130 / 151
18
18ー5
しおりを挟む
「あっ、みさちゃんだ。」
通話してきたのは、美咲だった。
「……。」
「で、出て良いかな?」
きっと、駄目だと言われるだろう。
ダメ元で聞くかすみ。
「……。」
未だ無言。
しかし、先ほどと違い、微笑むゆかり。
これはきっと許可しているのだろう。
彼女の表情から、そう解釈するかすみ。
「も、もしもし……?」
「あっ、かすみ?ごめんね、急に。」
電話越しに聞こえる美咲の声。
周囲では人の話し声が聞こえる。
きっと出先なのだろう。
「大丈夫だよ、どうしたの?」
「えー?用がなかったら電話しちゃ駄目なの?」
ふふふ。
微笑みながら美咲が言う。
緊急の用事ではなかった。
しかし、どうやら何か話したいらしい。
「そんなことないよ、でも大丈夫なの?外にいるんじゃないの?」
ゆかりがかすみの背後へ回り、聞き耳を立てている。
そのことに、彼女は気づいていなかった。
「うん、ドラマの撮影中。でも私休憩もらったら大丈夫だよー。」
「へー、いつやる……っ!?い、いつ……その……ひっ!?」
再びかすみの首元を這うゆかりの舌。
「かすみ……?どうしたの?」
すぐに異変に気づいた美咲。
声のトーンが落ちる。
「な、なんでも……な、ないよ……。」
大嘘だ。
「……ふふふ。」
妖艶な笑みを浮かべるゆかり。
「止めて……!今電話してるでしょ……!」
小声で彼女へ指摘するかすみ。
しかし、それがかえって彼女のいたずら心に火を着けた。
「ねぇ、今どこにいるの?」
「え?えっと……ひゃっ……!?や、やめ……。」
「えっと?家じゃないの?どこなの?誰といるの?それに、なんでそんな声出してるの?それは私と二人きりの時にしか出しちゃ駄目な声だよね?」
「え、み、みさちゃん?どうしたの?」
通話の為、声しか聞こえない。
そして、いまいち理解できないことを言っている。
しかし、美咲が今不機嫌であることは分かった。
「どうもしない。良いから答えて。」
「い、今……。」
「……かすみちゃん、貸して。」
かすみの返答を聞く前に、奪い取る形で携帯電話を取るゆかり。
「なんであんたが私のかすみと一緒にいるの?」
「……ふふふ、今私達はお楽しみ中なの。邪魔しないで。早くドラマの撮影してきたら?」
そう言うと、ゆかりは何か声を張り上げている美咲を無視して通話を終了した。
通話してきたのは、美咲だった。
「……。」
「で、出て良いかな?」
きっと、駄目だと言われるだろう。
ダメ元で聞くかすみ。
「……。」
未だ無言。
しかし、先ほどと違い、微笑むゆかり。
これはきっと許可しているのだろう。
彼女の表情から、そう解釈するかすみ。
「も、もしもし……?」
「あっ、かすみ?ごめんね、急に。」
電話越しに聞こえる美咲の声。
周囲では人の話し声が聞こえる。
きっと出先なのだろう。
「大丈夫だよ、どうしたの?」
「えー?用がなかったら電話しちゃ駄目なの?」
ふふふ。
微笑みながら美咲が言う。
緊急の用事ではなかった。
しかし、どうやら何か話したいらしい。
「そんなことないよ、でも大丈夫なの?外にいるんじゃないの?」
ゆかりがかすみの背後へ回り、聞き耳を立てている。
そのことに、彼女は気づいていなかった。
「うん、ドラマの撮影中。でも私休憩もらったら大丈夫だよー。」
「へー、いつやる……っ!?い、いつ……その……ひっ!?」
再びかすみの首元を這うゆかりの舌。
「かすみ……?どうしたの?」
すぐに異変に気づいた美咲。
声のトーンが落ちる。
「な、なんでも……な、ないよ……。」
大嘘だ。
「……ふふふ。」
妖艶な笑みを浮かべるゆかり。
「止めて……!今電話してるでしょ……!」
小声で彼女へ指摘するかすみ。
しかし、それがかえって彼女のいたずら心に火を着けた。
「ねぇ、今どこにいるの?」
「え?えっと……ひゃっ……!?や、やめ……。」
「えっと?家じゃないの?どこなの?誰といるの?それに、なんでそんな声出してるの?それは私と二人きりの時にしか出しちゃ駄目な声だよね?」
「え、み、みさちゃん?どうしたの?」
通話の為、声しか聞こえない。
そして、いまいち理解できないことを言っている。
しかし、美咲が今不機嫌であることは分かった。
「どうもしない。良いから答えて。」
「い、今……。」
「……かすみちゃん、貸して。」
かすみの返答を聞く前に、奪い取る形で携帯電話を取るゆかり。
「なんであんたが私のかすみと一緒にいるの?」
「……ふふふ、今私達はお楽しみ中なの。邪魔しないで。早くドラマの撮影してきたら?」
そう言うと、ゆかりは何か声を張り上げている美咲を無視して通話を終了した。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
自転車センパイ雨キイロ
悠生ゆう
恋愛
創作百合。
学校へと向かうバスの中で、高校三年生の中根紫蒼はカナダに住むセンパイからのメッセージを受け取った。短い言葉で綴られるちぐはぐな交流は一年以上続いている。センパイと出会ったのは、紫蒼が一年生のときだった。
一年生の紫蒼は、雨の日のバスの中で偶然センパイと隣り合わせた。それから毎日少しずつ交流を積み重ねて、毎朝一緒に勉強をするようになった。クラスメートとの交流とは少し違う感覚に戸惑いながらも、紫蒼はセンパイと会うのを楽しみにするようになる。

一口分の毒りんご
null
恋愛
人は愛されてこそなんぼだ。
アイドルとして順風満帆な人生を送っていた花月林檎は、自分の容姿、雰囲気、振る舞い…それらから得られる全てを享受しながら生きてきた。
そんな花月にも理解できないモノがあった。
友人もいない、愛想も悪い、本ばかり読んでいて、そして、私にも興味がない人間、時津胡桃。
一人孤独に、自分の中だけで生きている時津とちょっとしたことで共に行動することになった花月は、段々と彼女の隣で居心地の良さを感じるようになっていくのだが…。

【完結まで毎日更新】籐球ミットラパープ
四国ユキ
青春
主人公・阿河彩夏(あがわあやか)は高校入学と同時にセパタクロー部から熱烈な勧誘を受ける。セパタクローとはマイナースポーツの一種で、端的に言うと腕を使わないバレーボールだ。
彩夏は見学に行った時には入部する気はさらさらなかったが、同級生で部員の千屋唯(せんやゆい)の傲慢で尊大な態度が気に食わず、売り言葉に買い言葉で入部してしまう。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
彼女は私のモノ
御厨カイト
恋愛
お昼前の授業も無事に終わり、私こと今村明梨(いまむらあかり)は食事や登下校などどんな場面でもずっと一緒に居る親友の真凛(まりん)と共に学食へ行こうとする。だが、教室を見渡しても真凛の姿が見当たらない。数分待っても戻ってこなかったため私は仕方なく1人で学食へと向かう事にした。すると、その向かう道の端で真凛が男子からラブレターを受け取っていて……

天を彩る
坂餅
恋愛
ある日、高校二年生の尾鳥彩羽は同級生の、なぜかこの女子校で一学年に一人いる超絶美人の生徒である篠原天理が、自分の下の名前で呼び、見つけると嬉しそうに微笑むのか理由が分からなかった。
二人の関わるようになった、先月の文化祭を思い出すが理由は分からなかった。
理由が分からないのなら本人に直接聞けばいいではないかと、翌日彩羽は天理に直接聞いてみることにした。
天理になぜかと理由を聞くが、天理は顔を赤くして逃げてしまい聞くことできない。
それと同時に彩羽は、なぜ自分がそれ程までに天理にこだわるのか、自分の本心を自覚してしまう。
放課後、ようやく天理を捕まえることができた彩羽は理由を聞く。
そしてその理由を聞き、天理と自分の抱く感情が同じことを知る。
しかしその感情を知らない天理、その答えを見つけるまで彩羽は天理のそばにい続けることを約束するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる