14 / 201
episodo:3
#3
しおりを挟む
*芽依side*
「寝てる間にこんなことして悪かった。芽依泣くなよ。まだ何もしてないから…」
「……もう、海翔さん、まだって…」
何がどうなってこんなことになってるのか訳が解らなくて、
ただ…驚き過ぎて泣くことしかできない私のことを海翔さんはずっと強く抱きしめたままで。
髪だって…凄く優しく何度も何度も撫でてくれてるし。
ご機嫌をとるように必死になって話し掛けてくるもんだから、
なんかもうどうでもいいような気持ちになってくる。
いつもは、素っ気なくて…あんまり喋ったりしてくれないのに…。
それに、
悪かったって言いながら、全然謝る気がないようにしか聞こえないし。
海翔さんらしいって言えば、らしいんだけど…。
「やっと笑った。女に泣かれるとどうしていいか解らない。
それに、まだはまだなんだから仕方ないだろ?事実なんだから…」
言いながら、
少しずつ眉間に深い皺を寄せて、ムスっとした表情になっていく海翔さんから目を離せなくなってくる。
言葉も最後の方になってくると、子供っぽいことを言ってくるし…。
あーもう、この人ってば、どれだけ私を惹き付ければ気が済むんだろう。
海翔さんになら…、何を言われてもされても、許してしまう気がするんだけど。
「なぁ、芽依。時々でいいからこうやって俺の傍に居てくれないか?」
海翔さんは、とっても意地悪な人だと思う。
だって、
いつもは素っ気なくて、無愛想で、不機嫌そうにしてるのに。
こういう時だけ、柔らかい笑顔で優しく微笑んでくるんだもん。
さっきから、ずっと私のことを芽依って何度も名前で呼んでるし。
海翔さんのことを好きな私には断ることなんてできないよ。
でも、彼女じゃないんだよね?
時々って言ってたもんね?
それに、身体だけってことなんだよね?
だったら、ちゃんと確認しておきたい。
「……そういう人、他にはいないんですか?」
「居たけど今は居ない。芽依だけだ」
い、居たんだ・・・。
馬鹿正直に言わなくても・・・。
まぁ、でも、海翔さんって、確かに嘘つけなさそうだもんね。
それに、海翔さんの嘘だったら見破れる自信あるかも
そ、そうじゃなくって・・・。
今は、居ないんだよね?
ということは、私が彼女になれる可能性…少しでもあるんだよね?
「だったら、可哀想だから傍に居てあげる」
結局、これぐらいの強がりしか言えなかった。
本当は、
こんな身体だけの関係なんて嫌だけど…、
そういう対象で見てくれるんだったら、海翔さんの傍に居たい。
そう思ってしまった私は、
海翔さんの首に抱きついて自分からそっと口付けをした。
海翔さんが熱でうなされて水を欲しがってた時のように、今度は私をあげる為に。
その代わり私は、海翔さんの心が欲しいって心の底から願いながら……。
「寝てる間にこんなことして悪かった。芽依泣くなよ。まだ何もしてないから…」
「……もう、海翔さん、まだって…」
何がどうなってこんなことになってるのか訳が解らなくて、
ただ…驚き過ぎて泣くことしかできない私のことを海翔さんはずっと強く抱きしめたままで。
髪だって…凄く優しく何度も何度も撫でてくれてるし。
ご機嫌をとるように必死になって話し掛けてくるもんだから、
なんかもうどうでもいいような気持ちになってくる。
いつもは、素っ気なくて…あんまり喋ったりしてくれないのに…。
それに、
悪かったって言いながら、全然謝る気がないようにしか聞こえないし。
海翔さんらしいって言えば、らしいんだけど…。
「やっと笑った。女に泣かれるとどうしていいか解らない。
それに、まだはまだなんだから仕方ないだろ?事実なんだから…」
言いながら、
少しずつ眉間に深い皺を寄せて、ムスっとした表情になっていく海翔さんから目を離せなくなってくる。
言葉も最後の方になってくると、子供っぽいことを言ってくるし…。
あーもう、この人ってば、どれだけ私を惹き付ければ気が済むんだろう。
海翔さんになら…、何を言われてもされても、許してしまう気がするんだけど。
「なぁ、芽依。時々でいいからこうやって俺の傍に居てくれないか?」
海翔さんは、とっても意地悪な人だと思う。
だって、
いつもは素っ気なくて、無愛想で、不機嫌そうにしてるのに。
こういう時だけ、柔らかい笑顔で優しく微笑んでくるんだもん。
さっきから、ずっと私のことを芽依って何度も名前で呼んでるし。
海翔さんのことを好きな私には断ることなんてできないよ。
でも、彼女じゃないんだよね?
時々って言ってたもんね?
それに、身体だけってことなんだよね?
だったら、ちゃんと確認しておきたい。
「……そういう人、他にはいないんですか?」
「居たけど今は居ない。芽依だけだ」
い、居たんだ・・・。
馬鹿正直に言わなくても・・・。
まぁ、でも、海翔さんって、確かに嘘つけなさそうだもんね。
それに、海翔さんの嘘だったら見破れる自信あるかも
そ、そうじゃなくって・・・。
今は、居ないんだよね?
ということは、私が彼女になれる可能性…少しでもあるんだよね?
「だったら、可哀想だから傍に居てあげる」
結局、これぐらいの強がりしか言えなかった。
本当は、
こんな身体だけの関係なんて嫌だけど…、
そういう対象で見てくれるんだったら、海翔さんの傍に居たい。
そう思ってしまった私は、
海翔さんの首に抱きついて自分からそっと口付けをした。
海翔さんが熱でうなされて水を欲しがってた時のように、今度は私をあげる為に。
その代わり私は、海翔さんの心が欲しいって心の底から願いながら……。
0
お気に入りに追加
790
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる