あなたにかざすてのひらを

あさまる

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「今日体育あったよね……。朝から萎えるわー……。」
自然にため息が漏れるかすみ。

「え?かすみ、体育嫌いだったっけ?」

「え?そうだけど……。」
何を当たり前なことを聞いているのだろう。
そんなことを思うかすみ。

「あ、あれ?そうだったっけ?」
腑に落ちない。
そんな様子のさくら。

どうしたのだろう?
そう思いつつも、これ以上言及する必要もないだろうとも思うかすみであった。

そんな些末なことよりも、かすみには思うことがあった。
「早くお昼にならないかな……。」
ぽつり。
思考が漏れ出る。

「うん?何か言った?」

「あぁ、うん。早くお昼にならないかなって……。」

「なんで?」

「だって早くまたエルちゃんとゆかりちゃんに会いたいし……。」

「え?あれ?」
困惑を隠せないさくら。

「もー!さっきからどうしたの?」

「いや、それはこっちのセリフなんだけど……。」

「え?どういうこと?」

「いや……エル様とゆかりんこといると疲れるって言ってなかったっけ?」

「え?そ、そうだっけ?」
そんなもの、一切記憶にない。

「う、うーん……なら良いけど……。」
やはり腑に落ちない様子のさくら。
しかし、彼女もまた、それ以上言及しようとは思わなかった。


「早く二人に会いたいな……。」
窓の外。
曇りない青空を見ながら再びそう呟くかすみであった。
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