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「へへ、俺の情報網舐めないでほしいっすよ、姐さん!目的地が分かれば後をつけるなんて簡単なことっすよ!」
ふふん。
得意げな丸雄。
可愛い姿だ。
しかし、今の華子にとっては多少なりとも苛立たせるものであった。
「もうっ!今回は許すけど止めてよねっ!」
チョップ。
渾身の一撃を丸雄の頭に浴びせる華子。
「ご、ごめんなさいっす……。」
頭を抑え、謝罪する丸雄であった。
「鯉崎君もだよ!?分かった!?」
鬼気迫るものだ。
しかし、そんなものに怯む亥玄ではない。
「……。」
無言。
そして無表情で彼女に近づく亥玄。
目を逸らさない。
ただでさえ整った顔の彼がゆっくりとであるが確実に近づいて来る。
「え?ちょ、こ、鯉崎君……?」
たじろぐ華子。
先ほどから予想外の反撃ばかり食らってしまう。
「……それなら。」
「ちょ、ちょっと……!」
両者の顔があと少しで触れられそうなほどに近寄る。
咄嗟に目を瞑る華子。
彼女の額に微かな痛み。
彼にデコピンをされたのだった。
「……心配かけさせるな、馬鹿。」
「……へ?」
額を抑え、呆気に取られる華子。
「も、もうっ!二人とも!俺がいるの忘れないっすか!?ほら、行くっすよ!」
幸か不幸か。
丸雄の力推しによりおかしな空気が壊れた。
そして、未だ微妙な雰囲気ではあるものの、帰路につく三人であった。
ふふん。
得意げな丸雄。
可愛い姿だ。
しかし、今の華子にとっては多少なりとも苛立たせるものであった。
「もうっ!今回は許すけど止めてよねっ!」
チョップ。
渾身の一撃を丸雄の頭に浴びせる華子。
「ご、ごめんなさいっす……。」
頭を抑え、謝罪する丸雄であった。
「鯉崎君もだよ!?分かった!?」
鬼気迫るものだ。
しかし、そんなものに怯む亥玄ではない。
「……。」
無言。
そして無表情で彼女に近づく亥玄。
目を逸らさない。
ただでさえ整った顔の彼がゆっくりとであるが確実に近づいて来る。
「え?ちょ、こ、鯉崎君……?」
たじろぐ華子。
先ほどから予想外の反撃ばかり食らってしまう。
「……それなら。」
「ちょ、ちょっと……!」
両者の顔があと少しで触れられそうなほどに近寄る。
咄嗟に目を瞑る華子。
彼女の額に微かな痛み。
彼にデコピンをされたのだった。
「……心配かけさせるな、馬鹿。」
「……へ?」
額を抑え、呆気に取られる華子。
「も、もうっ!二人とも!俺がいるの忘れないっすか!?ほら、行くっすよ!」
幸か不幸か。
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そして、未だ微妙な雰囲気ではあるものの、帰路につく三人であった。
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