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「あはは、ごめん、ごめん。ちょっと意地悪しちゃったよ。気にしないで。」
あはは。
そう言いながら苦笑いするさくら。

「そ、そっか……。」
かすみが、彼女につられて苦笑いする。


時が進む。
昼休みとなった。

かすみは当然、エルやゆかりと過ごすことはなかった。
さくらとともに昼食を食べていた。

「でも、まさかこんな日が来るとは思わなかったなー。」
ニシシ。
嬉しそうに笑うさくら。

「うん?」
どういうことだろう?
さくらの言葉に疑問の声を出すかすみ。

「だって、いつもはあの二人のところに行っちゃうし、かすみとお昼ご飯食べる日が来るなんて思わないじゃん。」

「ご、ごめんね。」
恐らく責められているわけではないのだろう。
しかし、謝罪してしまうかすみであった。

「あぁ、ごめん、ごめん。別に責めてるわけじゃないんだ。」
彼女に誤解をさせてしまったようだ。
そう思い、苦笑いするさくら。

「そ、そっか、そうだよね……あはは……。」
ぎこちない。
つられて苦笑いしてしまうかすみであった。

以前なら、そんなことはなかった。
それなのに、両者どこか変な気を使ってしまっている。
その為、妙な距離感が生まれてしまっている。

この状況を打開する為にはどうすれば良いのか。
答えは分かっている。
しかし、行動に移すことを躊躇ってしまうかすみ。

その方法は、極めて単純なものだ。
エルとゆかり。
彼女らと話し合いをし、このもやもやを晴らせば良いのだ。
しかし、その実単純であり、一番難しい。

「まぁ、さ……。」
さくらが口を開く。

「……?」

「言いたくないなら、詮索しないけどさ。」

「うん。」

「別にいっぱい悩んでも、落ち込んでも良いんじゃない?」

「え?」

「そりゃあ、今は辛いかもしれないけど、いつか役に立つかもしれないし……。」

「さくら……。」

「な、なんちゃってー!中学の時の先生の受け売りでしたー!べろべろばー!」
誤魔化すように戯けるさくら。
それが、彼女なりの励ましなのだろう。

「ふふふ、そっか。」
ありがとう。
小恥ずかしくて言えない。
しかし、心の中で彼女に感謝するかすみであった。


時が進む。
放課後。
あまり集中して授業を受けることが出来なかったかすみ。

理由は至極単純なものだ。
さくらの言った通り、悩んだし、落ち込んだ。
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