なないろ学園の秘密

あお。

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雫森 紗友莉 〜1〜

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ここは私立なないろ学園。小中高一貫の学園で、主に日常生活や学習に苦手なことの多いな生徒たちが通っている。

私、雫森 紗友莉しずくもり さゆりも例外では無い。

私はとにかく、トイレに関わることが苦手でこの学園に居る。

初等部の時の周りの先生の助力もあって、なんとか一人でトイレに行けるようになり失敗してしまう回数は月一有るか無いかになったのだけれど、中等部に上がっても授業中にトイレに行きたくなってギリギリで駆け込むというのがほとんど日常になっていた。



「それじゃあ、ここの文章を…雫森さん」


授業が始まって早10分。今は数学の時間。

ご多分に漏れず激しい尿意に襲われており、私は眼の前の尿意と戦うことに一生懸命だった。


「紗友莉ちゃん、当たってるよ!」


隣の席の詩織ちゃんに声をかけられ、やっと自分が当てられていることに気がつく。


「何ページだっけ」

「49ページだよ…!」

「ありがと」


小声でやり取りをし、立ち上がる。

まだ感じ始めの尿意。あと40分なら耐えられそう。

ただその予想は大きく外れることになるのだけれど。


教科書を読み終え、授業を聞く。

じわじわと迫ってくる尿意を躱しつつ、30分が経過した。

ここまで耐えたなら大丈夫。

そう思っていたのに、床に落としてしまったペンを拾った途端今までとは比べ物にならない尿意が襲ってきた。


ひくっと体が無意識に動いていることに気がつく。


あと5分。あと5分...

気持ちを落ち着かせようとするけれど、冷や汗は止まらない。

汗をかいて冷えた私の膀胱は、いとも簡単にGOサインを出してしまった。


じゅうう…


事前にパンツに付けておいた吸水ナプキンが段々湿っていく。


「あ…」

と声が出た3秒後には、じゅるる、しゃーっと分かりやすく音を立てて下着全体を濡らしてしまう。

事情を知っている教科の先生は、「あら、雫森さん大丈夫?」と声をかける。


だめ、止めなきゃ…

そうでなければ、教室の床に水たまりを作ってしまう。

やっとのことできゅううっとおしっこを抑え込んだ私は、か細い声で「保健室行ってきます…」と言って廊下へ出た。

歩いている最中も、じゅうう…と少しずつおしっこが溢れてくる。

気がつけば制服のスカートの中に履いていた体操着のハーフパンツにまで、じっとりとした感触が伝わっている。


保健室の戸を叩くと、やや気だるげな表情の男性養護教諭の先生が居た。

金城きんじょうくるみ先生。

排泄困難児特別指導資格…という漢字だらけの資格を持っている先生で、私は昔から先生にお世話になっている。

白衣の似合う長身の先生。


「せ、せんせぇ…」


私が涙目で話しかければ、ため息を付きながら私の方へ向かってくる先生。


「とにかく着替えるぞ」


カーテンで仕切られた場所には、ベッドと全身鏡がある。

先生の手によってスカートのチャックを降ろされ、ハーフパンツが顔を見せる。

ツンとした臭いに動じること無く、躊躇なく先生は私のハーフパンツを脱がせる。


きっと世の中でこんなことをすれば、セクハラだとか児童虐待だとかの騒ぎになるのだろうけど、先生は特別な資格を持っているから同性でなくても大丈夫ならしい。

勿論そういった権利を悪用されないために、試験は厳しいとされている。
悪用した場合には10年権利を免除され、更に厳しい条件での再テストと更生プログラムを経なければ復帰ができないらしい。

私は幼い頃から先生に沢山頼ってきたけれど、未だに異性に汚した洋服を替えてもらうのは慣れない。

そんな私とは対照的に、先生の手つきは手慣れている。


「相当したな…」

相当した、というのは勿論尿量のことで、元々薄いピンクだったショーツは黄色みがかってオレンジっぽくなっていた。
ぐっしょりと濡れたショーツと吸水ナプキンを一気に降ろされると、冷えた感覚が一気にやってきて、私はくしゃみをしてしまった。

それと同時に、膀胱の辺りがきゅっとなってまだ出切っていない尿意が影を表した。

先生は私の下半身をタオルで拭いていく。先生は優しく拭いているけれど、尿意はどんどん高まっている。

そして突然私のショーツを見た先生は呆れ顔で、「お前、見栄張って尿とりパッドにしなかったろ」と言った。


「だ、だって…なんか…おむつみたいでカッコ悪いじゃないですか…」


自分でも言っていて顔が真っ赤になる。


「ふーん?つい最近まで泣きながら俺におむつ替えさせてた癖に」


からかうような先生に反論をしたいところだけれど、先生の言っていることは全て事実。

実質学校にいる間のおむつ交換は入学当初から全て先生が行っていて、私がおむつを外せたのも初等部卒業間際のこと。
中等部に入学してから意に反して何回かおしっこの失敗を繰り返し、私は完全におむつ生活に逆戻り仕掛けていた。

でも中等部となった今、おむつなんて私のプライドが許していなかった。


先生はそのまま、ショーツからぐちゃぐちゃになった吸水ナプキンを剥がして汚物袋に入れた。

手を洗った先生は奥の棚から、いかにも、といった見た目の尿とりパッドを取り出した。

お年寄りとかの介護用の。

その見た目はどう見てもおむつだし、中等部の生徒が付けているとは思えないパッケージだ。


「うう…おむつ付けてなきゃおもらししちゃう赤ちゃんみたいで嫌…」

思ったことがそのまま口に出た私に、先生は私の方を見て、「雫もらしが何言ってんだ」と言った。

雫もらし…私がよくおもらしをするから、雫森からとってつけられたあだ名。

「きょ、今日は水たまり作ってないからセーフ!」

「はいはい」


先生はパッケージを破り、パッドを取り出して私の居るカーテンで仕切られた空間へ戻ってきた。

でも流石にこのままでは替えてもらったパッドに残ってるおしっこが全部出ちゃうかも知れない。

そうなったら私のプライドもズタズタだ。

何とかしなきゃ…

でも、全身びっしょりで着替えがない今、パンツ一丁でトイレに駆け込むわけにも行かない。

そうこうしているうちに先生はパッドを広げていて、気がつけば私の尿意もかなり限界になっていた。


「...せん…っせぇ…おしっこぉ…」


本当は、さっき先生が言っていた「相当した」の時点ではまだ60%くらいしか出ていない。

残りの40%が全力で、外に流れ出ようとしている。

先生に返答の隙を与えないまま、勢いよく起き上がった私はかかとを股に当てておしっこを抑え込んでいた。

一瞬驚いた先生はまた冷静な顔になって、ベッドの下からなにかを取り出した。

それは紛れもなく、世の中的には疾うの昔に卒業していて、私だってここ数年見ていなかった幼稚な器…おまるだった。


「こ…れ…にす…るの?あっ…や…」


恥ずかしいという思いが先行しつつも、生理現象には抗えずおしっこが溢れてくる。

先生に咄嗟に抱きかかえられた私はおまるの上へと着地させられた。

しゅいいい…と音を立て、ぴちゃぴちゃ…と器の中に溜まっていく黄色い液体を、私はただただ放心状態で見つめている。
やがてぴちゃ、ぴちゃと雫程度に収まってきた頃、やっと色々な感情が追いついてきた。

情けないやら今まで努力してきたのは何故かと虚しいやらで、ひっく、としゃくりあげたのを皮切りに瞳から涙がこぼれる。

中等部に上がってからはちゃんと一人でトイレにしようって思ってたのに。

先生はしばらく私の背中をさすってくれていたけれど、「拭くか」とトイレットペーパーを取り出す。


「あ、や…まだ…でるぅ…」

精神的なダメージにより私は幼児のような口調になり、言葉も拙くなっていた。

膀胱の端にあるおしっこを私は上手に出しきれずにいた。

いつも私はこのおしっこの存在に悩まされていて、シミになってしまう。

初等部の頃は、トイレに付き添っていた先生にお腹をトントンしてもらったりしていたけど、中等部に入ってからは全然してもらってない。

いや、一人で行くようになったからしてもらう機会がほぼなかった。


実際のところ、おまるに跨っておしっこを出そうとムキになっている私を見て、先生は複雑そうな顔をしていた。


「せんせぇ...とんとんしてぇ…」


残尿感に耐えきれなくなった私はついに先生に声をかけた。


「はいよ」


ちょっとぶっきらぼうに放たれたその返答とは裏腹に、私の背後に回った先生はぎゅっと抱きしめるような体制で私の膀胱のあたりに手をかけた。

トントンと膀胱を叩かれるリズムによって、私は何とか膀胱から尿を排出することに成功した。

けれど尿道でそれを、わずかばかりの理性が止めている。


「恥ずかしくなったのか?」

笑いながら言う先生の言葉は的を得ている。

静かに頷くと、先生は一瞬手を止めた。


「や…とめないで…」


「紗友莉ちゃんは天邪鬼でちゅね~」と赤ちゃん言葉で私に話しかけた先生は、さっきより少しゆっくりのペースで下腹部を圧迫し始める。


「ほら、しーしーしてスッキリしような」


諭すような、言いくるめるような先生の言葉に押された私は遂に、体の中から全ておしっこを出し切ることが出来た。

ちょろろろ…びちゃり...


「今度こそ拭くぞ」と言って私の体を拭き始めた先生はいつもどおりだった。

私の体を拭ききった先生は、尿とりパッドをつけたショーツを私に履かせる。

ギャザーを広げられ、予備の制服を切るとやっぱり、おしりの辺りがもこもこしている気がする。


「今日はもう疲れただろ?とりあえず連絡したからお母さんが迎えに来るからな。あと…次尿とりパッドにおもらししたら紙おむつにするから」


そう言って先生はカーテンを閉め、片付けを始めた。


私はそのまま。眠りに落ちてしまうのだった。



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