81 / 151
11
11ー6
しおりを挟む
そうだ。
その為に今日は訪れたのであったのだ。
決して自身の欲を満たす為などではない。
「そう、それだよ。それを話そうとしてたの。えっと、今さっき、どんな感じだった?」
「どんな……?う、うーん、なんだかふわふわして……心地良くて……。」
漠然とした説明になってしまうかすみ。
無理もない。
この感覚は、感じた本人にも説明し難いものなのだ。
「そう、それで、私の声は届いてた?」
「うん。なんか、どんな無理なことでも従おうって思ちゃった……。」
なるほど。
どんな無理な願いでも聞いてくれるのか。
ごくり。
彼女がしたことだから、知っていたことであった。
しかし、いざ彼女に言語化されると、興奮を隠せない美咲であった。
「そう、それなの。それ、私がやったことなの。」
「え?」
要領を得ないかすみ。
説明不足だ。
言葉を発してからそう思った美咲。
「あの二人……違う、正確には私達は、一定の好感を持ってる人物を洗脳出来るの。」
今度はより詳細に説明する。
「え?え?え?」
混乱するかすみ。
美咲が言っていることの意味が全く理解出来なかった。
「落ち着いて聞いて。……お願い、私もこれを話すの、凄い勇気がいることだから……。」
美咲の声が震えている。
かすみに嫌われるかもしれない。
彼女が感じているその恐怖。
それは嘘ではないようだ。
彼女にもそれは分かった。
「う、うん。分かった。教えて、みさちゃんの……いや、皆のこと。」
もう逃げては駄目だ。
決心したかすみ。
「私達……吸血鬼なの……。」
「え?」
いよいよ、この違和感の正体が分かる。
そんな期待をしていたかすみ。
その発言は、そんな彼女の出鼻を挫くものであった。
その為に今日は訪れたのであったのだ。
決して自身の欲を満たす為などではない。
「そう、それだよ。それを話そうとしてたの。えっと、今さっき、どんな感じだった?」
「どんな……?う、うーん、なんだかふわふわして……心地良くて……。」
漠然とした説明になってしまうかすみ。
無理もない。
この感覚は、感じた本人にも説明し難いものなのだ。
「そう、それで、私の声は届いてた?」
「うん。なんか、どんな無理なことでも従おうって思ちゃった……。」
なるほど。
どんな無理な願いでも聞いてくれるのか。
ごくり。
彼女がしたことだから、知っていたことであった。
しかし、いざ彼女に言語化されると、興奮を隠せない美咲であった。
「そう、それなの。それ、私がやったことなの。」
「え?」
要領を得ないかすみ。
説明不足だ。
言葉を発してからそう思った美咲。
「あの二人……違う、正確には私達は、一定の好感を持ってる人物を洗脳出来るの。」
今度はより詳細に説明する。
「え?え?え?」
混乱するかすみ。
美咲が言っていることの意味が全く理解出来なかった。
「落ち着いて聞いて。……お願い、私もこれを話すの、凄い勇気がいることだから……。」
美咲の声が震えている。
かすみに嫌われるかもしれない。
彼女が感じているその恐怖。
それは嘘ではないようだ。
彼女にもそれは分かった。
「う、うん。分かった。教えて、みさちゃんの……いや、皆のこと。」
もう逃げては駄目だ。
決心したかすみ。
「私達……吸血鬼なの……。」
「え?」
いよいよ、この違和感の正体が分かる。
そんな期待をしていたかすみ。
その発言は、そんな彼女の出鼻を挫くものであった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
妊娠したのね・・・子供を身篭った私だけど複雑な気持ちに包まれる理由は愛する夫に女の影が見えるから
白崎アイド
大衆娯楽
急に吐き気に包まれた私。
まさかと思い、薬局で妊娠検査薬を買ってきて、自宅のトイレで検査したところ、妊娠していることがわかった。
でも、どこか心から喜べない私・・・ああ、どうしましょう。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
【完結】殿下、私ではなく妹を選ぶなんて……しかしながら、悲しいことにバットエンドを迎えたようです。
みかみかん
恋愛
アウス殿下に婚約破棄を宣言された。アルマーニ・カレン。
そして、殿下が婚約者として選んだのは妹のアルマーニ・ハルカだった。
婚約破棄をされて、ショックを受けるカレンだったが、それ以上にショックな事実が発覚してしまう。
アウス殿下とハルカが国の掟に背いてしまったのだ。
追記:メインストーリー、只今、完結しました。その後のアフターストーリーも、もしかしたら投稿するかもしれません。その際は、またお会いできましたら光栄です(^^)
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
家に帰ると夫が不倫していたので、両家の家族を呼んで大復讐をしたいと思います。
春木ハル
恋愛
私は夫と共働きで生活している人間なのですが、出張から帰ると夫が不倫の痕跡を残したまま寝ていました。
それに腹が立った私は法律で定められている罰なんかじゃ物足りず、自分自身でも復讐をすることにしました。その結果、思っていた通りの修羅場に…。その時のお話を聞いてください。
にちゃんねる風創作小説をお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる