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第4話 試し撃ち
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ユリアさんが貸してくれた銃に用いられていた術式はかなり高等な技術で完璧な解析に2日、銃の製作は3日掛かった。
私が思っていた以上にユリアさんは凄腕の魔術師のようだ。
「完成したようだな」
エルンストさんとユリアさんに完成した銃を見せる。
「うん、良いんじゃない?」
「あの、試し撃ちできる場所ってありますか?」
「そんなのエルンストに撃てば良いじゃない。包容力のある男を自称しているから、銃弾も受け止めてくれるでしょ」
「妄想でしゃべるのやめようね。そんな事言った事ないから。あと、包容力あっても銃弾は受け止められないんだよ。良かったね、知らない事を学べて」
「待って? 攻撃を始めた人間は一定時間無敵モードになるんじゃないの? 何で私が攻撃されてるの?」
「自分ルールを人に押し付けるのはやめとけ。嫌われるぞ。まあ、手遅れかもしれないけど」
「何で私、全世界から嫌われてる前提なの?」
「そこまで言ってない。それで、試し撃ちできる場所だよな?」
「はい」
「庭に魔術を実験する場所がある。そこで試そう」
庭に出ると、エルンストさんが魔術で即席の的を作ってくれた。
的と言っても土塁だけど。
「じゃあ、撃ちますね」
「ああ」
「いいよ」
ユリアさんもこっそりと付いてきていたらしい。
私は銃口を土塁に向け、引き金を引く。
最初は反動に慣れていないせいか、最初は着弾点がズレたが、反動に慣れたおかげで照準がしっかりと定まるようになった。
「これは強いですね」
「やっぱり、売れるよね?」
「売ったらその場で捕まりますよ」
「え? 何で?」
「使ってる技術が明らかに現代魔術ではないからです」
「ユリア、俺は言ったよな? 売れる物を作れって」
「待って? こんなに高性能なんだよ? 売れない訳ないじゃん」
「売って足が付いたら、ユリアの作った銃でミンチにするからね」
「そんな事言うと、法廷に出るよ? 脅迫で」
「訴えても良いけど、弁護士費用払えるの?」
「お金貸して?」
「訴えようとしている相手にお金を貸してもらおうとする、その神経が理解できないのだが? あと、借りたお金は返さないといけないんだよ、知ってる?」
「私の扱いがおかしい。私だって、れっきとした文明人なの。借りたら返すなんて知ってるよ、当然でしょ?」
「じゃあ、何でブラックリストに載るのかな?」
「借りたら返さないといけないけど、弁済期まで姿をくらませれば大丈夫だって言うのも知ってる。だって、私、文明人だもの」
「とりあえず、病院か、警察に行こうね」
「やめて。仕方ない。冒険者になって素材を集めよう」
「ようやく地に足付けて働く気になったか」
「それに、私にはこれがあるから」
ユリアさんは魔導自動小銃を空に向かって乱射する。
「ユリアのトリガーを引く事に対する躊躇が全くなくて怖いのだが?」
エルンストさんはユリアさんがトリガーハッピーである事を指摘するが問題はそこじゃない。
「ユリアさん、その銃はダメですよ。絶対に目を付けられますからね。なので、これです」
私は魔導半自動小銃を渡す。
「え? 何これ?」
「連射性能を落とした銃です。トリガーを引けば弾が出ます。冷却時間がないので、指の筋力に物を言わせれば連射できます」
「めっちゃ脳筋じゃん!」
ユリアさんには言われたくない。
「じゃあ、この自動小銃は俺が預かっておく。ユリアに持たせるとろくな未来が見えないからな」
そう言うとエルンストさんはユリアさんから銃を奪い、空中に現れた穴に魔導自動小銃を仕舞った。
あれはアイテムボックス?
やっぱり、この人も凄腕の魔術師なんだ。
ユリアさんは目に見えてテンションが下がっている。
「まあ、この銃も普通の銃より圧倒的に性能が良いですから」
「これだと小銃を2丁使わないとやる気でない」
「小銃の2丁持ちは反動で照準を定められませんよ?」
私がそう言うと、ユリアさんはすぐに反論してきた。
「大丈夫。戦いは多くの弾を撃ち込んだ方が勝てるから」
ユリアさんの自信が凄い。
「弾を当てないと、相手を殺せないんだよ」
エルンストさんが諭すように言う。
「そんな事知ってるよ? エルンストは私を何だと思ってるの?」
「別に何とも思ってないけど?」
「待って? その反応は一番酷いよね?」
「良いから、冒険者ギルドに行くぞ?」
「え? 今から行くの?」
ユリアさんが驚いている。
「お前の気が変わらないうちに行くぞ」
「え? 私は今からベットとの戦いがあるんだけど?」
「さっさと来い、引きこもり」
エルンストさんは転移術式を発動して、私たちをどこかに転移させた。
私が思っていた以上にユリアさんは凄腕の魔術師のようだ。
「完成したようだな」
エルンストさんとユリアさんに完成した銃を見せる。
「うん、良いんじゃない?」
「あの、試し撃ちできる場所ってありますか?」
「そんなのエルンストに撃てば良いじゃない。包容力のある男を自称しているから、銃弾も受け止めてくれるでしょ」
「妄想でしゃべるのやめようね。そんな事言った事ないから。あと、包容力あっても銃弾は受け止められないんだよ。良かったね、知らない事を学べて」
「待って? 攻撃を始めた人間は一定時間無敵モードになるんじゃないの? 何で私が攻撃されてるの?」
「自分ルールを人に押し付けるのはやめとけ。嫌われるぞ。まあ、手遅れかもしれないけど」
「何で私、全世界から嫌われてる前提なの?」
「そこまで言ってない。それで、試し撃ちできる場所だよな?」
「はい」
「庭に魔術を実験する場所がある。そこで試そう」
庭に出ると、エルンストさんが魔術で即席の的を作ってくれた。
的と言っても土塁だけど。
「じゃあ、撃ちますね」
「ああ」
「いいよ」
ユリアさんもこっそりと付いてきていたらしい。
私は銃口を土塁に向け、引き金を引く。
最初は反動に慣れていないせいか、最初は着弾点がズレたが、反動に慣れたおかげで照準がしっかりと定まるようになった。
「これは強いですね」
「やっぱり、売れるよね?」
「売ったらその場で捕まりますよ」
「え? 何で?」
「使ってる技術が明らかに現代魔術ではないからです」
「ユリア、俺は言ったよな? 売れる物を作れって」
「待って? こんなに高性能なんだよ? 売れない訳ないじゃん」
「売って足が付いたら、ユリアの作った銃でミンチにするからね」
「そんな事言うと、法廷に出るよ? 脅迫で」
「訴えても良いけど、弁護士費用払えるの?」
「お金貸して?」
「訴えようとしている相手にお金を貸してもらおうとする、その神経が理解できないのだが? あと、借りたお金は返さないといけないんだよ、知ってる?」
「私の扱いがおかしい。私だって、れっきとした文明人なの。借りたら返すなんて知ってるよ、当然でしょ?」
「じゃあ、何でブラックリストに載るのかな?」
「借りたら返さないといけないけど、弁済期まで姿をくらませれば大丈夫だって言うのも知ってる。だって、私、文明人だもの」
「とりあえず、病院か、警察に行こうね」
「やめて。仕方ない。冒険者になって素材を集めよう」
「ようやく地に足付けて働く気になったか」
「それに、私にはこれがあるから」
ユリアさんは魔導自動小銃を空に向かって乱射する。
「ユリアのトリガーを引く事に対する躊躇が全くなくて怖いのだが?」
エルンストさんはユリアさんがトリガーハッピーである事を指摘するが問題はそこじゃない。
「ユリアさん、その銃はダメですよ。絶対に目を付けられますからね。なので、これです」
私は魔導半自動小銃を渡す。
「え? 何これ?」
「連射性能を落とした銃です。トリガーを引けば弾が出ます。冷却時間がないので、指の筋力に物を言わせれば連射できます」
「めっちゃ脳筋じゃん!」
ユリアさんには言われたくない。
「じゃあ、この自動小銃は俺が預かっておく。ユリアに持たせるとろくな未来が見えないからな」
そう言うとエルンストさんはユリアさんから銃を奪い、空中に現れた穴に魔導自動小銃を仕舞った。
あれはアイテムボックス?
やっぱり、この人も凄腕の魔術師なんだ。
ユリアさんは目に見えてテンションが下がっている。
「まあ、この銃も普通の銃より圧倒的に性能が良いですから」
「これだと小銃を2丁使わないとやる気でない」
「小銃の2丁持ちは反動で照準を定められませんよ?」
私がそう言うと、ユリアさんはすぐに反論してきた。
「大丈夫。戦いは多くの弾を撃ち込んだ方が勝てるから」
ユリアさんの自信が凄い。
「弾を当てないと、相手を殺せないんだよ」
エルンストさんが諭すように言う。
「そんな事知ってるよ? エルンストは私を何だと思ってるの?」
「別に何とも思ってないけど?」
「待って? その反応は一番酷いよね?」
「良いから、冒険者ギルドに行くぞ?」
「え? 今から行くの?」
ユリアさんが驚いている。
「お前の気が変わらないうちに行くぞ」
「え? 私は今からベットとの戦いがあるんだけど?」
「さっさと来い、引きこもり」
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