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第24話「皆さん、怪我はありませんか?」
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一度目はたくさん道に迷い、一日ではたどりつけなかったシュタインの居室だったが、十七回目ともなると最短ルートを迷いなく通ることが出来る。三人をそれとなく誘導しつつ僕はシュタインがいる広間の扉の前で立ち止まる。初めての時は扉を開けるなりシュタインの攻撃が飛んできてフィリップ君が殺されてしまった。
「何をされるかわかりません。万全の状態で臨みましょう」
僕は全員に防御の補助魔法をかける。これにより今から三分の間なら全ての攻撃を跳ね返せる。
そ、と扉を開ける。記憶通りに炎を纏った砲弾が飛んできた。レオン君とエミリアさんは難なく避けられたが、フィリップ君は避けられずにくらってしまう。補助魔法がなければ即死だった。
「うわ……っ! サンキュー、ルカス!」
フィリップ君は満面の笑顔で僕を見る。彼が欠けるとこの後の戦闘はかなりつらいものがある。彼の生存を確認し、僕は攻撃系補助魔法をレオン君に、魔力系補助魔法をエミリアさんにかけた。
まずはエミリアさんの攻撃である。彼女は足元に魔方陣を作り出し、そこから何発も光の矢がシュタインに向かって降り注いだ。
「……その程度か」
シュタインは透明な声音で呟く。山羊の下半身の上に乗った人間の体はローブを纏っていた。黒髪を肩まで伸ばし、頭には大きな角が生えている。額には血のように赤い鉱石がついていた。
「結構な数の部下を配置していたが、案外早かったな」
彼は酷薄に笑う。部下の死について悼んでも居ない表情だった。エミリアさんがどんどん光の矢を放つ。シュタインの頭についている宝石を狙っていた。しかしシュタインはあっさりと片手で弾き飛ばす。
「あまり強くないな。ここまで来たパーティは珍しいからどれほどのものかと思っていたが……」
彼は悠然と座り直す。彼に言葉を返すことはせず、僕は更にエミリアさんに魔力強化魔法をかけ、彼女はガンガン矢を放っていた。光の矢は初級魔法で威力は弱い。さすがにシュタインはおかしいと思い眉間にしわを作ったが、もう遅い。
ガン……。
低い音を立ててシュタインの片方の角が切り落とされる。エミリアさんの方に注意を引き付け、その間にレオン君が近寄りシュタインの角を叩き落とす作戦だった。
間髪入れずにレオン君はもう片方の角も折る。シュタインは驚愕に目を見開いた。
「な……ぜ……」
シュタインの弱点は一見額の鉱石かと思うが、実際には角である。これを切り落とすと彼は塵となり死んでしまう。これには十五回目で気がついた。なので僕は事前に皆に作戦を提案し、三人は疑いながらも乗ってくれたのだった。
シュタインは粒となり風に舞い、跡形もなく消えてしまう。
「……倒した、の?」
恐る恐るエミリアさんが呟いた。
「まだです! 残党が襲ってきます!」
言うとほぼ同時に扉から複数の鎧が入ってきた。皆一様に首から上がなく、アンデッドだとわかる。一回目の僕はこいつらに殺された。
「まかせて!」
エミリアさんは光の追尾弾を魔方陣から取り出すとアンデッド達めがけて放つ。シュタイン戦でほぼ消費しなかったため、彼女の魔力は余裕がある。まずは数匹片付いた。あとはひたすら倒すだけだ。
僕はけして得意でない攻撃魔法を使って近寄るアンデッドを迎え撃つ。レオン君は、と見ると、彼は僕のすぐ後ろにいた。襲ってくるアンデッドを倒しながら、僕を守ってくれている。エミリアさんも同様で、フィリップ君を守りながら戦っているようだった。過去どのループにもこのパターンはなかった。
呆気にとられているとあっという間にアンデッド達が倒されていく。
こうして僕達はこれまでのループの中で一番の大勝利を収めたのだった。
「皆さん、怪我はありませんか?」
僕は尋ねる。フィリップ君が足に怪我を負ったものの、歩けないほどではない。エミリアさんやレオン君も体や顔に傷を負っていたが軽微なものだった。僕にいたってはほぼ無傷である。
「ああ。……皆無事なようだな。よかった」
「びっくりするぐらいあっさりと倒すことが出来たな。それもほぼルカスの占い通りに」
フィリップ君は自分の足を治しながら破顔する。僕も安堵から頬を緩めた。
「よかったです……。何事もなく終わって」
エミリアさんは猫目を細めて笑った。
「ね。レオンとか、シュタインと戦う時にルカスやフィリップに何かあるかもって出来るだけ守ろうって言ってたし」
「おい」
彼女の言葉を気まずそうにレオン君が咎める。どういうことだ、と彼の方を見た。エミリアさんは猫のような瞳を細めて続ける。
「レオン、ルカスが未来に対して不穏なことを言うから、この旅で死んじゃうかもって思っていたみたいなんだよね。で、ルカスが死ぬってことは、治療役のフィリップにも何かあるかもしれないってことでしょ? だから、私達で二人を守ろうって」
目をぱちぱちと瞬かせる。ふいにシュタイン復活の日を思い出した。僕はいつまで生きられるかわからないと告げた。たったそれだけの言葉から彼は僕やフィリップ君の死を予想して防ごうとしてくれていたのだろうか。
すごい。素直に思う。やっぱりレオン君は優しくて賢くてかっこいい。
「へぇ、そうなのか。すごいな、レオン」
フィリップ君は今度はエミリアさんの傷を直しながらレオン君を称賛する。
「ん……、それっていつの話だ?」
フィリップ君はエミリアさんに向き直した。
「大体半年くらい前かな?」
彼女は宙空を見ながら答える。
「それって、やたらレオンとエミリアが二人で話すようになった頃?」
「え? そう見えていたの?」
エミリアさんは不思議そうに首を傾げる。本人に自覚はなかったみたいだ。
「うーん、まぁ、確かにあの辺りからレオンと一緒に特訓をすることは増えたけど……」
「あー、本当に特訓してたんだ……」
フィリップ君は気まずそうに視線をそらす。エミリアは腰に手を当て彼の顔を覗き込んだ。
「何? 疑ってたの?」
「いや! そんな事は!」
フィリップ君はたじたじと一歩引き、レオン君の後ろに隠れる。レオン君はしょうがないと言うように微笑んでいた。
「ま、とりあえずこれで全員無事に帰れるわけね! ギルドに行って倒したことを報告してきましょう」
エミリアさんも笑う。こうして僕達は無事にシュタイン城を後にしたのだった。
「何をされるかわかりません。万全の状態で臨みましょう」
僕は全員に防御の補助魔法をかける。これにより今から三分の間なら全ての攻撃を跳ね返せる。
そ、と扉を開ける。記憶通りに炎を纏った砲弾が飛んできた。レオン君とエミリアさんは難なく避けられたが、フィリップ君は避けられずにくらってしまう。補助魔法がなければ即死だった。
「うわ……っ! サンキュー、ルカス!」
フィリップ君は満面の笑顔で僕を見る。彼が欠けるとこの後の戦闘はかなりつらいものがある。彼の生存を確認し、僕は攻撃系補助魔法をレオン君に、魔力系補助魔法をエミリアさんにかけた。
まずはエミリアさんの攻撃である。彼女は足元に魔方陣を作り出し、そこから何発も光の矢がシュタインに向かって降り注いだ。
「……その程度か」
シュタインは透明な声音で呟く。山羊の下半身の上に乗った人間の体はローブを纏っていた。黒髪を肩まで伸ばし、頭には大きな角が生えている。額には血のように赤い鉱石がついていた。
「結構な数の部下を配置していたが、案外早かったな」
彼は酷薄に笑う。部下の死について悼んでも居ない表情だった。エミリアさんがどんどん光の矢を放つ。シュタインの頭についている宝石を狙っていた。しかしシュタインはあっさりと片手で弾き飛ばす。
「あまり強くないな。ここまで来たパーティは珍しいからどれほどのものかと思っていたが……」
彼は悠然と座り直す。彼に言葉を返すことはせず、僕は更にエミリアさんに魔力強化魔法をかけ、彼女はガンガン矢を放っていた。光の矢は初級魔法で威力は弱い。さすがにシュタインはおかしいと思い眉間にしわを作ったが、もう遅い。
ガン……。
低い音を立ててシュタインの片方の角が切り落とされる。エミリアさんの方に注意を引き付け、その間にレオン君が近寄りシュタインの角を叩き落とす作戦だった。
間髪入れずにレオン君はもう片方の角も折る。シュタインは驚愕に目を見開いた。
「な……ぜ……」
シュタインの弱点は一見額の鉱石かと思うが、実際には角である。これを切り落とすと彼は塵となり死んでしまう。これには十五回目で気がついた。なので僕は事前に皆に作戦を提案し、三人は疑いながらも乗ってくれたのだった。
シュタインは粒となり風に舞い、跡形もなく消えてしまう。
「……倒した、の?」
恐る恐るエミリアさんが呟いた。
「まだです! 残党が襲ってきます!」
言うとほぼ同時に扉から複数の鎧が入ってきた。皆一様に首から上がなく、アンデッドだとわかる。一回目の僕はこいつらに殺された。
「まかせて!」
エミリアさんは光の追尾弾を魔方陣から取り出すとアンデッド達めがけて放つ。シュタイン戦でほぼ消費しなかったため、彼女の魔力は余裕がある。まずは数匹片付いた。あとはひたすら倒すだけだ。
僕はけして得意でない攻撃魔法を使って近寄るアンデッドを迎え撃つ。レオン君は、と見ると、彼は僕のすぐ後ろにいた。襲ってくるアンデッドを倒しながら、僕を守ってくれている。エミリアさんも同様で、フィリップ君を守りながら戦っているようだった。過去どのループにもこのパターンはなかった。
呆気にとられているとあっという間にアンデッド達が倒されていく。
こうして僕達はこれまでのループの中で一番の大勝利を収めたのだった。
「皆さん、怪我はありませんか?」
僕は尋ねる。フィリップ君が足に怪我を負ったものの、歩けないほどではない。エミリアさんやレオン君も体や顔に傷を負っていたが軽微なものだった。僕にいたってはほぼ無傷である。
「ああ。……皆無事なようだな。よかった」
「びっくりするぐらいあっさりと倒すことが出来たな。それもほぼルカスの占い通りに」
フィリップ君は自分の足を治しながら破顔する。僕も安堵から頬を緩めた。
「よかったです……。何事もなく終わって」
エミリアさんは猫目を細めて笑った。
「ね。レオンとか、シュタインと戦う時にルカスやフィリップに何かあるかもって出来るだけ守ろうって言ってたし」
「おい」
彼女の言葉を気まずそうにレオン君が咎める。どういうことだ、と彼の方を見た。エミリアさんは猫のような瞳を細めて続ける。
「レオン、ルカスが未来に対して不穏なことを言うから、この旅で死んじゃうかもって思っていたみたいなんだよね。で、ルカスが死ぬってことは、治療役のフィリップにも何かあるかもしれないってことでしょ? だから、私達で二人を守ろうって」
目をぱちぱちと瞬かせる。ふいにシュタイン復活の日を思い出した。僕はいつまで生きられるかわからないと告げた。たったそれだけの言葉から彼は僕やフィリップ君の死を予想して防ごうとしてくれていたのだろうか。
すごい。素直に思う。やっぱりレオン君は優しくて賢くてかっこいい。
「へぇ、そうなのか。すごいな、レオン」
フィリップ君は今度はエミリアさんの傷を直しながらレオン君を称賛する。
「ん……、それっていつの話だ?」
フィリップ君はエミリアさんに向き直した。
「大体半年くらい前かな?」
彼女は宙空を見ながら答える。
「それって、やたらレオンとエミリアが二人で話すようになった頃?」
「え? そう見えていたの?」
エミリアさんは不思議そうに首を傾げる。本人に自覚はなかったみたいだ。
「うーん、まぁ、確かにあの辺りからレオンと一緒に特訓をすることは増えたけど……」
「あー、本当に特訓してたんだ……」
フィリップ君は気まずそうに視線をそらす。エミリアは腰に手を当て彼の顔を覗き込んだ。
「何? 疑ってたの?」
「いや! そんな事は!」
フィリップ君はたじたじと一歩引き、レオン君の後ろに隠れる。レオン君はしょうがないと言うように微笑んでいた。
「ま、とりあえずこれで全員無事に帰れるわけね! ギルドに行って倒したことを報告してきましょう」
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