蟻喜多利奈のありきたりな日常2

あさまる

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蟻喜多利奈と親戚との関係

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「おーい、利奈ちゃーん!」
透き通る空気にぴったりな、美しく綺麗な声。

彼女を呼ぶものだ。
それに反応し、振り返る。
そこには大人びた見た目で元気いっぱいな女性がいた。

「天菜お姉ちゃん!」
その女性に向け、彼女に負けないくらい元気いっぱいな声で、利奈が返事をする。

ぼやけた思い出。
それが、彼女を見て鮮明になった。
数年会っていない。
それなのに、驚いたことに、記憶のままの彼女が利奈へ走って駆けてきたのだ。

「久しぶりっ!会いたかったよ!利奈ちゃん、とても大きくなったんだね!」

「私も会いたかっ……ぐふっ!?」
最後まで言えなかった利奈。

走った勢いのまま、彼女を力いっぱい抱き締めたのだ。
比較的背の高い利奈であったが、そんな彼女の顔面が胸に埋まってしまった。

柔らかさ。
酸欠。
圧力。
ギブアップ。
タップする。
しかし、天菜の力は緩まない。

「もうっ!本当に久しぶりなんだからっ!このこのっ!可愛いなー利奈ちゃんはっ!」

「……。」

「……利奈ちゃん?おーい、利奈ちゃん?」

フワリ。
力が抜けたことにより、ようやくホールドから解放された。


雲一つない青空。
それが、視界いっぱいに広がっている。
それでも、自分が地面に仰向けになっているのが分からない利奈であった。

遠くから聞こえるように、ぼんやりと彼女を呼ぶ声。
ただでさえ遠いそれが、段々と遠退いていった。
そして、利奈は目を閉じた。


暗転。


再度目を開けた利奈。
その時、彼女は顔面偏差値ハーバード大主席の者と目が合った。

小さな和室。
そこに敷かれた布団に、利奈は寝かされていた。

「お、おぉ……。」
利奈が真ん丸に目を見開く。

「よ、良かった……。大丈夫?」
心配そうに天菜が言う。

「うん、ありがとう。」
よいしょっと起き上がる。

「だ、大丈夫?起きれる?」
天菜が彼女を支えようと、身体に触れる。

「もう、大袈裟だよー、大丈夫だって。」

「そっか。なら、皆待ってるし、行こっか。」

「うん。」

天菜に身体を支えられながら、利奈は歩き出した。
長い廊下を歩き、たどり着いたのは、昔ながらの大きな居間。
そこにはすでに何人かいた。
彼らは、天菜のように、利奈にとってはあまりよく分からない親戚の者達であった。

「おぉ、利奈ちゃん、大きくなったなー。」

「ほらほら、早くこっちに来なさい。」
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