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「はぁ、残念です……。」
心底残念そうな様子のエル。

「……うん。いつもの声も気持ち良いけど、脳に電気当てられたみたいだった。」
うっとりするゆかり。

「誘ってるのかと思いました……。」

「……分かる。あんな刺激は久しぶりだった……。前のは……いつだっけ。まぁ良いや。」

二人の視線。
それは、その場を逃げるように走っているかすみの後ろ姿を捉えていた。

「さて……。では私達も教室に戻りましょうか。」

「……そうだね。このまま二人きりだとまた喧嘩しちゃう。」

「えぇ。そうなれば、かすみさんにご迷惑をかけてしまいますからね……。」

「……そうだね。後、今さらだけど、夏休みに向けてダイエットするのであれば、今からだとちょっと遅いと思うんだけど、言っておいた方が良いかな?」

「いえ、夏休みに間に合わずにしょんぼりするかすみさんを想像したら可愛過ぎたので、是非ともその姿を現実にしましょう。」

「……エル、よく天才って言われない?」

「ふふふ、恐縮です。」

片付けをすると、二人も教室に戻ることにした。


かすみの教室。
そこに、かすみがたどり着いた頃。
さくらは席に座り、まだ友人らと昼食を食べていた。

「さくらー。」
背後からさくらの肩を掴み、マッサージするように揉むかすみ。

「うん?なに?」
隙を突かれ、一瞬身構えたが、すぐに受け入れたさくら。
のんびりと言った。

「おー、かすみじゃん。今度エル様の写真撮ってきてね。」

「かすみ、お帰り。私はゆかりんこの写真でお願い。」

さくらの周りで共に食事をしている者達がかすみに好き勝手言う。

「ま、まぁ、そのうちね。」
苦笑い。

エルとゆかり。
校内で一位二位を争う人気者の二人。
そんな彼女らと仲が良いかすみ。
こんなことは日常茶飯時だ。

「それでどうしたん?」
さくらが言う。

「うん、実はお腹がぷに丸侍なんだけどどうしようこれ……。財布の中身はひもじいのにお腹は裕福になってる気がして……。」

「どれどれ……?触らしてみ?」

「これ。」
マッサージを止め、さくらの横に立つ。

つんつん。
かすみの横腹を突っつくさくら。
その動作に一切の躊躇はなかった。

「……う、うーん。」
言い辛そうなさくら。

これはどういう意味だろう。
「ど、どうかな?……忖度なしな率直な意見がほしいんだけど……。」

「う、うん、分かった。」
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