あなたにかざすてのひらを

あさまる

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8ー11

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一枚、一枚。
一冊、一冊。
それら全てを確認していく。

違う。
いない。
これも違う。
こちらにもいない。


そこから先のことは、彼女自身あまりよく覚えていない。
脱け殻のような身体をなんとか動かしたが、食事など喉を通るわけでもない。
心配する両親に、無理に笑って見せたようだ。


ベッドに横になるが、当然寝れるわけがない。
このおかしな現象の正体はなんなのだ?

どうすれば解決する?
理解出来る?
分からない。
ただ同じことの堂々めぐり。


そうして朝がやってきた。
そうすれば、当然彼女らがやって来る。


「おはようございます、かすみさん。」

「……おはよう、かすみちゃん。」

幼馴染と名乗る二人の少女だ。


「お、おはよう、二人とも。」


彼女らは何者なのだ?
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