いじわるドクター

羽村美海

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番外編~みんなの愛に包まれて~

#4

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私に体重を掛けないように、そっと覆いかぶさるようにして抱きしめてくれた海翔。 


そんな海翔の優しさが、あったかい体温と一緒にジンワリと伝わってくる。 


凄く照れながらでも、私に余計な心配をさせたくなくて言ってくれたんだと思っただけで。


それに、そんな願掛けまでしてくれてたんだって思っただけで ーー嬉しくて堪らない……。 

感極まった私は、なんとか泣いてしまわないように、海翔の胸の辺りをギュッと掴んでしがみつくと、 


「芽依? どうした? あっ、悪い。 体重掛けないようにしたつもりだったけど、重いか?」 


勘違いした海翔がゆっくり起き上がろうとし始めた。 


今、離れてしまったら泣いてしまいそうで……。 

それに、もう少しだけ、こうやって海翔のあったかい温もりを傍で感じていたい……。


そう思った私は、 私から離れていく海翔のタキシードの袖をグイッと掴んで引き留めた。 


私の気持ちなんて知る筈のない海翔は、当然そんなことをした私のことを不思議に思ったらしく。 


「芽依? 重いんじゃないのか?」 


不思議そうにそう言いながら、私の顔を覗き込んできた。 


でも、それでも袖を掴んだまんまで反応を示さない私に、心配になってきたのか、 


「芽依? どうした?」  


今度はとっても心配そうに聞いてきた。 


海翔の声を聞いてると、とうとう堪えきれなくなってきて、涙が溢れて止まらなくなってしまった。 


そして、 涙と一緒に


「重いんじゃないの。 誓ってくれて、すっごく嬉しかったの。 

それに、覚悟なんて、とっくにできてるよ? 海翔と初めてキスをした時から……。 

私、前にも言ったけど、海翔と一緒に居られるんだったら、身体だけの関係でも良いって思ってたんだもん。 

けど、好きになって貰えて、こうやって、海翔と一緒に居られて凄く嬉しいもん。 だから、絶対、言わない。 海翔のこと、イヤなんて、絶対、絶対、言わないよ? 

海翔と、一緒だよ?」 


海翔への想いも溢れて止まらなくなってしまったのだった。 


海翔の胸にしがみついて泣きじゃくる私。


「……かい、と~。あり…が、と~」 


それを、なんとかして泣き止まそうと、 


「芽依もう解った。解ったから落ち着いてくれよ。 そんな、泣くなよ、な?」 


優しく声をかけながら、背中に腕を回して優しく何度もトントンッてしてくれる海翔。 


優しくしてくれればくれるほど、まるでタガが外れたように、涙は余計溢れてきちゃって直ぐに止まりそうにない。 


海翔を困らせたくなんかないのに、 どうしても止まってはくれなくて。 


「……うぅ……ごめん、ねぇ? 海、翔~……ふぇ……」 


「いいから、謝んなって、な? 俺が泣くようなこと言ったんだから。ごめんな……」 


私が海翔に謝れば、 海翔は私へ…… 泣かしてしまったことに謝ってくる。 


そうやって お互いに謝り合ってばかりいた。 



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