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週末を終えて
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「もうっ!どういたの!?」
「え?な、何がっすか?」
「それはこっちのセリフだ。」
二人が驚き、彼女を見る。
まるで華子が異常だと言わんばかりの視線だ。
「おかしいったらおかしいって!二人とも不気味なほど静かだし、何より鯉崎君があり得ないほどおかしいよ!」
「……なぜだ?」
「だってご飯少ないもん!」
「……ま、まぁ、確かに鯉崎にしては少ないっすけど……本来はこんなもんっすよ?」
彼女の主張に苦笑いする丸雄。
確かにその通りだ。
亥玄の食事量に慣れてしまっていた為、気づかなかったが、本来の量はこの程度のはずだ。
亥玄の弁当箱を確認。
確かに一人前だ。
しかし、だからこそおかしいのだ。
それが理解してもらえず、華子はもどかしかった。
丸雄のローテンション。
そして、少食な亥玄。
明らかにおかしい。
ぎこちなく、もやもやもする。
しかし、だからと言って、華子にはどうすることも出来ず、放課後になってしまった。
腹を括った。
今からまた、直接亥玄に異変を問いただす。
そう覚悟し、席を立ち上がる華子。
彼女は、亥玄の席へと向かおうとした。
しかし、そこには既に亥玄はいなかった。
それならば、と丸雄の方へ行こうとする。
しかし、彼もいなかった。
「もうっ!二人ともどこ行ったの!?」
つい心の声が出る。
「鯉崎とシバマルならもう帰ったんじゃない?」
クラスメイトの一人が彼女の一人言に反応した。
「え?そうなの?」
「うーん、多分ね?二人とも、すぐ出てったし……。」
「えー……。」
二人で示し合わせたように出て行ったのか。
それならば、追うのは止めた方が良いかもしれない。
華子はトボトボと一人で帰ることにした。
「それで?」
「……?」
一方その頃の亥玄と丸雄。
彼らはまだ下校しておらず、屋上に来ていた。
「お前が鼬原に捕まる前に来いって言ったんだろ。」
そう。
ここに彼を呼び出したのは丸雄で、そのことは華子に知られたくなかったのだ。
「あ、あぁ、そうっすね、そうっす。」
「おい、帰っても良いんだぞ?」
「ちょ、ちょっと!」
「嘘だ。……それで?」
「それ、同盟反対派の襲撃っすよね?」
先ほどの華子のように、自身の口元に指を当て、亥玄の怪我を指摘する。
「何だ、お前は知ってたのか。」
「ありゃ、当たりっすか。」
丸雄が嬉しそうに口角を上げる。
「え?な、何がっすか?」
「それはこっちのセリフだ。」
二人が驚き、彼女を見る。
まるで華子が異常だと言わんばかりの視線だ。
「おかしいったらおかしいって!二人とも不気味なほど静かだし、何より鯉崎君があり得ないほどおかしいよ!」
「……なぜだ?」
「だってご飯少ないもん!」
「……ま、まぁ、確かに鯉崎にしては少ないっすけど……本来はこんなもんっすよ?」
彼女の主張に苦笑いする丸雄。
確かにその通りだ。
亥玄の食事量に慣れてしまっていた為、気づかなかったが、本来の量はこの程度のはずだ。
亥玄の弁当箱を確認。
確かに一人前だ。
しかし、だからこそおかしいのだ。
それが理解してもらえず、華子はもどかしかった。
丸雄のローテンション。
そして、少食な亥玄。
明らかにおかしい。
ぎこちなく、もやもやもする。
しかし、だからと言って、華子にはどうすることも出来ず、放課後になってしまった。
腹を括った。
今からまた、直接亥玄に異変を問いただす。
そう覚悟し、席を立ち上がる華子。
彼女は、亥玄の席へと向かおうとした。
しかし、そこには既に亥玄はいなかった。
それならば、と丸雄の方へ行こうとする。
しかし、彼もいなかった。
「もうっ!二人ともどこ行ったの!?」
つい心の声が出る。
「鯉崎とシバマルならもう帰ったんじゃない?」
クラスメイトの一人が彼女の一人言に反応した。
「え?そうなの?」
「うーん、多分ね?二人とも、すぐ出てったし……。」
「えー……。」
二人で示し合わせたように出て行ったのか。
それならば、追うのは止めた方が良いかもしれない。
華子はトボトボと一人で帰ることにした。
「それで?」
「……?」
一方その頃の亥玄と丸雄。
彼らはまだ下校しておらず、屋上に来ていた。
「お前が鼬原に捕まる前に来いって言ったんだろ。」
そう。
ここに彼を呼び出したのは丸雄で、そのことは華子に知られたくなかったのだ。
「あ、あぁ、そうっすね、そうっす。」
「おい、帰っても良いんだぞ?」
「ちょ、ちょっと!」
「嘘だ。……それで?」
「それ、同盟反対派の襲撃っすよね?」
先ほどの華子のように、自身の口元に指を当て、亥玄の怪我を指摘する。
「何だ、お前は知ってたのか。」
「ありゃ、当たりっすか。」
丸雄が嬉しそうに口角を上げる。
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