどまったく意に介さず、とうとう美桜は肌襦袢まで剥ぎ取られてしまったのである。
さっき尊からの提案に、美桜はいつものように羞恥を煽られ真っ赤になって身を竦めていた。
そんな美桜に対してこれまで同様に、尊に『真に受けるな、冗談だ』と言われたのだが、『入りますッ!』そう言い放ったのは自分だ。
今さら、やっぱり恥ずかしいのでやめますなんて、言えるわけがない。
少々刺激の強すぎる経過を経た美桜は、たった今、『綺麗にしてやるからじっとしてろ』と命じてきた尊によって、適温に設定されたシャワーのお湯をかけてもらっているところである。
当然、お互い素っ裸な状態だ。
視線をどこへ向けようが、あれこれが視界に割り込んできてしまう。
それと同様に、一部始終を尊にも見られているのかと思うと、それだけでどうにかなってしまいそうだ。
余りの羞恥に、美桜は身を縮こめてギュッと瞼を閉ざしてみる。
けれど、それはそれで、尊になにをされるのかと気が気ではない。
冗談だとも言ってたし、『手始めに一緒に風呂に入るってのはどうだ?』といわれただけなので、それ以上のことはないとは思うが、念のために確認しただけだった。
「あっ、あの。ま、まさか……、こんなところで、その、さっ……最後まで……しないですよね」
羞恥に塗れながらも、思い切って尋ねた美桜に対して、やはりなにやら愉しげに見える尊からは、揶揄するような声音が返されてしまったことにより。
「さぁ、どうだろうなぁ。お前には、昨日も今日も散々煽られてるからなぁ。俺というより、コイツ次第じゃないか?」
たっぷりと含みをもたせた意味深な言葉の裏をなんとか探ろうと、思考を巡らせるまでもなく。
「……ん? こ、コイツってーーキャッ!?」
言われた言葉を反芻しかけた美桜の身体は、いきなりクルリと反転させられ、殿部にまだ充分に滾ってはいない半勃ち状態の尊のソレをグリグリと擦りつけることで、『コイツ』がなんたるかを知らしめられたのだった。
驚愕した美桜は、高い声をあげたきり、身動ぎさえもままならない有様だ。
0
お気に入りに追加
379
あなたにおすすめの小説
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
助けてください!エリート年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません
和泉杏咲
恋愛
両片思いの2人。「年下上司なんてありえない!」 「できない年上部下なんてまっぴらだ」そんな2人は、どうやって結ばれる?
「年下上司なんてありえない!」
「こっちこそ、できない年上の部下なんてまっぴらだ」
思えば、私とあいつは初対面から相性最悪だった!
人材業界へと転職した高井綾香。
そこで彼女を待ち受けていたのは、エリート街道まっしぐらの上司、加藤涼介からの厳しい言葉の数々。
綾香は年下の涼介に対し、常に反発を繰り返していた。
ところが、ある時自分のミスを助けてくれた涼介が気になるように……?
「あの……私なんで、壁ドンされてるんですか?」
「ほら、やってみなよ、体で俺を誘惑するんだよね?」
「はあ!?誘惑!?」
「取引先を陥落させた技、僕にやってみなよ」
【完結】もう二度と離さない~元カレ御曹司は再会した彼女を溺愛したい
魚谷
恋愛
フリーライターをしている島原由季(しまばらゆき)は取材先の企業で、司馬彰(しばあきら)と再会を果たす。彰とは高校三年の時に付き合い、とある理由で別れていた。
久しぶりの再会に由季は胸の高鳴りを、そして彰は執着を見せ、二人は別れていた時間を取り戻すように少しずつ心と体を通わせていく…。
R18シーンには※をつけます
作家になろうでも連載しております
フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜【改稿版と差し替え中】
羽村美海
恋愛
【※第17回らぶドロップス恋愛小説コンテスト最終選考の結果が出たので再公開しました。改稿版と差し替えつつゆっくり公開していきますのでご容赦ください🙇🏻♀️⋱】
思い入れのあるレストランで婚約者と楽しい時間を過ごすはずが、約束の時間に遅れてきた婚約者にいきなり婚約破棄された挙げ句、式場のキャンセル料まで請求されてしまうという散々な目に遭った穂乃香。
そのまま帰る気にもなれず、立ち寄ったバーでしつこいナンパ男に絡まれ撃退しようとカクテルをぶちまける。
そこに見知らぬ男が助けに入ってきて、男の優れた見目に見蕩れてしまった穂乃香はそのまま意識を手放してしまう。
目を覚ますと、見目の優れた男とホテルにいるというテンプレ展開が待ち受けていたばかりか、見かけ同様紳士だとばかり思っていた男からの予期せぬ変態発言により思いもよらない事態に……!
数ヶ月後、「もう、男なんて信用しない! これからは仕事に生きる!」そう心に決めて心機一転転職した穂乃香は、どういうわけか社長の第二秘書に抜擢される。
驚きを隠せない穂乃香の前に社長として現れたのは、なんと一夜を共にした、あの変態男だった。
しかも、穂乃香の醸し出す香りに一目惚れならぬ〝一嗅ぎ惚れ〟をしたという社長から、いきなりプロポーズされてーー⁉
嗅覚に優れた紳士な俺様社長と男性不信な生真面目秘書の遺伝子レベルで惹かれ合う極上のラブロマンス!
.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜
*竹野内奏(タケノウチカナタ)32歳・働きたい企業ランキングトップを独占する大手総合電機メーカー「竹野内グループ」の社長・海外帰りの超絶ハイスペックなイケメン御曹司・優れた嗅覚の持ち主
*葛城穂乃香(カツラギホノカ)27歳・男性不信の生真面目秘書・過去のトラウマから地味な装いを徹底している
.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません
.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚
✧エブリスタ様にて先行初公開23.1.9✧
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる