前世で大魔女と呼ばれた妾ちゃんの自由気ままな冒険譚

陣ノ内 猫子

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第一章

第十三話 強くなりたい

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 次の日の朝。
 セレーネの手で身支度を整えてもらったヴェレッドに、ヘリオスがポツリと告げた。

「あんた、髪はそのままでいいのか?」
「髪じゃと?」

 いきなり何の話だと、ヴェレッドは首を捻る。

「セレーネみたいにまとめた方がいいんじゃないかって、思っただけだよ」
「ふむ、それもそうじゃな。セレーネ、頼めるか?」

 くるりと、後ろに立つセレーネに頼むが、セレーネは首を横に振った。

「申し訳ありません。私は自分の髪をするのが精一杯で……ヴェレッド様の髪を整えるのは……」
「できぬか」
「はい、申し訳ありません……」

 ならば仕方がないか、とそのまま行こうとすると、ヘリオスに呼び止められた。

「ほら、座れよ」

 風呂場にあった化粧台の前の椅子を引き、ヘリオスがヴェレッドを呼ぶ。

「何のつもりじゃ?」
「は? 髪をまとめるんだろ? セレーネの髪は、自分でできるようになるまで俺がしてたんだ。だから、あんたのもしてやるよ」

 何と、そんな特技を持っていたとは! ヴェレッドも驚きだ。
 ヴェレッドは言われた通り、素直に椅子に座る。

「こなたにそのような特技があったとはのぅ」
「疑ってんのか?」
「いや、疑ってなどおらぬよ」

 《妖精の瞳》をもつヴェレッドに虚言は通じない。本当のことを言っているのは分かっている。
 セレーネの髪ゴムやヘアピンの予備を出すと、櫛で髪を梳きながら手際よくまとめていく。

「ハーフアップとかでいいか? あんまり小難しい髪型は無理だ」
「構わぬよ。こなたに任せよう」

 それから五分もしない内に、「できたぞ」と声をかけられた。

「ほぉ~、すごいのぅ」
「やっぱりヘリオスは上手ね」

 髪型の出来栄えに、ヴェレッドとセレーネは感心すると、ヘリオスは照れくさそうに頬を掻く。

「よし! 今日からヘリオスに、妾の髪をしてもらうことにするのじゃ!」
「はぁ!? 自分でできるようになれよ」

 何が不満なのか、ヘリオスが反論してくるが、ヴェレッドが一蹴する。

「未だに服も着れぬ妾に、そのような芸当ができると思うのか?」
「……それは威張ることじゃねぇぞ?」

 しかし、その言葉で納得したのか、それ以上は言ってこなかったので、そのままヴェレッドの髪の毛係に就任した。

「おはよう、ヴェレッドちゃん達」

 そのまま一階へ下りると、カウンターにいるジェシカと遭遇した。

「うむ、おはようじゃ」
「ども」
「おはようございます、ジェシカさん」

 三者三様の挨拶を交わすと、ジェシカが、ヴェレッドの髪型がいつもと違うことに気がついた。

「あら、今日は髪形が違うのね。似合ってるわよ、ヴェレッドちゃん♡」
「うむ、ヘリオスがしてくれたのじゃ」

 やはり意外なのか、ジェシカも驚きの表情を見せた。

「ヘリオスちゃんってば、器用なのね♡ ワタシもしてもらおうかしら?」

 つるりとした頭をどう整えろというのだ。返答に困ったヘリオスは「はぁ」とだけ返した。

「んふ♡ ヘリオスちゃんってば、照れ屋さんね♡」

 ウィンクでハートを飛ばされたヘリオスは、恐怖からかそっとヴェレッドの後ろに隠れた。男の面目丸つぶれだ。
 ここでジェシカとは別れ、何事もなく朝食を食べ終えた。

* * * * *

 冒険者ギルドに行き、依頼を受けた。今日はウルフの討伐だ。

「昨日と同様に、ウルフも毛皮は大事な素材じゃ。最小限の傷で仕留めよ」
「ホーンラビットからいきなりウルフって……あんた正気か!?」

 ハードルが高すぎると抗議するヘリオスに、ヴェレッドは反論する。

「昨日の戦いを見ておった限りでは、ウルフ程度では後れを取らんと判断した。文句があるなら劣勢になってから言え。以上じゃ。第一、ホーンラビットもウルフもさして変わらんじゃろう」

 初心者からしてみれば違うように見えるのかもしれないが、ヴェレッドにとってはどちらも似たようなものだった。抗議されている意味があまり理解できていない。

「ヘリオス。せっかくヴェレッド様がこう評価して下さっているのだから、やれるだけやってみましょう?」
「っち。……昨日と同じやり方でいく。文句はないな」

 ヴェレッドとしては他の技も見てみたかったが、致し方ないと了承した。

「あの、私も昨日と同じ方法でもよろしいでしょうか?」

 頷くことで、ヴェレッドは許可を出した。
 そもそも、初心者に傷を少なく仕留めろということ自体ハードルが高いのだ。ヴェレッドはそれが理解できていない。他人との感覚がずれているのだ。
 ウルフを見かけ次第屠っていく。昨日と同じだ。ヘリオスとセレーネはあまり場数を踏んでいない。圧倒的に経験が少ないのだ。
 ヴェレッドは経験を積ませ、徐々に強い魔物を倒させて、自分の隣に立つ存在になって欲しいと考えている。隣に並べなくても、せめて自分の後ろについて来れる存在が欲しい。そう思っている。
 と、その時。

「何ですか、あのスライムは……!」

 斑に紫色をした、ポイズンスライムの群れに遭遇した。

「ふむ。あれはポイズンスライムじゃな」
「何であんなにいるんだ?」

 そう、ポイズンスライムが五十匹以上はいるのだ。普通はここまでスライムは群れない。五十匹以上なんて異様な上に、異常だ。

「あれこれ言うておる場合ではない。ポイズンスライムは危険じゃ。二人とも、まだヤれるか?」

 すでにウルフを何十匹も屠ってきたところだ。二人の体力はあまり残っていないだろう。

「あ、はい……できるだけやってみます」
「まぁ、ヤれるだけヤってみるよ」
「知ってるやもしれぬが、スライムは核がある。それを壊さねば死なぬぞ」

 しっかり頷いた二人を見ると、すぐにヴェレッドは行動に移した。

「ルーア・ガズーラ――【風斬】」

 無数の風の矢を形成し、的確にポイズンスライムの核を狙う。残ったのは壊れた核と薔薇の香りだけだ。

「――《影剣こくけん》」
「――《花狩り》」

 傷を少なくしなければならないわけじゃないならと思ったのか、二人は自身の魔法で剣を象り、ポイズンスライムを仕留めていく。
 だが、剣は我流だろう。動きはイマイチだし、一撃で核を攻撃できていない。数度斬りかかって、一度当たればいい方だ。剣については修行をさせた方がいいだろう。

「アーレ・クダン――【葉の舞い】」

 ヘリオスとセレーネの動きを尻目にヴェレッドも次々魔法を放ち、確実にポイズンスライムを仕留める。ぷよぷよと動く対象を一撃で仕留めることができるのは、さすがと言うしかない。

「はぁ……っ、はぁっ……」
「くっ……」

 二人の息が上がってきた。ここらが限界だろう。

「二人とも下がっておれ。あとは妾がする」
「なっ、まだヤれるッ!」
「今のこなた達では、戦力にはならぬ。下がっておれ」
「……ヘリオス。私達ではヴェレッド様の足手纏いよ。お任せしましょう」
「……っく」

 悔しそうな表情を浮かべるヘリオスをセレーネが宥める。
 ようやく引き下がった二人を背に庇い、ヴェレッドは残りのポイズンスライムを殲滅していく。

「すげぇ……」
「ええ、本当に……」

 二人の剣の手本になるように、ヴェレッドも剣を片手に、華麗に舞い、踊るように一匹一匹を確実に仕留めていった。

* * * * *

 食い入るようにヴェレッドの戦闘を見ていた二人は、しばらく戦闘が終わったことに気づかなかった。

「ほれ! 何をしておる。核を集めるのじゃ」
「あ、ああ……」
「は、はい! 申し訳ありません」

 今落ちているのは全て、ヴェレッドが仕留めたポイズンスライムの核だ。なので、ヴェレッドのアイテムバッグに仕舞う。

「これで全部じゃな。もう日が暮れ始めておる。ギルドに戻るのじゃ。ポイズンスライムの群れのことも、報告せねばならぬしのぅ」
「そうですね」

 三人は冒険者ギルドに戻るべく足を進める。すると、巨大な魔物が地面を這ったような跡を見つけた。巨大な魔物が這ったであろう道筋の木々は全て薙ぎ倒されている。

「しかし、この這った跡は一体何じゃ……。これも報告せねばな。それと――」

 ヴェレッドの視線の先には、毒に侵されたホーンラビットの死骸が数匹転がっていた。

「こやつらもな」

* * * * *

 腹ごしらえだと言って、ヴェレッドは屋台で肉の串焼きを一人一本ずつ購入した。それを食べながら冒険者ギルドへ向かう。
 冒険者ギルドへ着くと、いつものように妾ちゃんコールがあるがそれをスルーし、受付へ向かう。と、受付嬢と目が合い、そのまま奥へ引っ込んで行った。おおかた、ヴェレッドが来たら自分を呼ぶよう、ラファームが言いつけていたのだろう。

「ヴェレッドちゃ~ん! お待たせ~!」

 それほど待つことなくラファームが走ってきた。それも、両手を上に上げ、ブンブンと勢いよく振っている。身長が高く、そこそこガタイのよいラファームがやっても恐怖しか抱けない。思った通り、ヘリオスとセレーネの頬が引き攣っている。

「約束通り森に行ってくれたのね!」
「二人の経験にもなるからのぅ」
「んもぅ! 素直じゃないんだから♡」

 「うふっ」と真っ赤なマニュキュアが施された指を頬に当て、訳の分からないことを言ってくる。

「何の話じゃ。それより、報告が三つほどあるが。聞くのか、聞かぬのか?」

 分かり切った質問ではあるが、ラファームの冗談を切り上げさせるには充分効果的だろう。

「聞かせてちょうだい」

 案の定、ラファームは真顔になって返事をしてきた。

「まず一つ目じゃが、昨日と同様のホーンラビットの死骸が数匹あるが、解体場に行くか?」
「いいえ。他の二つを先に聞かせてちょうだい。別室に行きましょう」

 死骸は昨日見たから、新しい方の情報が欲しいのだと思われる。
 別室に通されると、すぐに話を切り出された。

「それじゃあ、報告を聞かせてちょうだい」
「うむ。ポイズンスライムの群れに遭遇したのじゃ。それも五十匹以上のな」
「っ!」

 ポイズンスライムは、普通のスライムが毒を吸収することで発生する魔物だ。それが五十匹以上いたのだ。異常以外の言葉は見つからない。

「何ですって!? すぐに依頼を――」

 腰を上げて依頼を出しに行こうとするラファームを、手で制した。

「すでに討伐してあるのじゃ。安心せい」
「そ、そうなの……?」

 素っ頓狂な声を上げるラファームに、ヴェレッドの顔がニヤける。

「ああ。見かけた奴は全部な」
「と言いましても、ほとんどはヴェレッド様が討伐されました」

 肩透かしを食らったような顔をするラファームは置いておいて、話の続きをする。

「それとじゃな……巨大な魔物が地を這ったような跡を見つけたのじゃ。魔物の種類の特定は難しいが、毒の原因はそやつで間違いないじゃろう」
「でしょうね」

 顎に手を当てしばらくラファームは考え込むと、ヴェレッド達に向き直った。

「今日はもう遅いわね……明日、その巨大な魔物の這った跡という場所に、連れて行ってくれないかしら? 自分の目で確かめておきたいの。時間は早い方がいいわ。午前中に来られる?」
「致し方あるまい」

 ギルドマスターがこう言っているのだ。どうせ断る余地はない。ヴェレッドは渋々承知した。
 その代わり(?)、嫌がらせとしてラファームの頭上に、ドサドサとポイズンスライムの核を五十個以上落としてやった。
 もちろん核はポイズンスライムが死ぬと、無害なものとなるので安全だ。

* * * * *

「ヴェレッド様……」

 冒険者ギルドからの帰り道。セレーネに呼ばれて、ヴェレッドは足を止めた。振り返れば、セレーネが真剣な赤い瞳で自分を見つめていた。隣には、同じ表情でヘリオスが立っている。ヘリオスとセレーネの表情から、どうやら二人の言いたいことは同じなのだろうと推測した。

「どうしたのじゃ、二人とも」

 尋ねると、一瞬の逡巡の後に、セレーネがおずおずと口を開いた。

「……私達は、あまり戦闘経験がありません。このままではすぐに、ヴェレッド様の足を引っ張ってしまうことになると思います」

 何の前触れもなく切り出したセレーネに、ヘリオスが「でも」と続けた。

「俺達はあんたの足手纏いになりたくない。強くなりたいんだ」

 己の弱さを実感した、二人の申し出。ヴェレッドと自分達の間にある大きな実力差を少しでも埋めたい。
 そう語る二人に、ヴェレッドは昔の自分を思い出した。
 家族や国民を守りたくて、ひたすらに強さを求めた自分のことを。
 そうだ。あのときも自分は、「強くなりたい」と、そう言ったのだ。

「何か、強い魔物が出るんですよね?」
「今の俺らじゃ、きっと手も足も出ねぇ。だから――」

 その先は言われずとも分かった。
 面倒だと一蹴するのは簡単。けれど。
 強くなりたい。足手纏いになりたくない。
 そんな二人の想いを無視できるほど、ヴェレッドは薄情ではなかった。
 胸の奥底から込み上げてくる感情を自覚しながら、ヴェレッドはニヤリと口角を上げる。

「妾の修行は厳しいぞ。それでもよいか?」

 当然だと二人は深く頷いた。

「今から夜通しせねば間に合わぬ。それでもか?」
「「くどい(です)!」」

 勢いよく二人揃って、やる気満々に返事をした。
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