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海翔と二人っきりになって、
忍さんが颯介さんの元奥さんであり、リカさんのお姉さんだと教えてくれた。
颯介さんと別れたのは、
病気になって子供ができない身体になったのをしのさんが気にしてのことらしい。
でも、
颯介さんが籍を抜く代わりに一緒に暮らすという条件をだしたため、今も一緒に暮らしているらしい。
と言っても、ほとんどを病院で過ごしているらしいけれど……。
それに、
女優を目指していた忍さんは、
海翔が小学生の頃に家に住み込みでお手伝いさんとして働いてて、その頃から、しのさんと呼んでたこと。
海翔にとって、
年の離れたお姉さんと同じような家族同然の存在だったことを教えてくれた。
もしかして、
海翔は、しのさんのことが好きだったのかな?
しのさんの代わりにリカさんを抱いてたのかな?
そう思ってしまうほど、
醸し出す雰囲気は全然違ってたけど、姉妹だから当たり前なんだけど、リカさんによく似てた。
そして、しのさんは医師から余命宣告を受けていること。
海翔は、
淡々と話してくれていたけど、
私にはそれが余計に辛そうに見えてしまった。
その話しを聞いてる間、
色々な考えが次から次へと浮かんできてしまって…、
過ぎてしまった過去のことを考えてしまう自分が嫌でしょうがなかった……。
今は私のことをとっても大事に想ってくれているのに……。
暫くしてお店に戻ってきた颯介さんに見送られ私たちはお店を後にした。
「芽依、どうかしたのか?」
助手席からぼんやりと流れていく街の灯りを眺めていると、
運転席の海翔から心配そうに声をかけられた。
なんにも言わずに窓の外ばかり眺めてしまってたからだろうと思う。
「…え?どうもしないよ?」
「そうか」
「うん」
そうは答えたけど、本当はずっとしのさんのことを考えてしまってた。
海翔は、
『また一人になるんじゃないかって怖くて堪らない』って時々言うけど。
それって、
しのさんが颯介さんと結婚して、
それまで家族のようにいつも一緒にいたしのさんを失った時のことを言ってるんじゃないのかな?
お姉さんもモデルさんをしてたから、いつも一人だったって言ってたし。
だとしたら、
今でも海翔の心の中には、しのさんが居るのかもしれない。
きっと海翔にとって、
しのさんは颯介さん同様、特別な存在なんだろうから……。
だったら、
年も一回りくらいは離れてるようだし、
恋愛感情じゃなかったのかもしれない。
私がそう思いたいだけなんだけど……。
でもそんなに長い間、
海翔はどんな想いでいたんだろう?
前に、
『傷つくのがイヤで、酷いことばっかしてきた』って言ってたように、
ただ、そういう寂しさを誰かと肌を重ねることで誤魔化してきたのかな?
そのことで今も自分を責めてばかりいるなんて、
…そんなの切な過ぎるよ……。
忍さんが颯介さんの元奥さんであり、リカさんのお姉さんだと教えてくれた。
颯介さんと別れたのは、
病気になって子供ができない身体になったのをしのさんが気にしてのことらしい。
でも、
颯介さんが籍を抜く代わりに一緒に暮らすという条件をだしたため、今も一緒に暮らしているらしい。
と言っても、ほとんどを病院で過ごしているらしいけれど……。
それに、
女優を目指していた忍さんは、
海翔が小学生の頃に家に住み込みでお手伝いさんとして働いてて、その頃から、しのさんと呼んでたこと。
海翔にとって、
年の離れたお姉さんと同じような家族同然の存在だったことを教えてくれた。
もしかして、
海翔は、しのさんのことが好きだったのかな?
しのさんの代わりにリカさんを抱いてたのかな?
そう思ってしまうほど、
醸し出す雰囲気は全然違ってたけど、姉妹だから当たり前なんだけど、リカさんによく似てた。
そして、しのさんは医師から余命宣告を受けていること。
海翔は、
淡々と話してくれていたけど、
私にはそれが余計に辛そうに見えてしまった。
その話しを聞いてる間、
色々な考えが次から次へと浮かんできてしまって…、
過ぎてしまった過去のことを考えてしまう自分が嫌でしょうがなかった……。
今は私のことをとっても大事に想ってくれているのに……。
暫くしてお店に戻ってきた颯介さんに見送られ私たちはお店を後にした。
「芽依、どうかしたのか?」
助手席からぼんやりと流れていく街の灯りを眺めていると、
運転席の海翔から心配そうに声をかけられた。
なんにも言わずに窓の外ばかり眺めてしまってたからだろうと思う。
「…え?どうもしないよ?」
「そうか」
「うん」
そうは答えたけど、本当はずっとしのさんのことを考えてしまってた。
海翔は、
『また一人になるんじゃないかって怖くて堪らない』って時々言うけど。
それって、
しのさんが颯介さんと結婚して、
それまで家族のようにいつも一緒にいたしのさんを失った時のことを言ってるんじゃないのかな?
お姉さんもモデルさんをしてたから、いつも一人だったって言ってたし。
だとしたら、
今でも海翔の心の中には、しのさんが居るのかもしれない。
きっと海翔にとって、
しのさんは颯介さん同様、特別な存在なんだろうから……。
だったら、
年も一回りくらいは離れてるようだし、
恋愛感情じゃなかったのかもしれない。
私がそう思いたいだけなんだけど……。
でもそんなに長い間、
海翔はどんな想いでいたんだろう?
前に、
『傷つくのがイヤで、酷いことばっかしてきた』って言ってたように、
ただ、そういう寂しさを誰かと肌を重ねることで誤魔化してきたのかな?
そのことで今も自分を責めてばかりいるなんて、
…そんなの切な過ぎるよ……。
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