108 / 151
15
15ー4
しおりを挟む
「ふ、二人とも落ち着いて……。ね?ゆかりちゃん恐がってるから……。落ち着いて話し合おうよ……?」
オロオロ……。
事態を上手く飲み込めない。
しかし、ゆかりに助けを求められ、なんとか彼女を助けようとするかすみ。
「ぐっ、ぐぬぬ……。」
「かすみ……なんでそんな奴を庇って……。」
「と、とにかくほら、宿題やろう?早いうちに終わらせて遊ぼうよ、ね?」
かすみのその言葉に賛同する三人であった。
一つの机を三人が囲み、宿題に取り組む。
残った美咲は手持無沙汰となってしまっている為、かすみのベッドに横になり、天井を見ていた。
そんな彼女は、心なしか深い呼吸をしていた。
「私、今日いる意味ある?」
不意に発せられた美咲の声。
「そうですね、ありません。ですのでお引き取り頂けますか?」
「……帰って良いよ。」
「ご、ごめんね、暇だよね……。」
何とも辛辣なエルとゆかり。
一方かすみは彼女を気にしているようだ。
「元はと言えば、私達が今日宿題をする為に集まろうとしてたところに強引に入り込んだのはあなたでしょう?」
「……ふてぶてしい。」
「ぐっ、こんな奴ら普段ならすぐに潰せるのに……かすみの枕の魔力が……。」
美咲はわざとらしくかすみの枕を自身の胸元に持っていくと、そのまま抱き締めた。
「なっ!?それはいくらなんでもずる過ぎます!」
「……抗議する……!それは許されない行為……!断罪されるべき……!」
「ほれほれ、とっとと夏休みの課題やりなよー。」
形勢逆転。
優位になり、調子に乗る美咲。
にやにやとにやけながら、二人を煽っている。
「くっ、終わったら覚えておきなさいよ……!」
「……腹立たしい。私、こいつ嫌い……!」
ぶつぶつ……。
文句を言いつつも、二人は言われた通り課題をするのであった。
一時間ほど経過した。
そろそろ集中力も切れ、他事をしてしまう時間帯だ。
「……もう駄目。休憩しよう……。」
最初に音を上げたのはゆかりであった。
「そうですね、私も同意見です。」
「ならお菓子でも持ってくるね。」
立ち上がるかすみ。
どうやら三人とも休憩で良いようだ。
「なら私も行くよ。」
彼女の動作に反応し、着いていこうとする美咲。
「なっ!?」
「……え?」
どうするべきか。
突如選択を迫られるエルとゆかり。
オロオロ……。
事態を上手く飲み込めない。
しかし、ゆかりに助けを求められ、なんとか彼女を助けようとするかすみ。
「ぐっ、ぐぬぬ……。」
「かすみ……なんでそんな奴を庇って……。」
「と、とにかくほら、宿題やろう?早いうちに終わらせて遊ぼうよ、ね?」
かすみのその言葉に賛同する三人であった。
一つの机を三人が囲み、宿題に取り組む。
残った美咲は手持無沙汰となってしまっている為、かすみのベッドに横になり、天井を見ていた。
そんな彼女は、心なしか深い呼吸をしていた。
「私、今日いる意味ある?」
不意に発せられた美咲の声。
「そうですね、ありません。ですのでお引き取り頂けますか?」
「……帰って良いよ。」
「ご、ごめんね、暇だよね……。」
何とも辛辣なエルとゆかり。
一方かすみは彼女を気にしているようだ。
「元はと言えば、私達が今日宿題をする為に集まろうとしてたところに強引に入り込んだのはあなたでしょう?」
「……ふてぶてしい。」
「ぐっ、こんな奴ら普段ならすぐに潰せるのに……かすみの枕の魔力が……。」
美咲はわざとらしくかすみの枕を自身の胸元に持っていくと、そのまま抱き締めた。
「なっ!?それはいくらなんでもずる過ぎます!」
「……抗議する……!それは許されない行為……!断罪されるべき……!」
「ほれほれ、とっとと夏休みの課題やりなよー。」
形勢逆転。
優位になり、調子に乗る美咲。
にやにやとにやけながら、二人を煽っている。
「くっ、終わったら覚えておきなさいよ……!」
「……腹立たしい。私、こいつ嫌い……!」
ぶつぶつ……。
文句を言いつつも、二人は言われた通り課題をするのであった。
一時間ほど経過した。
そろそろ集中力も切れ、他事をしてしまう時間帯だ。
「……もう駄目。休憩しよう……。」
最初に音を上げたのはゆかりであった。
「そうですね、私も同意見です。」
「ならお菓子でも持ってくるね。」
立ち上がるかすみ。
どうやら三人とも休憩で良いようだ。
「なら私も行くよ。」
彼女の動作に反応し、着いていこうとする美咲。
「なっ!?」
「……え?」
どうするべきか。
突如選択を迫られるエルとゆかり。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
一口分の毒りんご
null
恋愛
人は愛されてこそなんぼだ。
アイドルとして順風満帆な人生を送っていた花月林檎は、自分の容姿、雰囲気、振る舞い…それらから得られる全てを享受しながら生きてきた。
そんな花月にも理解できないモノがあった。
友人もいない、愛想も悪い、本ばかり読んでいて、そして、私にも興味がない人間、時津胡桃。
一人孤独に、自分の中だけで生きている時津とちょっとしたことで共に行動することになった花月は、段々と彼女の隣で居心地の良さを感じるようになっていくのだが…。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
さよなら、ダークヒーロー
null
恋愛
--自分を形作った、ダークヒーローを卒業する。
女性ながらも、自分のことを『僕』と呼ぶ、高校一年生の夕凪晶。
彼女は、友だちや恋人をつくるといった人並みの青春を謳歌するため、
内気な自分を変えてくれた存在でもある『ダークヒーロー』を卒業すると決めた。
拒絶的な言葉遣いや皮肉を抑え、たいした理由もなく遠ざけていた同級生とも距離を縮めるために努力した。
しかし、思うような成果はなく、晶はクラスで孤立したままであった。
そんなとき、晶は自分と同じようにクラスから浮いている同級生、北宿雪姫とひょんなことから親交を深めていくことになる。
彼女の歯に衣着せぬ物言いに辟易としつつも、自分がかつて憧れた存在、ダークヒーローと同じ強さを持つ雪姫に晶は心を惹かれていく。
相変わらず、友だちもできなければ、恋人もできない時間が続いたが、晶は雪姫との日々にある種の充足感を得て過ごしていた。
だが、ある日、晶のことを好きだと言う同級生が…しかも、女子が現れて…晶と雪姫の関係は変わり始めてしまう。
タイツによる絶対領域
御厨カイト
恋愛
お昼前の授業も終わり昼休みになると、いつも私は彼女である澪と一緒に屋上でのんびり話をしながら過ごしていた。今日も私の膝の間に座り、嬉しそうに体を左右に揺らす澪とまったりと雑談をしていたのだが、その話の流れで澪の足を触る事に。しかし、そこで澪は足が弱いことが発覚し……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる