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人間の汚さと呼ぶべきか。
それとも、本質と言うべきか。
その光景を間近で見ていた彼女ら。
何度も繰り広げられるそれらに、辟易していた。
そして、その結果、彼らとの交流を極力避けていった。
人間に心を許してはいけない。
友情や、血縁関係のあるものでも意図も簡単に争いを引き起こす。
そんな生き物だ。
それが、彼女らの導き出した結論であった。
「……と、まぁざっくりだけど私達の過去はこんな感じ……。それぞれ住んでいたところが違うから、色々あったんだけどそこは今回は省略させてもらった。」
「うん、ありがとう。」
人に歴史ありとは良く言ったものだ。
彼女らのことを全く知らなかった。
表面上の、極々一部しか理解していなかった。
かすみはそれを痛感した。
「少し、休憩しますか?色々とあって疲れたでしょう?」
かすみへ向けられたエルの言葉。
「大丈夫だよ、それよりもっと聞きたい。皆のこと、もっと知りたいよ。」
そうだ。
せっかく話してくれると言っているのだ。
早く聞きたい。
もっと知りたい。
「あぁ、かすみ……私のかすみ……。私に興味を持ってくれて凄く嬉しいけど、そいつの言うこと聞いた方が良いと思う。」
頬を染め、その幸せを噛み締めるかのように目を瞑る美咲。
そんな彼女がかすみへ言う。
「え?じゃ、じゃあそうしよっかな……。」
「……うん、それが良い。」
そんな流れで休憩をとることとなった。
しかし、そこからが彼女らの本番であった。
なぜこんな暗い過去の話をしだしたのか。
もちろん、かすみに知ってもらいたいという気持ちもあった。
しかし、彼女らにはそれ以上の打算があった。
「……時に、かすみちゃん?」
切り出したのは、ゆかりであった。
「うん?」
「……ただのんびりと休憩してるのも悪くないけど、暇じゃない?」
来た。
ついに来た。
エルと美咲。
二人が唾を飲む。
頼む、乗ってくれ。
そう願っていた。
期待と不安。
ドキドキと、ゆかりを含めた三人の心臓が高鳴る。
「うーん、まぁ、暇……かなぁ?」
「……よしっ!ありがとう、かすみちゃん。」
「ナイスですっ!流石かすみさんです!」
「よし!やっぱり私のかすみ、信じてた!大好き!」
「え、え?」
彼女らの喜び様に困惑するかすみ。
「……なら一つ、ゲームしない?」
「ゲーム?テレビゲームはうちにないよ?」
それとも、本質と言うべきか。
その光景を間近で見ていた彼女ら。
何度も繰り広げられるそれらに、辟易していた。
そして、その結果、彼らとの交流を極力避けていった。
人間に心を許してはいけない。
友情や、血縁関係のあるものでも意図も簡単に争いを引き起こす。
そんな生き物だ。
それが、彼女らの導き出した結論であった。
「……と、まぁざっくりだけど私達の過去はこんな感じ……。それぞれ住んでいたところが違うから、色々あったんだけどそこは今回は省略させてもらった。」
「うん、ありがとう。」
人に歴史ありとは良く言ったものだ。
彼女らのことを全く知らなかった。
表面上の、極々一部しか理解していなかった。
かすみはそれを痛感した。
「少し、休憩しますか?色々とあって疲れたでしょう?」
かすみへ向けられたエルの言葉。
「大丈夫だよ、それよりもっと聞きたい。皆のこと、もっと知りたいよ。」
そうだ。
せっかく話してくれると言っているのだ。
早く聞きたい。
もっと知りたい。
「あぁ、かすみ……私のかすみ……。私に興味を持ってくれて凄く嬉しいけど、そいつの言うこと聞いた方が良いと思う。」
頬を染め、その幸せを噛み締めるかのように目を瞑る美咲。
そんな彼女がかすみへ言う。
「え?じゃ、じゃあそうしよっかな……。」
「……うん、それが良い。」
そんな流れで休憩をとることとなった。
しかし、そこからが彼女らの本番であった。
なぜこんな暗い過去の話をしだしたのか。
もちろん、かすみに知ってもらいたいという気持ちもあった。
しかし、彼女らにはそれ以上の打算があった。
「……時に、かすみちゃん?」
切り出したのは、ゆかりであった。
「うん?」
「……ただのんびりと休憩してるのも悪くないけど、暇じゃない?」
来た。
ついに来た。
エルと美咲。
二人が唾を飲む。
頼む、乗ってくれ。
そう願っていた。
期待と不安。
ドキドキと、ゆかりを含めた三人の心臓が高鳴る。
「うーん、まぁ、暇……かなぁ?」
「……よしっ!ありがとう、かすみちゃん。」
「ナイスですっ!流石かすみさんです!」
「よし!やっぱり私のかすみ、信じてた!大好き!」
「え、え?」
彼女らの喜び様に困惑するかすみ。
「……なら一つ、ゲームしない?」
「ゲーム?テレビゲームはうちにないよ?」
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