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「なっ!?ず、ずるいです!私も欲しいです!かすみさんの食べかけ欲しいです!」
二人のやりとりを見ていたエルが声を荒らげる。
「ふふふ、ゆかりちゃんの後でね。」
良かった。
もしかしたら少し違うかもしれない。
しかし、少なくとも今のかすみにとって、二人は自分の知っている彼女達であった。
「やった!約束ですよ、かすみさん!」
ため息。
安堵するかすみであった。
時は進み、放課後。
かすみは妙に緊張していた。
二人との話し合い。
それをする時が来たのだ。
一体何を言われるのだろう?
ゆかりとエル。
そして、美咲。
彼女らの様子がおかしい原因が分かるはずだ。
自分のせいなのかもしれない。
無意識の内に、彼女らに負担をしいていたのかもしれない。
もしそうなら、どう謝罪すべきだろうか?
どう償うべきだろうか?
ぐるぐる。
ぐるぐる。
一人で考えているせいだろう。
かすみの脳内で悪い考えが渦を巻く。
「かすみさん?」
「……かすみちゃん?」
ハッとする。
気づくと、そこにはエルとゆかりがいた。
「あっ、ごめん、ボーッとしてた……。」
「……構わない。ぼんやりとたそがれるかすみちゃんも素敵だった。今晩はこの表情を思いながら一人で……。」
「だ、大丈夫です!本当に少しの間でしたよ!そうでしょう、ゆかりさん?」
ゆかりの発言の途中で割り込むエル。
その声は慌てていて大きい。
そして、今外を照らしている夕日よりも真っ赤な顔になっている。
「え?あっ、うん。」
いまいちわけが分からなかったが、エルのその圧に負けてそう言わざるを得ないかすみであった。
「……。」
かすみをジッと見るゆかり。
何かを言いたげだが、きっとまたエルに妨害されると分かっているのだろう。
何も言わない。
いつも通り。
表面上はそうだった。
取り繕うことが出来ていた。
しかし、それももう終わりだ。
「では行きましょうか。」
エルの言葉に空気が張り詰める。
いよいよだ。
この緊張感を終わらせることが出来るのか。
それとも、それ以上のものが待っているのか。
今からそれが分かる。
きっとゆかりには内容がすでに分かっているのだろう。
真剣な眼差しをしている。
彼女に着いていくかすみとゆかりであった。
「良かった、かすみを無事に連れて来るくらいならあんた達でも出来るみたいだね。」
開口一番がそれであった。
二人のやりとりを見ていたエルが声を荒らげる。
「ふふふ、ゆかりちゃんの後でね。」
良かった。
もしかしたら少し違うかもしれない。
しかし、少なくとも今のかすみにとって、二人は自分の知っている彼女達であった。
「やった!約束ですよ、かすみさん!」
ため息。
安堵するかすみであった。
時は進み、放課後。
かすみは妙に緊張していた。
二人との話し合い。
それをする時が来たのだ。
一体何を言われるのだろう?
ゆかりとエル。
そして、美咲。
彼女らの様子がおかしい原因が分かるはずだ。
自分のせいなのかもしれない。
無意識の内に、彼女らに負担をしいていたのかもしれない。
もしそうなら、どう謝罪すべきだろうか?
どう償うべきだろうか?
ぐるぐる。
ぐるぐる。
一人で考えているせいだろう。
かすみの脳内で悪い考えが渦を巻く。
「かすみさん?」
「……かすみちゃん?」
ハッとする。
気づくと、そこにはエルとゆかりがいた。
「あっ、ごめん、ボーッとしてた……。」
「……構わない。ぼんやりとたそがれるかすみちゃんも素敵だった。今晩はこの表情を思いながら一人で……。」
「だ、大丈夫です!本当に少しの間でしたよ!そうでしょう、ゆかりさん?」
ゆかりの発言の途中で割り込むエル。
その声は慌てていて大きい。
そして、今外を照らしている夕日よりも真っ赤な顔になっている。
「え?あっ、うん。」
いまいちわけが分からなかったが、エルのその圧に負けてそう言わざるを得ないかすみであった。
「……。」
かすみをジッと見るゆかり。
何かを言いたげだが、きっとまたエルに妨害されると分かっているのだろう。
何も言わない。
いつも通り。
表面上はそうだった。
取り繕うことが出来ていた。
しかし、それももう終わりだ。
「では行きましょうか。」
エルの言葉に空気が張り詰める。
いよいよだ。
この緊張感を終わらせることが出来るのか。
それとも、それ以上のものが待っているのか。
今からそれが分かる。
きっとゆかりには内容がすでに分かっているのだろう。
真剣な眼差しをしている。
彼女に着いていくかすみとゆかりであった。
「良かった、かすみを無事に連れて来るくらいならあんた達でも出来るみたいだね。」
開口一番がそれであった。
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