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第六章
円香の涙
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「由加さん?」
円香の声に、ハッとなる。パッと世界に光が戻った。
「あ、はい」
「そういえば、理一さん、でしたっけ。どうなりました?」
「あ、実は先日デートのようなものを……」
ぼんやりしていたから、思ったままのことを言ってしまった。
「デート?」
「えっ、デートしたのあんた!」
円香と朋子の声が同時にした。
円香はともかく、朋子には教えたくなかったのに。由加はやっちまった後悔に頭を抱えたくなる。
「デートっていうか、たまたま……」
「たまたまデートって何? お母さんに詳しく聞かせなさい」
茶化されるのが分かっているのに、先日の公園でのことを洗いざらい話してしまった。上手にウソをついたりごまかしたりできないせいで、知られたくないことを朋子に知られ続ける人生だ。
「ふぅん。たしかに、デートって雰囲気じゃないわね」
「でも、気がないのに野鳥を見せてくれます?」
円香と朋子は、由加を置いてふたりで話し始めてしまう。
(あたしの話なんだけど?)
ふたりして冷たい麦茶を飲みながらあーだこーだと話しているので、由加は黙って食べ終えた皿をさげた。
「理一さん、優しいしさわやかなかんじだし、イケメンって感じじゃないけどなかなかすごく素敵なのよ」
朋子のほうが、まるで恋しているみたいに顔をとろけさせている。
「別に、結婚とか、考えてないし」
由加のセリフに、店内が静まる。
「……私はバツイチなので、結婚がどうのと語る資格はございません」
円香が、ごくりと麦茶を飲む。
「……お母さんも、バツイチになるかもしれないから、何も言えません」
朋子も、麦茶をごくりと飲む。
再び、店内が静まる。
気まずい。
(………………お客さん、誰でもいいから来てくれないかな~!)
そう願う時に限って、誰も来ない。
諦めて、由加が口を開く。
「いいチャンスだから聞いちゃうけどさ。お母さんは、あたしに結婚してほしいとか孫の顔が見たいとかないの?」
「ないね!」
即答だった。
「なんでよ」
「昔、なんかの漫画で見たのよ。えーとなんだっけ。ほらアレよアレ、有名なアレの中のセリフにね『子どもは生まれてきた瞬間に、親孝行をし終えている』っぽいのがあったのよ」
アレしか言ってなくていまいち話が入ってこない。
「つまり、なんなのよ」
「つまり、由加には特に期待してないから勝手にどーぞって話よ」
言い方が悪い。悪すぎる。
ムッとした由加を見た円香が、慌てたようにフォローしてくれた。
「えっと、つまり由加さんが生まれてきてくれたことが一番の親孝行ですもんね!」
「そういうこと。この店を続けるのもやめるのも自由!」
「……仕事やめさせて、この店を手伝えって言ったのに?」
自分で言ったことを忘れたのだろうか。娘の人生をなんだと思っているんだと、怒りたくなる。でも、朋子が由加を見上げて、満足そうに笑った。
「イヤだって言わなかったのは由加でしょ。じゃあ聞くけど、今楽しいでしょ? 間違ってなかったでしょ?」
ぐうの音も出ない。やりたくないとは言ってない。今すごく楽しい。人生にない「やる気」に満ち溢れている。
新しいことを始めるのは、怖い。でも、今は「やってみたい、もっと素敵な未来が待っているかもしれない」と考えられるようになってきた。
「イヤじゃなければ結婚でも子どもでも好きにしたらいいし。でも、老後が寂しいからって理由でしょーもない男と由加が結婚したらお母さんはイヤだけどね」
「あ、うん……」
朋子の、愛が深いのか放任なのかわからない対応に戸惑い、うんと返事をするに留まってしまった。ほんと、朋子という人間がわからない。
ぐす……と、鼻をすする音がした。
音の主は、円香。なんと、泣いている。
「円香さん? どうかしました?」
親子喧嘩に巻き込まれて泣き始めた……わけではないだろうけれど、慌ててしゃがみこんで、椅子に座る円香の顔を覗き込む。
「朋子さん、すてきだなって思ってぇ。実は私も結婚するとき、母に反対されたんです。あの男はやめとけ、ロクでもないのと結婚するなら独身の方がマシって。どうしてって理由聞いたら『母親の勘』って言うから、私余計に反発して結婚しちゃったんですけど……」
そこで円香は、わー! と声をあげて泣き出した。
「ホントーに最低な人で! いない人のことを悪く言いたくないのでこれ以上は言いませんけど!」
相変わらず素早い動きで、朋子がティッシュを差し出す。
「す、すみませぇん。由加さんには、私みたいになってほしくなくてぇ」
しっかりした落ち着きある女性だと思っていたのに、度々子どものように泣きじゃくる。普段しっかりしているからこそ、タガが外れると歯止めが利かないのかもしれない。
あれからどうにか円香を泣きやませた。
「すみません本当に……二回もお店で泣いてしまって……」
恐縮しきっている円香に、朋子が声をかけた。
「いいのよぉ。おもしろい話だし、由加のためにもなるから」
人の離婚話をおもしろいって! いくらなんでも、と思ったけれど、円香は安心したように笑顔を見せた。
「朋子さんがそう言ってくれて助かります。また、来てもいいですか?」
「もちろんよ! こういうのはお互い様だから、気にせずまたおもしろい話を聞かせてね」
「はい!」
なぜ、朋子だと失礼な物言いでも受け入れられるのだろうという疑問が、由加の脳内を埋めつくす。
(あ、でも学生時代の友達にもママ友にも嫌われているのか……適材適所ってやつ?)
お店の中で号泣してしまったのに優しくなぐさめられでもしたら、いたたまれなくてもう行けなくなるかもしれない。でも、おもしろい話と言われると、大したことをしてない気になるというのは、わからないでもないなぁと由加は考察してみた。
円香の声に、ハッとなる。パッと世界に光が戻った。
「あ、はい」
「そういえば、理一さん、でしたっけ。どうなりました?」
「あ、実は先日デートのようなものを……」
ぼんやりしていたから、思ったままのことを言ってしまった。
「デート?」
「えっ、デートしたのあんた!」
円香と朋子の声が同時にした。
円香はともかく、朋子には教えたくなかったのに。由加はやっちまった後悔に頭を抱えたくなる。
「デートっていうか、たまたま……」
「たまたまデートって何? お母さんに詳しく聞かせなさい」
茶化されるのが分かっているのに、先日の公園でのことを洗いざらい話してしまった。上手にウソをついたりごまかしたりできないせいで、知られたくないことを朋子に知られ続ける人生だ。
「ふぅん。たしかに、デートって雰囲気じゃないわね」
「でも、気がないのに野鳥を見せてくれます?」
円香と朋子は、由加を置いてふたりで話し始めてしまう。
(あたしの話なんだけど?)
ふたりして冷たい麦茶を飲みながらあーだこーだと話しているので、由加は黙って食べ終えた皿をさげた。
「理一さん、優しいしさわやかなかんじだし、イケメンって感じじゃないけどなかなかすごく素敵なのよ」
朋子のほうが、まるで恋しているみたいに顔をとろけさせている。
「別に、結婚とか、考えてないし」
由加のセリフに、店内が静まる。
「……私はバツイチなので、結婚がどうのと語る資格はございません」
円香が、ごくりと麦茶を飲む。
「……お母さんも、バツイチになるかもしれないから、何も言えません」
朋子も、麦茶をごくりと飲む。
再び、店内が静まる。
気まずい。
(………………お客さん、誰でもいいから来てくれないかな~!)
そう願う時に限って、誰も来ない。
諦めて、由加が口を開く。
「いいチャンスだから聞いちゃうけどさ。お母さんは、あたしに結婚してほしいとか孫の顔が見たいとかないの?」
「ないね!」
即答だった。
「なんでよ」
「昔、なんかの漫画で見たのよ。えーとなんだっけ。ほらアレよアレ、有名なアレの中のセリフにね『子どもは生まれてきた瞬間に、親孝行をし終えている』っぽいのがあったのよ」
アレしか言ってなくていまいち話が入ってこない。
「つまり、なんなのよ」
「つまり、由加には特に期待してないから勝手にどーぞって話よ」
言い方が悪い。悪すぎる。
ムッとした由加を見た円香が、慌てたようにフォローしてくれた。
「えっと、つまり由加さんが生まれてきてくれたことが一番の親孝行ですもんね!」
「そういうこと。この店を続けるのもやめるのも自由!」
「……仕事やめさせて、この店を手伝えって言ったのに?」
自分で言ったことを忘れたのだろうか。娘の人生をなんだと思っているんだと、怒りたくなる。でも、朋子が由加を見上げて、満足そうに笑った。
「イヤだって言わなかったのは由加でしょ。じゃあ聞くけど、今楽しいでしょ? 間違ってなかったでしょ?」
ぐうの音も出ない。やりたくないとは言ってない。今すごく楽しい。人生にない「やる気」に満ち溢れている。
新しいことを始めるのは、怖い。でも、今は「やってみたい、もっと素敵な未来が待っているかもしれない」と考えられるようになってきた。
「イヤじゃなければ結婚でも子どもでも好きにしたらいいし。でも、老後が寂しいからって理由でしょーもない男と由加が結婚したらお母さんはイヤだけどね」
「あ、うん……」
朋子の、愛が深いのか放任なのかわからない対応に戸惑い、うんと返事をするに留まってしまった。ほんと、朋子という人間がわからない。
ぐす……と、鼻をすする音がした。
音の主は、円香。なんと、泣いている。
「円香さん? どうかしました?」
親子喧嘩に巻き込まれて泣き始めた……わけではないだろうけれど、慌ててしゃがみこんで、椅子に座る円香の顔を覗き込む。
「朋子さん、すてきだなって思ってぇ。実は私も結婚するとき、母に反対されたんです。あの男はやめとけ、ロクでもないのと結婚するなら独身の方がマシって。どうしてって理由聞いたら『母親の勘』って言うから、私余計に反発して結婚しちゃったんですけど……」
そこで円香は、わー! と声をあげて泣き出した。
「ホントーに最低な人で! いない人のことを悪く言いたくないのでこれ以上は言いませんけど!」
相変わらず素早い動きで、朋子がティッシュを差し出す。
「す、すみませぇん。由加さんには、私みたいになってほしくなくてぇ」
しっかりした落ち着きある女性だと思っていたのに、度々子どものように泣きじゃくる。普段しっかりしているからこそ、タガが外れると歯止めが利かないのかもしれない。
あれからどうにか円香を泣きやませた。
「すみません本当に……二回もお店で泣いてしまって……」
恐縮しきっている円香に、朋子が声をかけた。
「いいのよぉ。おもしろい話だし、由加のためにもなるから」
人の離婚話をおもしろいって! いくらなんでも、と思ったけれど、円香は安心したように笑顔を見せた。
「朋子さんがそう言ってくれて助かります。また、来てもいいですか?」
「もちろんよ! こういうのはお互い様だから、気にせずまたおもしろい話を聞かせてね」
「はい!」
なぜ、朋子だと失礼な物言いでも受け入れられるのだろうという疑問が、由加の脳内を埋めつくす。
(あ、でも学生時代の友達にもママ友にも嫌われているのか……適材適所ってやつ?)
お店の中で号泣してしまったのに優しくなぐさめられでもしたら、いたたまれなくてもう行けなくなるかもしれない。でも、おもしろい話と言われると、大したことをしてない気になるというのは、わからないでもないなぁと由加は考察してみた。
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