あなたにかざすてのひらを

あさまる

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どうリアクションしたら良いか分からないかすみ。
彼女と同じく苦笑いするだけであった。

着替え終わる頃には、少し疲れていたかすみであった。
はぁ。
自然と出てしまったため息。
一方二人はそんな彼女を見た途端、深呼吸するのであった。


リビングへ向かうと、机にはかすみの朝食が用意されていた。

朝食を食べるかすみ。
そして、机を挟み、向かい合って座る二人。
彼女らは、かすみが食べ終わるまでずっと彼女のことを見ていた。

よく飽きないな。
二人の視線を感じ、そう思うかすみであった。

テレビに映し出されたニュースがかすみの興味をそそった。
今まで寛解することはあっても、完治しないような病気。
それらが完治するようになったというものであった。


「……へー、凄いなぁ。」
ぼそり。
かすみの口から出た一人言。

「……照れる。」

「そ、そんな……かすみさんったら……。」

かすみの呟きが聞こえていた二人。
なぜか彼女らが褒められていると思っているようであった。

「な、なんで二人が照れるの?」

「……な、何でだろうね?」

「お、おほほ……。」

誤魔化す二人。
これ以上の追求は野暮だろう。
そう思うかすみ。
妙なところで空気を読むのであった。


「いってらっしゃい。ゆかりちゃん、エルちゃん、かすみをよろしくね。この子朝弱いからちゃんと登校出来るか見ててあげてね。」

「……任せて、お義母さん。ずっと見てる。」

「お任せ下さい、お義母様!おはようからおやすみまでしっかり観察してます!」

「いってきま……うん?なんか二人ともニュアンス違う気がするんだけど……?あと凄い不穏な言葉が聞こえたんだけど……。」

「気のせいじゃないですか?ほら、起きたばかり寝ぼけてるんじゃないんですか?」

「……うん、気のせい、気のせい。早く起きて。」

気のせいならば仕方がない。
深く考えないようにするかすみであった。

玄関を出るかすみ。
元気良く飛び出す。


しまった。
後ろを振り返る。
そこには日焼け止めを塗る二人の姿があった。

いつものことだ。
しかし、やはりこのワンテンポ遅れるものには慣れない。

「ご、ごめん、二人とも。いつも大変なのに急かしちゃって……。」

「……こっちこそ、ごめんね。ちょっと待ってて、すぐ終わらせるから……。」

「ごめんなさい、かすみさん。私もなるべく早く終わらせますので……。」
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