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その妖艶な姿。
同性でありながらつい目を逸らしてしまうかすみ。
ドクンドクン。
心臓が高鳴る。
「……はぁ……この瞬間の為に生きています……。」
未成年とは思えない色気を感じる声のエル。
「……あんたの飲みかけなんて汚いからいらない。でも、かすみちゃんがもう一回飲んでくれるなら飲む。」
ピシッ……。
胃が痛い。
その衝撃的なゆかりの言葉に身体の調子が悪くなるかすみ。
「ふふふ、私最近耳の調子が悪いみたいです。ゆかりさんの言ってる言葉が聞こえなかったです。」
大人っぽい見た目のエル。
その容姿と同じように落ち着いた雰囲気であり、滅多なことでは怒らない。
しかし、今回は様子がおかしかった。
「そ、そっか。き、奇偶だね。わたっ、私も聞こえなかったなー……。と、ところで昨日さ、私……。」
これは嫌な予感がする。
そう思ったかすみ。
すぐさま話題を逸らそうとする。
「……そこの金髪は年齢のせいだね。かすみちゃん、大丈夫?今日学校休む?私、心配だよ。今からでも帰る?」
かすみの声に被せるゆかり。
「あ、あの……二人ともっ!」
「はぁ、口が悪い自分が格好良いと思っている年頃なんでしょうね、可哀相……いえ、可愛いですね。」
珍しくかすみの声が届いていない様子のエル。
「ちょ、二人とも……。」
もう一度、かすみが声を出す。
しかし、二人の耳に届くことはなかった。
こうなってはもうかすみには止められない。
そうなれば、彼女が選ぶ選択肢は一つ。
「もう知らない。私先に行くからね。」
二人を置いていくと宣言。
かすみは、本当にそのまま歩く速度を上げた。
それはもはや、走っているに近いだろう。
そうして、二人を置いていってしまうのであった。
走れば余裕で間に合うだろう。
普通ならそうだ。
そして、そうするだろう。
しかし、二人には、それを選ぶことが出来なかった。
刺すような太陽の日差し。
万が一、日傘から自身の身体の一部が出ようものなら悲鳴を上げるほどの痛みを感じるのだ。
「……ま、待って!ごめん、かすみちゃん!お願い、行かないで!」
「そうです!待って下さい、かすみさん!謝りますから!すみません、もう喧嘩はしませんから!」
二人のその悲痛な声に、立ち止まりそうになるかすみ。
しかし、甘やかしてはいけない。
そう思い、そのまま通学路を進んでいくのであった。
同性でありながらつい目を逸らしてしまうかすみ。
ドクンドクン。
心臓が高鳴る。
「……はぁ……この瞬間の為に生きています……。」
未成年とは思えない色気を感じる声のエル。
「……あんたの飲みかけなんて汚いからいらない。でも、かすみちゃんがもう一回飲んでくれるなら飲む。」
ピシッ……。
胃が痛い。
その衝撃的なゆかりの言葉に身体の調子が悪くなるかすみ。
「ふふふ、私最近耳の調子が悪いみたいです。ゆかりさんの言ってる言葉が聞こえなかったです。」
大人っぽい見た目のエル。
その容姿と同じように落ち着いた雰囲気であり、滅多なことでは怒らない。
しかし、今回は様子がおかしかった。
「そ、そっか。き、奇偶だね。わたっ、私も聞こえなかったなー……。と、ところで昨日さ、私……。」
これは嫌な予感がする。
そう思ったかすみ。
すぐさま話題を逸らそうとする。
「……そこの金髪は年齢のせいだね。かすみちゃん、大丈夫?今日学校休む?私、心配だよ。今からでも帰る?」
かすみの声に被せるゆかり。
「あ、あの……二人ともっ!」
「はぁ、口が悪い自分が格好良いと思っている年頃なんでしょうね、可哀相……いえ、可愛いですね。」
珍しくかすみの声が届いていない様子のエル。
「ちょ、二人とも……。」
もう一度、かすみが声を出す。
しかし、二人の耳に届くことはなかった。
こうなってはもうかすみには止められない。
そうなれば、彼女が選ぶ選択肢は一つ。
「もう知らない。私先に行くからね。」
二人を置いていくと宣言。
かすみは、本当にそのまま歩く速度を上げた。
それはもはや、走っているに近いだろう。
そうして、二人を置いていってしまうのであった。
走れば余裕で間に合うだろう。
普通ならそうだ。
そして、そうするだろう。
しかし、二人には、それを選ぶことが出来なかった。
刺すような太陽の日差し。
万が一、日傘から自身の身体の一部が出ようものなら悲鳴を上げるほどの痛みを感じるのだ。
「……ま、待って!ごめん、かすみちゃん!お願い、行かないで!」
「そうです!待って下さい、かすみさん!謝りますから!すみません、もう喧嘩はしませんから!」
二人のその悲痛な声に、立ち止まりそうになるかすみ。
しかし、甘やかしてはいけない。
そう思い、そのまま通学路を進んでいくのであった。
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