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9.鈴蘭のためにできること
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鈴蘭は今日、学校に来てくれるかな。
あたしは緊張で眠れぬ夜を過ごし、朝を迎えた。うとうととはするけれど、すぐに目が覚めてしまう。一回寝たら朝まで起きないあたしがこんなに何度も起きちゃうなんて……。
鈴蘭にとっても、あたしにとっても、今日は重要な日。
ずっと心がそわそわしているけれど、だいじょうぶ。自分を、鈴蘭を。クラスのみんなを信じよう。
「陽乃葉、おはよ」
めずらしく、桐ケ谷があたしと同じ時間に登校してきた。
「おはよう桐ケ谷。昨日は協力ありがとう。今日もよろしくね」
学校に戻ってから、桐ケ谷にもとある協力をおねがいしたんだ。
詳しいことは何も話していないけど、桐ケ谷は深くは問いただすことなく協力してくれた。
「いえいえ」
桐ケ谷はあくびをしながら、ふらふらと教室に向かう。
ハンドメイドイベントの準備もあって、いつも以上に眠そう。
「あんまり無理したらダメだよ」
みんな、無理してばっかり。小学生でも、がんばってばっかり。
「たのしくてついね。陽乃葉が選んでくれた生地で作るクマちゃんはかわいいぞ」
ほわほわ柔らかい、茶色の生地の手触りを思い出す。あの布で作ったクマは絶対にかわいい!
「楽しみにしてる!」
桐ケ谷が味方でいてくれる。それだけで心強かった。
だからあたしも、桐ケ谷と、鈴蘭の味方になってあげるんだ!
教室に着く。いつもと変わらない雰囲気だったけど、鈴蘭の姿はまだ無かった。
来てくれない……かな。
不安になってしまう。鈴蘭があたしを信じてくれるかわからない。そもそも、信じてもらえるほど深い付き合いもしてないし……。
桐ケ谷は自分の席について、頬杖をついてぼんやりしている。いつも机につっぷして寝ているところを思えば、少しは緊張してくれているのかもしれない。
ネガティブになりかけていると、少し教室の空気が変わった。
振り返って教室の後ろの出入口を見ると、怯えたように立ちすくむ鈴蘭がいた。教室に入るのが怖いようで、その場からなかなか動かなかった。
でも、学校に来てくれた……!
あたしは急いで鈴蘭のもとへ向かう。
「鈴蘭、おはよう!」
あたしの声に、鈴蘭はほっとしたように笑顔を見せてくれた。
「おはよう陽乃葉ちゃん」
「ありがとう来てくれて」
あたしは、ぶんぶんと手を握って振る。
「今日来なかったら、陽乃葉ちゃんのことを信じてないってことになるから」
鈴蘭はぎこちなく笑った。
「その心づかいがうれしいよ」
あたしは鈴蘭をうながすように、教室の中へ導いた。
昨日のこともあったから、クラスの子たちはちらちらとあたしたちを見ている。
鈴蘭はためらいながらも、あたしといっしょに歩いて自分の席に向かった。
鈴蘭が席につくやいなや、昨日鈴蘭のランドセルを見ようとした野澤が青ざめた顔でやってきた。
「れ、れいらちゃん……!」
びくっと身体を震わせ、鈴蘭はとっさにランドセルをかばう。今日も、くーたんを連れてきているのかもしれない。
「昨日はごめんなさい、もうしません!」
野澤が謝り、ちらりとあたしを見る。
「知られたくないことをむりやり知ろうとするのは罪だからね。」
「よく、わかった。ほんとうに」
野澤は昨日眠れなかったのか、いつもより元気がなかった。
鈴蘭があっけにとられて返事をしないため、野澤はもう一度「ごめん」と言って席に戻った。授業中には読まない教科書を開いて読むふりをしている。もう終わったことだと言わんばかり。
あたしは緊張で眠れぬ夜を過ごし、朝を迎えた。うとうととはするけれど、すぐに目が覚めてしまう。一回寝たら朝まで起きないあたしがこんなに何度も起きちゃうなんて……。
鈴蘭にとっても、あたしにとっても、今日は重要な日。
ずっと心がそわそわしているけれど、だいじょうぶ。自分を、鈴蘭を。クラスのみんなを信じよう。
「陽乃葉、おはよ」
めずらしく、桐ケ谷があたしと同じ時間に登校してきた。
「おはよう桐ケ谷。昨日は協力ありがとう。今日もよろしくね」
学校に戻ってから、桐ケ谷にもとある協力をおねがいしたんだ。
詳しいことは何も話していないけど、桐ケ谷は深くは問いただすことなく協力してくれた。
「いえいえ」
桐ケ谷はあくびをしながら、ふらふらと教室に向かう。
ハンドメイドイベントの準備もあって、いつも以上に眠そう。
「あんまり無理したらダメだよ」
みんな、無理してばっかり。小学生でも、がんばってばっかり。
「たのしくてついね。陽乃葉が選んでくれた生地で作るクマちゃんはかわいいぞ」
ほわほわ柔らかい、茶色の生地の手触りを思い出す。あの布で作ったクマは絶対にかわいい!
「楽しみにしてる!」
桐ケ谷が味方でいてくれる。それだけで心強かった。
だからあたしも、桐ケ谷と、鈴蘭の味方になってあげるんだ!
教室に着く。いつもと変わらない雰囲気だったけど、鈴蘭の姿はまだ無かった。
来てくれない……かな。
不安になってしまう。鈴蘭があたしを信じてくれるかわからない。そもそも、信じてもらえるほど深い付き合いもしてないし……。
桐ケ谷は自分の席について、頬杖をついてぼんやりしている。いつも机につっぷして寝ているところを思えば、少しは緊張してくれているのかもしれない。
ネガティブになりかけていると、少し教室の空気が変わった。
振り返って教室の後ろの出入口を見ると、怯えたように立ちすくむ鈴蘭がいた。教室に入るのが怖いようで、その場からなかなか動かなかった。
でも、学校に来てくれた……!
あたしは急いで鈴蘭のもとへ向かう。
「鈴蘭、おはよう!」
あたしの声に、鈴蘭はほっとしたように笑顔を見せてくれた。
「おはよう陽乃葉ちゃん」
「ありがとう来てくれて」
あたしは、ぶんぶんと手を握って振る。
「今日来なかったら、陽乃葉ちゃんのことを信じてないってことになるから」
鈴蘭はぎこちなく笑った。
「その心づかいがうれしいよ」
あたしは鈴蘭をうながすように、教室の中へ導いた。
昨日のこともあったから、クラスの子たちはちらちらとあたしたちを見ている。
鈴蘭はためらいながらも、あたしといっしょに歩いて自分の席に向かった。
鈴蘭が席につくやいなや、昨日鈴蘭のランドセルを見ようとした野澤が青ざめた顔でやってきた。
「れ、れいらちゃん……!」
びくっと身体を震わせ、鈴蘭はとっさにランドセルをかばう。今日も、くーたんを連れてきているのかもしれない。
「昨日はごめんなさい、もうしません!」
野澤が謝り、ちらりとあたしを見る。
「知られたくないことをむりやり知ろうとするのは罪だからね。」
「よく、わかった。ほんとうに」
野澤は昨日眠れなかったのか、いつもより元気がなかった。
鈴蘭があっけにとられて返事をしないため、野澤はもう一度「ごめん」と言って席に戻った。授業中には読まない教科書を開いて読むふりをしている。もう終わったことだと言わんばかり。
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