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電話中にこっそりオナニーしてたらそれが攻めにばれ、ビデオ通話で見せ合い相互オナニーさせられる話

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机に散らばる資料を眺めてはキーボードを叩くのを、晃希こうきは延々と繰り返す。その手は軽やかに進む時もあれば、ピタッと止まってしばらく動かなくなってしまうこともある。そうなるとうんうん唸りながら、プリントと参考文献を交互ににらめっこする。

「あーだめだ……頭痛くなってきた……」

もう何時間パソコンと向かい続けただろうか。晃希はとうとう限界になり、テーブルの上に突っ伏した。大学に進学して4年目、殆どの同級生は単位はほぼ取り終えているのだが、晃希はどうしても苦手な必修科目がこの年まで残ってしまっていた。なので就活と卒論と並行して、もう絶対に落とせないこの科目の課題もこなせばならなかった。やたらレポートの提出を求めてくるのが本当にキツくて、晃希は現在進行形でそれに悩まされていた。

「はぁ……次のエントリーシートも書かなきゃなんねえのに……」

やらなきゃいけない事が山積みで、晃希は押し潰されてしまいそうだった。就活はどうしてもお金がかかるので、バイトも辞められない。こうして気が滅入った時に真っ先に浮かぶのは、最近まともに会えていない恋人である優成ゆうせいの顔だった。

「……」

今、何してるのだろうか。特に用はないけれど、ちょっとだけでも話がしたい。そんなことを思いながら、晃希はテーブルに置かれたスマホに手を伸ばした。しかし、優成も同じように作業に追われている所かもしれない。発信画面を眺めながらしばらく逡巡していると、ふいにスマホが震えあがった。

「……っ!?」

突然の着信にぎょっとした晃希は、表示された名前を見て二重に驚く。なんと、今しがたかけるか悩んでいた恋人からの着信だった。変にドギマギしながら、晃希は通話ボタンを押した。

「……もしもし」
『……晃希、突然ごめん。今大丈夫だった?』
「お、おう、全然大丈夫だ。気にすんな」

話したいと思ってたところだったから嬉しいだなんて言えず、晃希は口を噤む。するとスマホの向こうで、優成が静かに笑った。

『よかった……いや、特に用はないんだけど、なんか急に声が聞きたくなっちゃってさ……』

そう照れくさそうに告げられ、晃希は心臓を高鳴らせる。まさか、優成も同じ気持ちだったとは。思わず口元が緩み、胸がじわじわ温かくなっていく。

「ん……俺、も……」
『え……?』
「し、しばらく会えてなかったし、俺も、お前と話がしたかった」

喜びのあまり、先程飲み込んだ素直な気持ちが口をついて出る。しかしその直後で急激な羞恥にみまわれ、晃希は近くにあったクッションを抱えこんで俯いた。電話でよかったと思いながら、真っ赤になった顔をクッションに埋める。

『ちょっとちょっと、そんな可愛すぎること言われると、めちゃくちゃ会いたくなっちゃうんだけど』
「……まだ当分忙しいのか?」
『うーん……ああでも、来週の日曜日なら時間を作れるかも。晃希はどう?』
「え、マジか。俺も多分大丈夫だったと思う」

晃希は近くにあった鞄を手繰り寄せ、その中から手帳を取り出して予定を確認する。するとちょうどその日はフリーだったので、早速印をつけてキープする。

『予定を確認したけど、午後からだったら大丈夫そう』
「そうか。俺は1日空いてるから、いつでも大丈夫だ」
『なるほど……だったら、13時くらいからでどう?久しぶりに晃希に会えるの嬉しいなあ、どこに行こうか?』

優成の弾んだ声に、晃希も嬉しくてたまらなくなる。テーブルから離れてベッドに寝転び、来週のデートについてあれこれ話し合う。それが楽しくて、幸せで、さっきまで滅入っていた気持ちが、綺麗さっぱり晴れ渡っていく。

「それじゃあ来週日曜の13時、渋谷の東口で。楽しみにしてるな」
『うん、俺も……それと、ちなみに、なんだけど……』
「うん?なんだ?」
『次の日、お昼までフリーなんだけど、さ……その、晃希は……』
「……っ」

次の日……ということは、つまりそういうお伺いだろう。察した晃希は、そわそわしながら再び手帳を開く。すると翌日のバイトは夕方からで、だいぶ余裕があった。遅くまで盛り上がっても、充分に体力を回復できるだろう……なんてことを考えて、ひとり恥ずかしくなる。

「ああ……俺も、夕方までなら大丈夫だ」
『そっか、よかった。なら、うちに泊まりに来ないか?ふたりで、ゆっくりしようよ』

ふたりで、ゆっくり……別にそれだけの意味じゃないだろうが、晃希は変に意識してしまう。もう付き合ってだいぶ経つのだが、ここのところご無沙汰だったせいだろう。久しぶりの優成とのデート、優成の部屋にお泊まり。そして……

『……?晃希?どうかした?』
「……っ!あっ、いや、悪い。なんでもない……」

変な想像をしかけた瞬間、優成に遮られて晃希は我にかえる。色んな意味でドキドキして落ち着かないが、優成はそれに気付かず世間話を始めた。

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