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昔話から始まる日常12
しおりを挟む3人は魅桜が何を言っているのか、わからなかった。
蓮叶
「あの・・・え?うそ。ちょっと待ってください。会長もって・・・」
魅桜
「本当なの」
魅桜はそう言って立ち上がると、その場から一瞬にして姿を消した。
杏奈
「あれ?どこ行った?」
魅桜
「ここよ」
魅桜はいつの間にか杏奈の後ろに立っていた。
杏奈
「うわぁ!!?」
蓮叶
「うそ!?」
莉湖
「私と同じ、瞬間移動・・・?」
魅桜
「あなたは瞬間移動が出来るのね。でも、私の力は瞬間移動とは違うの」
そう言うと魅桜は次に棚に飾っていた壺を手に取り、誰もいない方へ放った。
3人は花瓶が割れてしまうと思い目を瞑った。
しかし、花瓶の割れた音は聞こえてこなかった。
3人が目を開けると、花瓶は床に立っていた。
杏奈
「マジかよ・・・」
莉湖
「・・・時間停止?」
魅桜
「正解よ。私の非能性は時間を止めることが出来るの」
魅桜の言葉に、蓮叶は戸惑いながらも聞く。
蓮叶
「あの・・・さっきも言ってたその“ひのうせい”って、何なんですか?」
魅桜は蓮叶の目を真っ直ぐ見て答える。
魅桜
「私の時間停止のような、非現実的な力のことよ。ある科学者がそう名付けた名称」
莉湖
「非能性・・・」
蓮叶
「ちょ、ちょっと待ってください!名付けたって、もしかして私たち以外にもこういう力を持っている人達がいるってことですか?」
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