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「あれ?今日は二人、一緒に来たんだね?」

「はい。」

「……かすみちゃんを困らせたくないからね。」


帰宅する。
相変わらず二人に挟まれるかすみ。


一つ、いつもと違うことがあった。
いつもかすみを挟んで喧嘩をする二人。
その彼女らが、一切喧嘩をしていないのだ。

「今日、二人喧嘩しないね。」

「えぇ、そうですね。」

「……うん、そうだね。」

そう言えば、きっかけは何なんだろう。
気づけばいつも喧嘩ばかりの二人。
そんな彼女らと自分はなぜこの日まで一緒にいれたのだろう?

「かすみさんは……。」

「え、え?」
思考の渦。
ぐるぐると考え事をしていたかすみ。
彼女は、エルの言葉にハッとした。

「かすみさんは、やはり私達が喧嘩しない方が良いですか?」

そんなもの、言うまでもない。
「そりゃあ嬉しいよ、当たり前だよ。三人仲が良いのが一番じゃん。二人はそう思わないの?」

「それは……そうですね。」

「……うん。かすみちゃんがそう言うならそれが正しい。」

二人の言葉。
恐らくエルは理解してくれた。
しかし、ゆかりはどうかは分からない。

そう言えば、この三人はどこで知り合ったんだ?
いつから仲が良くなったのだ?
思い出せない。
彼女らに聞いてみようか。

「あの……。」

「……ところで。」
ゆかりは、かすみの言葉に被せてしまった。

「あっ、ごめん。なに?」

「……私の些末なことはいつでも良いよ。かすみちゃんの方を優先して?」

「いや、ゆかりちゃんの方を先に教えて?」

このままでは堂々回りになってしまう。
どちらかが折れなければならない。


「分かった。なら言うね。……私達って幼馴染なんだよね?」

「……うん?うん、そうだよ。」

「そうですよ。それは揺るがない事実です。」
エルが二人の会話に割って入る。

デジャヴだろうか。
状況は違うのかもしれない。
しかし、この景色に見覚えのあるかすみ。
違和感がありながらも、かすみは会話を続けた。

「……えっと、いつからだったか覚えてる?」

「……え?」

「はい?」

ピタッ。
空気が凍った。

余計なことを言ってしまったのだろうか?
緊張するかすみ。

「あ、あの……二人とも?ど、どうしたの?」

「かすみさん?」

「は、はい。何でしょう?」
エルの声に反応する。
思わず、エルのような口調になる。
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