はりぼてスケバン弐

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「まぁまぁ、鼬原ちゃん。数日の辛抱だからねー。我慢、我慢。」
華子へ向けられる声。
予想外なことに、心司のものであった。

「うわっ！？……びっくりした……尾谷先輩も来てたんですね。」

「いやー、何か楽しそうなことやってるなーって思ってねー……着いて来ちゃったよー。」

「……。」
来ちゃったよ、ではない。
ヒクヒクと沸き上がる怒りに口角を動かす華子。

これは早急に蝶華に鍛えてもらわなければならない。
彼女はそう思うのであった。


昨日からの一連の騒ぎで疲れてしまった華子。
教室に到着する頃には疲労で上手く座れず、机に突っ伏してしまった。

のそりと起き上がる。
そして、教室を出て行こうとする。
すると、彼女の後をゾロゾロとクラスメイト達が着いていく。

「姐さん！？どこ行くんっすか！？俺も行くっす！」

「こ、来なくて良いからっ！皆もっ！そこっ！鯉崎君もだからねっ！」
クラスメイト達に感情的に華子が言う。

「……し、しかし……。」

「一人じゃ危ないっすよ！」

「危なくないって！……トイレに行くだけだから大袈裟にしないでよー！」
華子の叫びは校内に虚しく響き渡った。