ループももう17回目なので恋心を捨てて狼を愛でてスローライフを送りたい

箱根ハコ

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番外編第六話

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 こうして夕食も食べ終わり、早めに宿に戻る。久しぶりの二人きりの夜なのだ。当然そういうことをするのだろうと再び部屋を探索すると、やたら立派な風呂がついていた。ベッドも大きく、この部屋を取ったレオン君もそういうつもりだと知れる。

「……ルカス」

 またも背後から抱きしめられる。びくりと僕は体を震わせた。

「風呂、一緒に入ってもいいか?」

 うなじにレオン君の舌の感触がする。僕はふるふると首を横に振った。抱かれるためにはいろいろ準備が必要だが、その工程をレオン君には見せたくない。
 断ろうとしてレオン君を振り返ると、彼はしょげかえったような顔をしていた。ぐさりと心臓がナイフで刺された心地がする。

「…………僕がいいよって言ったら入ってきて」

 結局そう返してしまった。レオン君は目に見えて嬉しそうにしてくれて、僕の心も踊ってしまった。





 値の張る宿だからだろうか、上下水道が完備されており、蛇口をひねるだけでお湯が出た。僕はすっかり慣れてしまった抱かれるための準備を終え、洗い場を片付けるとお湯を張り、泡風呂を作った。
 石鹸の香りがお風呂場の中に広がる。レオン君を呼ぶと、彼も中に入り、後ろから僕を抱きしめてきてくれた。

「ふふ、くすぐったいよ。レオン君」

 湯船の中で肌と肌がふれあい、気恥ずかしいが嬉しい。レオン君も同じだったようで、僕の耳の後ろやうなじに鼻を触れさせてきた。

「久しぶりのルカスの感触だからな。ここのところ忙しくてハグ以上は出来なかったし」

「君のハグも嬉しかったけど……」

「俺はもっと色々したかった」

 かぷ、と僕の耳たぶを甘咬みする。人狼であるレオン君の愛情表現だった。

「僕も……、そうだけど」

 レオン君の手を取り、両手の指と指を交差させる。

「ここのところ、レオン君は忙しそうだったから……」

「そうだな……、あまり帰ってこれなくて悪かった」

「あ、でも……、最近の君、楽しそうだったし、僕も応援してたし……」

 ぎゅ、ぎゅと手を握りしめた。レオン君の手は僕のより一回り大きい。

「……そうか?」

「うん。正義のヒーローみたいでかっこよかった」

 元々僕は一人で居ることが苦にならないタイプの人間だった。確かにレオン君とあまり会えないのは寂しいが、一人でいる時間も楽しめるので、仕事を頑張る彼の事を好ましいと思っていたのだ。

 レオン君も手を握り返してくれる。彼の心臓の鼓動が背中越しに伝わってくるような気がした。

「それに、あの子達が来てくれてから毎日にぎやかで、楽しかったよ。よく狼やドラゴンの姿になってくれて撫でさせてくれて可愛かったし……」

 ぴたり、とレオン君の動きが止まる。どうしたのだろうと振り返ろうとすると、耳元でとびきり低く、甘い声がした。

「……ルカス、そろそろ君に手を出してもいいか? 早く、抱きたい」

 手が離され、レオン君の指先が僕の腹を伝っていく。下腹に届いたあたりで、優しく押された。

「早くここにいれたい」

 レオン君の言葉に心臓と下の孔がきゅう、と疼く。

「え……、あ……、はい……。よろしくお願いします」

 頭が真っ白になって、つい昔のように敬語を使ってしまう。レオン君は僕の言葉を聞くと、僕を抱えて風呂場から出た。






 髪の毛を乾かす時間ももどかしく、僕もレオン君も体についた水滴をおざなりに拭うと再び僕は横抱きにされてベッドに降ろされた。

「……ルカス」

 レオン君が覆いかぶさってきて口付けをしてくる。すぐに彼の肉厚な舌が入り込んできて僕の口内を犯した。

「んっ……、ぅ」

 こんなに深く口付けるのは久しぶりで頭がぼうっと白んでくる。僕の方からも舌を動かして応えようとするが、レオン君が吸ったり上顎を舐めたり歯列をなぞったりしてくるものだからどうにもうまくいかない。暫くの間、ちゅ、ちゅ、とされるがままになり、最後にぺろりと唇を舐められてから顔を離された時、僕は息が弾んでしまっていた。

「……かわいい」

 レオン君はまじまじと僕の顔を見ながら呟く。唇の端から唾液がたれてしまっているし、涙目にもなっているし、その反応は不思議な気がするのだが。
 それから顔を滑らせ、肩に優しく噛み付いてくる。毎度のことになりつつある、レオン君の甘咬みタイムだ。少し痛いけれど、彼の所有欲の証だと思うと嬉しい。

「あ……、でも、明日もオリバー君たちに会うんだから、見えないところにしてね……」

 一応お願いしておく。レオン君はコクリと頷きながら乳首の回りをかぷかぷと噛んできた。もう片方の乳首も人差し指の先でくにくにといじる。たまに爪の先で弾かれ、その度に快楽が全身をかけめぐった。

「ひっ……、んっ……」

 絶妙な力加減でレオン君が乳首をいじるものだから、最近では乳首だけで気持ちよくなれてしまう。
 気がつけば、胸周りにたくさんのキスマークや歯型がついていた。誰かに見られたら申し開きが出来ない。見られる予定はレオン君以外にはないが。
 レオン君は一度顔を離し、僕の体を見る。恍惚とした笑みを浮かべて噛み跡をなぞっていた。

「なぁ、ルカス。今日は舐めてもいいか?」

 レオン君は僕のペニスを掴んで尋ねてくる。コクリと頷いた。

「噛むのは怖いけど、舐めるのなら……」

 返すとほぼ同時に、レオン君は僕のものをパクリと口に咥える。毎度のことながらレオン君の尊顔が僕のをしゃぶっている光景は信じられないものがあるし目に毒だ。

「んっ……、んんぅっ……、あっ……」

 舌先が亀頭に触れ、先走りを吸われる。それだけでどんどん僕のものは硬くなっていく。レオン君のものと比べたら小さいし、形も子どもっぽいけれど、感度はよいのか、レオン君にこうして弄られるとすぐに気持ちよくなってしまう。
 じゅ、とレオン君は口を離し、竿の部分に舌を這わせる。ぺろぺろと裏筋を舐められながらも袋を揉まれるとあっという間に達してしまった。

「あぁあっ……」

 体を震わせて射精する。とっさにレオン君が口で受け止めてくれたがそれがいいことなのかどうなのかわからない。
 こく、こく、とレオン君の喉が動く。

「ぅえっ!? の……、飲んだのかい?」

 目の前の光景が信じられなくて僕は目を丸くする。レオン君の精液を飲んだことはあるが、飲まれるのは初めてだった。
 唇の端についた精液を拭いながらレオン君は口を開く。

「ん……、思ったより苦くないな」

 ひぇ、と僕が身を震わせるが、レオン君は気にした様子なく今度は後ろの孔のほうにも舌を這わせてきた。

「えぇええええ!? レオン君!?」

 さすがにそこを舐められるのは初めてだ。逃げようとするが彼の力強い手にしっかりと太ももを掴まれてしまっている。更には広げてくるものだからレオン君の目の前に僕の孔がさらされてしまっている。

「見ないで……、き、汚いよ……」

「さっき洗っていただろう?」

 それはそうだが、そういう問題じゃない。
 レオン君の舌先が僕のぷっくりと膨れてしまった孔の縁に触れる。それだけで背徳感で背筋がぞわぞわとした。

「ここ……、昔に比べたらすっかり縦に割れたな」

 ぺろぺろと舐めながらもそんなコメントを告げてくるものだから涙目になってしまう。

「……レオン君のせいだからね」

 返すと、レオン君は嬉しそうににゅる、と舌を孔の中に入れてきた。

「んんっ……」

 思わず足を閉じてしまう。それからも何度も舐められるものだから恥ずかしさともどかしさで泣いてしまいそうだった。僕はレオン君の頭に手を置き、訴える。

「もう……、やめて。おねがい……。せめて、指でして……」

 僕の言葉にあっさりとレオン君は手を離す。
 僕が準備をしている間に用意したのであろう専用のローションを枕元の机から取ってくると手のひらに垂らした。

 熱の出る鉱石で温めていたからか、ローションは温かい。こういうところに気が回るところは普段ならば萌えるのだろうが、今はただただ恥ずかしかった。

 ぬぷ、とレオン君の指が入ってくる。最初は一本。次に二本、三本と増やしていく。慣れているとはいえ、約三週間ぶりなのだ。すぐにはほぐれない。三本の指を中でバラバラと動かされた。

「んぅ……っ。あ……、そこっ……」

 体が震える。いいところに当たった。レオン君の二本の指がそこをつまむ。

「あぁあっ……」

 レオン君によって開発されたそこはたったそれだけで快楽を脳に届けてくれる。

「相変わらず、ここが弱いんだな」

 レオン君は目を細めながら何度もそこを指先で擦った。

「あんっ……あぁっ……あぅっ……ぐりぐり、しないでぇ……」

「何故だ? こんなに気持ちよさそうにしているのに」

 もう片方の手の親指でレオン君は僕の鈴口に浮かんでいる先走りを先端に塗りつけていく。

「……わかってるくせに」

 返すと、レオン君は口をほころばせ、再び指先でいじってきた。これはもう少しいじめられるパターンだ。逃げようと浮かせた腰を見咎められ、更に強く押された。

「あぁぁあんっ……」

 たったそれだけで中イキしてしまう。こうなってしまうと僕の体は快楽に対してとても弱くなってしまう。もう何度か擦られると簡単に連続で中イキするようにされてしまっているのだ。

「……いじわる」

 僕はレオン君の手を掴み、止めさせる。僕の意図を察したレオン君はまたも簡単に引いてくれた。そうして僕は自分の指でくぱぁ、と孔を開く。

「……こ、ここに、レオン君の、入れて。僕、早くレオン君の入れて欲しい……し、指じゃ届かないところ、気持ちよくして欲しい……」

 言いながらも顔から火が吹き出そうだった。以前、あまりにもレオン君が指で執拗に責めてくるものだから、こう言って誘ったら効果抜群だったのだ。

「……また、君は」

 レオン君は眉間にシワを作る。
 今回も効いたようで、すでに硬くなっていたものにローションを垂らすと、レオン君はぴとりと先端を僕の孔に押し当てた。

「痛かったら、言ってくれ」

 毎回の警告を今回も律儀に言ってくれる。けれど、すっかりレオン君のサイズを受け入れることに慣れてしまった僕の体は痛みを訴えることはなく、ローションのぬめりも手伝ってあっさりと奥まで入った。

「あ……、きた……」

 僕はお腹越しにレオン君の先端のあたりを押さえる。ここに入っているのだと思うと愛しく思えた。
 レオン君はそんな僕の姿を見てますます眉間のシワを濃くする。

「本当に……、ルカス、君は……」

 はぁ、と彼は深く息を吐くと僕の腰骨を掴み、一度腰を引いてから再びつき入れてきた。

「あぁあっ……」

 びくん、びくんと体を跳ねさせる。奥の、僕が一番好きなところにレオン君の先端が当たり、気持ちよさに身悶えする。何度もそこを狙ってレオン君は容赦なく腰を動かす。その度に頭が真っ白になって意味をなさない音が口から溢れた。

「ああぁっ……、あんっ……あっ……あぁっ……ひぃっ……んんっ……」

 全身を快楽が満たす。僕はシーツを掴んでいた手をレオン君に伸ばす。彼は体を近付けてくれた。背中に手を回し、ぎゅうとしがみついた。至近距離でレオン君は気持ちよさそうに頬を赤く染めて、はぁはぁと荒い呼吸を吐き出している。唇がぬるぬるしていて、半開きの口から舌が覗いていて、柔らかそうだった。先程僕のものを舐めていた事がどうでもよくなって僕は彼の口に口を重ねた。ちゅ、ちゅ、と軽いキスを繰り返し、舌を中に入れる。レオン君は腰を動かしているから先程のように丹念になぶることは出来ず、僕が吸うのにされるがままになっていた。

「ん……、ちゅ……、あ……、れおんくん……、れおんくん、すき……、はぁ……すき、れおんくん」

 上も下も気持ちよくて、僕は壊れたかのように繰り返す。どく、と中でレオン君のものが弾けた気がした。

「あ……、なか、れおんくん、いっちゃった? ぼくのなか、きもちよかった?」

 終わるのかな、と残念に思っていると、乱暴にレオン君が引き抜き、僕の腹の上に精液をぶちまけた。熱いほとばしりが愛おしい。先程の衝撃で離れてしまった手で僕は精液を掬う。

「濃いね……。レオン君も溜まってたんだね」

 そのまま塗りたくるように腹で拭う。再びレオン君のが硬くなり、再び中に入ってきた。

「っ……、相変わらず、凶悪だなっ……、ルカスは……」

「え!? っきょ、うあくじゃない……っ、あ、んんっ」

 どちゅどちゅと奥をつかれ、再び頭が白くなる。

「んんんっ~! あぁっ……! や、また、くる、きちゃうっ……」

 すっかり熟れたそこはレオン君から与えられる快楽でまたすぐに達してしまう。びくん、びくんと体が震え、僕はのけぞった。
 なのにレオン君は腰の動きを緩めてくれない。毎度のことだが、ここから先は理性も何もない、獣のうめき声のような声を出すしか出来なくなってしまう。

「あぁっ……あんっ……いく、またいくっ……いっちゃう……!」

 何度も襲ってくる波は過ぎると辛い。目から涙が出てきた。けれど止めてとは絶対に言わない。言えばレオン君は理性を総動員してやめてくれるだろう。けれど、僕と居るのにレオン君に自分の手でしごいて終わりにされるのは嫌だった。

「かわいい……、ルカス、かわいい……」

 熱に浮かされたようなレオン君の声が降ってくる。褒められているのに、快楽に染まりきった頭ではろくな返事は返せなかった。
 更にレオン君の甘い言葉が耳に届く。

「ありがとう……。こうして、舐めさせて、噛ませてくれて……。俺を受け入れてくれて……」

 低い声音が脳をくすぐり、そのたびに何度も達してしまう。再びレオン君は達しそうになったらしく、最後に大きく突き入れると、今度は僕の性器にむかって射精した。
 恥ずかしい話だが、ぶっかけられた感触で僕はまたも達してしまい、レオン君の体が落ちてきて、ぎゅうと抱き潰された感触で、トリップするように気を失ってしまったのだった。
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