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そして、エルは彼女自身の過去を話し始めた。
あまり世界史が得意ではないかすみ。
しかし、そんな彼女ですら聞いたことのあるような人物が多く語られた。
中には教科書で抱く印象と全く違う者もいた。
エル曰く、時の権力者について書かれたものの大半は、彼らの指示で事実と異なることが足されるとのことだ。
きっと、彼女の言っていることは真実なのだろう。
そして、肝心の彼女自身のことだ。
その美貌に心奪われる者も少なくなかったとのことだ。
そして、この世の贅沢の限りを尽くしていた。
しかし、彼女は満たされることはなく、そんな彼女を満足させようと、彼らは血眼になったと言う。
その結果、国が傾き崩壊したということも少なくなかったそうだ。
「と、取り合えずはここまでですかね……。」
エルが気まずそうに目を逸らし、言う。
先ほどまで青かった空が、いつの間にかオレンジになっている。
それほど長く語っていたということど。
しかし、かすみには不思議と疲労感はなかった。
きっと夢中になり、聞いていたせいだろう。
「す、凄いね……なんというか……凄いね……。」
唖然とし、素直な感想を漏らすかすみ。
「お恥ずかしい……若気の至りというやつです……。」
「こ、小悪魔系?ってやつかな?手玉に取る……?で表現あってるのかな?そんな感じだったんだね。」
どれもこれも、かすみが使ったことのない単語だ。
果たして使い方が正しいのか分からずに途中途中で疑問系になっている。
「け、決してそんな悪女ではありません!」
「おう!?」
その大声に驚くかすみ。
「私は頼んでなどいません!皆さんが自主的に色々なものをくれただけです!」
「……。」
なるほど。
彼女を見る。
何も言わなくとも異性から貢がれるような者がいる。
そんな都市伝説のようなものがいると、テレビで見たことがある。
つまりは彼女のような存在のことを指すのだろう。
「か、かすみさん……?」
「あっ、いや……そ、そっかぁ……。」
「ま、待って下さい!嫌っ!そんな生暖かい目で見ないで下さい!」
「あはは……。」
「止めて!止めて下さい!」
かすみへ向けた、そんなエルの悲痛な叫びは部屋中に響き渡った。
「お、落ち着いた……?」
「はい……。見苦しいところをお見せしました……。」
明らかに元気がなくなっているエル。
力なく首がダランと垂れていた。
あまり世界史が得意ではないかすみ。
しかし、そんな彼女ですら聞いたことのあるような人物が多く語られた。
中には教科書で抱く印象と全く違う者もいた。
エル曰く、時の権力者について書かれたものの大半は、彼らの指示で事実と異なることが足されるとのことだ。
きっと、彼女の言っていることは真実なのだろう。
そして、肝心の彼女自身のことだ。
その美貌に心奪われる者も少なくなかったとのことだ。
そして、この世の贅沢の限りを尽くしていた。
しかし、彼女は満たされることはなく、そんな彼女を満足させようと、彼らは血眼になったと言う。
その結果、国が傾き崩壊したということも少なくなかったそうだ。
「と、取り合えずはここまでですかね……。」
エルが気まずそうに目を逸らし、言う。
先ほどまで青かった空が、いつの間にかオレンジになっている。
それほど長く語っていたということど。
しかし、かすみには不思議と疲労感はなかった。
きっと夢中になり、聞いていたせいだろう。
「す、凄いね……なんというか……凄いね……。」
唖然とし、素直な感想を漏らすかすみ。
「お恥ずかしい……若気の至りというやつです……。」
「こ、小悪魔系?ってやつかな?手玉に取る……?で表現あってるのかな?そんな感じだったんだね。」
どれもこれも、かすみが使ったことのない単語だ。
果たして使い方が正しいのか分からずに途中途中で疑問系になっている。
「け、決してそんな悪女ではありません!」
「おう!?」
その大声に驚くかすみ。
「私は頼んでなどいません!皆さんが自主的に色々なものをくれただけです!」
「……。」
なるほど。
彼女を見る。
何も言わなくとも異性から貢がれるような者がいる。
そんな都市伝説のようなものがいると、テレビで見たことがある。
つまりは彼女のような存在のことを指すのだろう。
「か、かすみさん……?」
「あっ、いや……そ、そっかぁ……。」
「ま、待って下さい!嫌っ!そんな生暖かい目で見ないで下さい!」
「あはは……。」
「止めて!止めて下さい!」
かすみへ向けた、そんなエルの悲痛な叫びは部屋中に響き渡った。
「お、落ち着いた……?」
「はい……。見苦しいところをお見せしました……。」
明らかに元気がなくなっているエル。
力なく首がダランと垂れていた。
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