はりぼてスケバン弐

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「こんなところで偶然……なわけないよな？何をするつもりだ、巳白。」
鋭い視線。
臨戦態勢。

亥玄の目の前に、先ほどまで秋姫と噂をしていた彼がいた。
巳白だ。

「別に俺がどこにいようとお前に関係ないだろう？」

その言動。
そして、その様子。

久しぶりの再開だ。
それでも彼には分かった。
分かってしまったのだ。

「俺がやらせると思うか？」

「やってやるさ。もうこれしかないからな。」

無数の金属の音。
いつの間にか、何人もの青年が亥玄を囲むように立っていた。

周囲をさらりと見る。
金属音の正体は、彼らが持っているバットや金属パイプであった。

「今日はかなり楽しそうだったな。頭があんなのだから腑抜けてしまったか？」

「……ごちゃごちゃうるさい、早く来い。」

「……やれ。」

華子達の知らない間に事は進んでいた。
しかし、もちろん当の本人がそんなことをこの時知る由もなかった。


余談だが、この日のSNSはとある人物達についての話題で持ちきりであった。
正体不明の美男美女。

その二人がどこの芸能事務所所属なのか。
それとも、どこかのアイドルなのか。
様々な憶測が飛び交っていたが、どれもこれもが確信のないものであった。