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「やぁやぁ久しぶりー。……鼬原ちゃんと話すの三章くらい振りじゃないかなー?本当、久しぶり過ぎてキャラ忘れちゃったよー。」
「え?さ、三章振り……?ど、どういうことですか?」
何の話をしているのか。
華子にはまるで話が見えない。
「あー、ごめん、ごめん。それはこっちの話だからねー。」
ヘラヘラとおどけて答える心司。
さらに何だか分からなくなってしまった。
しかし、一つだけ分かることがある。
これ以上追及してはいけない。
華子は、ただただ苦笑いするしか出来なかった。
「え、えっと、武蔵野さんの自主退学の噂が本当だとして……尾谷先輩はどうして一年生の教室に?」
話題転換。
華子が彼へ尋ねる。
本当に退学したようだ。
そうであれば、厄介だ。
彼女には、もうリスクをもう恐れる必要がない。
何を仕出かすか分からないのだ。
だから先ほどから悩んでいるのだ。
「あー、最近妹がお世話になってるみたいだからねー。いやー、黒高の番長に二代に渡って兄妹が世話になったとなればねー。」
「あ、いえいえ……こちらこそ……。その、妹さんには日頃からお世話になってます。」
ペコリ。
深々と頭を下げる華子。
多少なりとも打ち解けてはいたが、つい仰々しい態度を取ってしまった。
「……と、まぁ雑談はここまでにして……きっと色々な考えが渦巻いてて困ってる……よね?」
「……は、はい。」
言う通りだ。
華子が肯定する。
「でも、安心してほしい。彼女にはもう好き勝手な行動はさせないことを約束するから。」
「え?」
「そう。君が倒した双葉、あの子のお兄さんなんだけど覚えてる?」
「は、はい……。」
「あいつが責任持って妹を見るって言ってたからさ。」
「そ、それって信用して良いんですか?昨日のこともあるので……その……。」
「それはそれ。これはこれ。大丈夫だよー。」
「……。」
一切信用出来ない。
彼の言葉を聞き、華子が無言になってしまうのも無理はない。
「いざとなれば実力で追い払えるみたいだし、大丈夫だってー。もっと気楽に構えようぜー?」
「……。」
所詮は他人事ということだろうか。
苛立ちを隠せない華子は口角がピクピクと動く。
今は返り討ちにあってしまうだろう。
だからしない。
しかし、今ここで決意した。
蝶華にもっと鍛えてもらおう。
そして、まずは心司を倒してしまおう。
「え?さ、三章振り……?ど、どういうことですか?」
何の話をしているのか。
華子にはまるで話が見えない。
「あー、ごめん、ごめん。それはこっちの話だからねー。」
ヘラヘラとおどけて答える心司。
さらに何だか分からなくなってしまった。
しかし、一つだけ分かることがある。
これ以上追及してはいけない。
華子は、ただただ苦笑いするしか出来なかった。
「え、えっと、武蔵野さんの自主退学の噂が本当だとして……尾谷先輩はどうして一年生の教室に?」
話題転換。
華子が彼へ尋ねる。
本当に退学したようだ。
そうであれば、厄介だ。
彼女には、もうリスクをもう恐れる必要がない。
何を仕出かすか分からないのだ。
だから先ほどから悩んでいるのだ。
「あー、最近妹がお世話になってるみたいだからねー。いやー、黒高の番長に二代に渡って兄妹が世話になったとなればねー。」
「あ、いえいえ……こちらこそ……。その、妹さんには日頃からお世話になってます。」
ペコリ。
深々と頭を下げる華子。
多少なりとも打ち解けてはいたが、つい仰々しい態度を取ってしまった。
「……と、まぁ雑談はここまでにして……きっと色々な考えが渦巻いてて困ってる……よね?」
「……は、はい。」
言う通りだ。
華子が肯定する。
「でも、安心してほしい。彼女にはもう好き勝手な行動はさせないことを約束するから。」
「え?」
「そう。君が倒した双葉、あの子のお兄さんなんだけど覚えてる?」
「は、はい……。」
「あいつが責任持って妹を見るって言ってたからさ。」
「そ、それって信用して良いんですか?昨日のこともあるので……その……。」
「それはそれ。これはこれ。大丈夫だよー。」
「……。」
一切信用出来ない。
彼の言葉を聞き、華子が無言になってしまうのも無理はない。
「いざとなれば実力で追い払えるみたいだし、大丈夫だってー。もっと気楽に構えようぜー?」
「……。」
所詮は他人事ということだろうか。
苛立ちを隠せない華子は口角がピクピクと動く。
今は返り討ちにあってしまうだろう。
だからしない。
しかし、今ここで決意した。
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そして、まずは心司を倒してしまおう。
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