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「……。」
むすっとするゆかり。
不貞腐れているのは明らかであった。
その場の空気。
それがエルに味方するものとなってしまっていた。
少しエルに肩入れし過ぎたかもしれない。
フォローする必要がある。
かすみは、機嫌の悪そうなゆかりを見て、そう思うのであった。
「ごめんね、言い過ぎたかも。」
ゆかりの頭を撫でるかすみ。
ゆかりのむすっとしていた顔。
それが、徐々に真顔になっていき、やがて微笑みに変わった。
「……苦しゅうない。」
機嫌が良いのだろう。
彼女にもし、尻尾があったとしたら、声とは真逆に元気良くブンブンと振っていただろう。
「そっか、良かったよ。」
「……もう少し撫でていたかったら、もうちょっとやってても良いよ?私もかすみちゃんの手の感触を味わうことが出来るし、かすみちゃんも私の頭の感触を楽しめるし……うぃんうぃんだね。」
「そ、そっかぁ……Win-Winかぁ……。ゆかりちゃんは難しい言葉を知ってるね。」
「……えへへ、ナウい若者だからね。」
「さ、さぁ!そうと決まったら一口下さい!」
ずいっ。
二人の間に割って入るエル。
決して何も決まってない。
了承した覚えはない。
いつもどちらかに強引に話を進められてしまう。
内心苦笑いするかすみであった。
「う、うん。」
「さ!早く早く!」
「う、うん。」
エルの催促に負けてしまったかすみ。
ゆっくりと自身の水筒を彼女に差し出すのであった。
「あぁ……ふふふ。この時を待ってました。」
かすみからゆっくりと受けとると、妖艶な笑みを浮かべるエル。
エルには、大勢のファンがいる。
彼らが今の彼女の姿を見てしまったら骨抜きにされてしまうだろう。
「……ずるい。この金髪似非外国人、絶対に許せない。」
かすみの耳に届く小さな声。
……ゾクリ。
自身に向けられたものではない。
それでも、そのとんでもない罵倒に鳥肌が立つかすみであった。
「あ、後で……その、ゆかりちゃんにもあげるから……。」
ゆかりには早く落ち着いてもらいたい。
それは、その一心でかすみの口から出た言葉であった。
「そうですよ。私が飲んだ後であげますから、ゆかりさん落ち着いて下さい。」
にっこり。
勝者の余裕を見せるエル。
水筒に口をつけ、中のお茶を飲むエル。
ごくごく。
良い音が彼女の喉から鳴る。
その表情は悦楽に浸っている。
むすっとするゆかり。
不貞腐れているのは明らかであった。
その場の空気。
それがエルに味方するものとなってしまっていた。
少しエルに肩入れし過ぎたかもしれない。
フォローする必要がある。
かすみは、機嫌の悪そうなゆかりを見て、そう思うのであった。
「ごめんね、言い過ぎたかも。」
ゆかりの頭を撫でるかすみ。
ゆかりのむすっとしていた顔。
それが、徐々に真顔になっていき、やがて微笑みに変わった。
「……苦しゅうない。」
機嫌が良いのだろう。
彼女にもし、尻尾があったとしたら、声とは真逆に元気良くブンブンと振っていただろう。
「そっか、良かったよ。」
「……もう少し撫でていたかったら、もうちょっとやってても良いよ?私もかすみちゃんの手の感触を味わうことが出来るし、かすみちゃんも私の頭の感触を楽しめるし……うぃんうぃんだね。」
「そ、そっかぁ……Win-Winかぁ……。ゆかりちゃんは難しい言葉を知ってるね。」
「……えへへ、ナウい若者だからね。」
「さ、さぁ!そうと決まったら一口下さい!」
ずいっ。
二人の間に割って入るエル。
決して何も決まってない。
了承した覚えはない。
いつもどちらかに強引に話を進められてしまう。
内心苦笑いするかすみであった。
「う、うん。」
「さ!早く早く!」
「う、うん。」
エルの催促に負けてしまったかすみ。
ゆっくりと自身の水筒を彼女に差し出すのであった。
「あぁ……ふふふ。この時を待ってました。」
かすみからゆっくりと受けとると、妖艶な笑みを浮かべるエル。
エルには、大勢のファンがいる。
彼らが今の彼女の姿を見てしまったら骨抜きにされてしまうだろう。
「……ずるい。この金髪似非外国人、絶対に許せない。」
かすみの耳に届く小さな声。
……ゾクリ。
自身に向けられたものではない。
それでも、そのとんでもない罵倒に鳥肌が立つかすみであった。
「あ、後で……その、ゆかりちゃんにもあげるから……。」
ゆかりには早く落ち着いてもらいたい。
それは、その一心でかすみの口から出た言葉であった。
「そうですよ。私が飲んだ後であげますから、ゆかりさん落ち着いて下さい。」
にっこり。
勝者の余裕を見せるエル。
水筒に口をつけ、中のお茶を飲むエル。
ごくごく。
良い音が彼女の喉から鳴る。
その表情は悦楽に浸っている。
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