はりぼてスケバン弐

あさまる

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図書館から出て歩く二人。
未だにぼんやりする頭で丸雄と話す華子は、既視感に苦笑いしてしまった。

「姐さんはうちの頭なんっすからあんまり無理しないで下さいね?」

「じゃあ赤点避けてね?」

「へへ、辛辣っす。」

隣を歩く華子。
丸雄は、そんな彼女を見る。

「……?どうしたの?」
彼の視線に気づいた華子がキョトンとして聞く。

「……何でもないっす。」

入学して間もなく、黒龍高校の番長となった華子。
そんな彼女の隣を今、歩いている。
彼女はきっと、クラスメイトとして、友人としてある程度は好意的に思ってくれていることだろう。

番長の側近であり、右腕。
今までは、その立場で満足していた。
しかし、それでは不満になりつつある。

いつになるか分からない。
それでもいつか、彼女の隣を歩いても恥ずかしくないような者になりたい。
そんなことが、頭に浮かぶ丸雄であった。
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